あらすじ
いま体を鍛えるビジネスマンが急増中。経営者や金融マン、クリエイターなど、常に成果を求められる人ほど、トレーニングに時間とお金を投資している。筋肉を鍛え維持することは、もはや英語やITにも匹敵するビジネススキルなのだ。本書では「直感力・集中力が高まる」「精神がタフになる」など、筋トレがメンタル面に大きな変化をもたらすメカニズムを解説。続けるための工夫、効果を高める食事・睡眠、ジムの活用法など、独自のノウハウも満載した画期的トレーニング論。
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Posted by ブクログ
健康管理がよく叫ばれている昨今の様な気がしますが、仕事ができる人は、体を鍛えることも上手くいくようにすることができる、そんな相乗効果について述べられていました。筆者の持論として、日本人ビジネスパーソンに有益なスキルとして、IT、英語、金融そして筋肉と謡っておりますが、筆者のトレーニングコーチとしての経験則から、その筋肉を養うために、どのような心構えを持つべきなのかを知るのにうってつけの一冊でした。
私が本書を読んでみて感じたトレーニングする意義について、「なぜ」と「どうやって」の観点から感銘を受けた内容を取り纏めたいと思います。
まず「なぜ」の部分について、もちろん始める理由がちゃんとしているに越したことはないのですが、俗な目的でも良いと言っています。例として、健康診断の数値をどうにかしたい、痩せてモテたいなど、私自身を振り返ってみても、走ることを通して痩せられて、それが良い出会いに繋がればなぁという下心もありましたので。
次に「どうやって」の観点についてですが、本書はビジネス書というジャンルの分類であるからか、「ベンチプレスを◯kg持てるようになるには、◯◯せよ」とか「体重◯kg痩せるには◯◯を食べて、ランニングを◯分間せよ」の様な具体的なメニュー内容には一触れていませんでした。その代わり運動習慣を取り入れる上での心構えや注意点を列挙しており、その中から興味をそそられたものを紹介します。
画期的で斬新的なトレーニング方法などそうそうないということ、どういうことかと言うと人それぞれ身長、体重、性別も異なるし、体質も万人不同です。テレビや雑誌などで流行りのトレーニングとかを謡っていたりしますが、あんなのはトレンドを発することで、メディアが視聴率や数字を稼ぐという魂胆によるものです。本当に自分の健康のためにフィットする運動習慣とは何か、そういう目利きができるようになるのもトレーニングの範疇であるとも感じさせてくれました。
次に、高級ジムとそうでないジムとの違いについてです。それはロッカーの大きさや更衣室の広さ、シャワー室のタオルの有無やそのクオリティ、そこにコストが集中しており、トレーナーの経験知識は下手をするとチェーン展開の店舗ジムスタッフよりも劣り得るとのことです。その話に触れて、確かに快適なトレーニング環境はお金で買えるかもしれないが、「金があれば何でも買える」という現代社会の様相とは相反する、鍛えられた肉体はお金では買えない、健全な身体は努力の賜物であり、人間の成長する原理原則は不変であることを認識させられました。
というのも身体や生命に関するものは、プロセスを簡略化できないということです。赤ちゃんが生まれるのに母体で過ごす期間も約10ヶ月を要することから、健康食品を数日間食べたから、筋トレを頑張ったからといって、健康な身体にはなれないということです。農業もそういう意味では、栽培から収穫にかけて、野菜が成長するまでに時間を要することから、根気の良さがトレーニングにも共通していると感じました。
特に日本の現代人こそ、トレーニングすべきではないかと感じさせた内容がありました。日本は島国で経済大国であるが故、命を脅かす状況が非常に少ない、云わば平和ボケしてしまっているのではないかとのことです。そういう危機管理にも敏感になるべく、やはり鍛錬はしておいた方が良いよと述べています。
今回、医療社会学者であるアントノフスキーの提唱による「首尾一貫感覚」が、私の最も関心をそそられた内容です。今トレーニングしていることは、なりたい自分へのワンステップであると捉えられる「有意味感」、これがなければ効果の見え辛いトレーニングなんて「しんどい、だるい、面倒くさい」と思うだけで終わってしまいます。次に「把握可能感」、人間は環境に適応できるということで、事が順風満帆に進まないビジネスにおいて、トレーニングとは、面倒事や不測事態も着手するメンタルを育んでいるということです。最後の「処理可能感」はいわゆるポジティブシンキングです。トレーニング習慣とは「やってみよう」というチャレンジ精神を向上させられます。
本書の内容を超要約すると、「継続は力なり」の一言に尽きるのですが、健康が心配で、運動習慣を持ちたいビジネスマンに対する励ましの一冊だと思いました。
Posted by ブクログ
初読は10年前。タイトルがちょっと“引く”が、内容は極めて真摯でプロフェッショナル。山本さんのスキルと人間性が感じられる。
「トレーニングを始めるのに、遅すぎるということはない(p80)」
50歳にして初めてパーソナルトレーニングを始めた。少し痩せたいし、筋肉もつけたい(ちょっともてたい)。でも一番の目的は、人生後半に継続的な負荷をかけ人間性を高めること、かもしれない。
「鍛え上げられた筋肉は、人間としての成長の軌跡(p214)」
さぁ、今日もトレーニングで逝こう。