【感想・ネタバレ】グローバル格差を生きる人びと 「国際協力」のディストピアのレビュー

あらすじ

「善意」の国際協力は限界を迎えている.アフリカの人びとはSNSや衛星放送で日々目にする豊かな国の暮らしを羨望し,先進国との関係に疑念を抱くようになった.「支援」によって困窮する農村や女性,国際詐欺や陰謀論……長年のフィールド研究の成果をもとに,人びとの目線で「国際協力」の神話を解体し,新たな共存の道を探る.

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Posted by ブクログ

ネタバレ

アフリカのガーナでの状況をわかりやすく説明している。カカオについては他の書籍でも触れられているかと思うが、白人を対象としたロマンス詐欺については、初めて活字になったように思われる。ロマンス詐欺を中心においてガーナの経済の問題を掘り下げるのも、出会い系サイトを使う学生にはわかりやすいと思われる

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2025年10月19日

Posted by ブクログ

ネタバレ

グローバル格差は、拝金主義を生み、ガーナでロマンス詐欺が人気の仕事になる。学生は詐欺のためのチャットで朝起きられない事態。
学校を卒業しても仕事がない。生活苦。詐欺で稼いだお金で親孝行ができて羨ましがられる。

大衆の陰謀論への共感は、アフリカに関する偏向報道から始まっている。西側の資金援助のために、アフリカの悲惨な場面ばかりが報道されていて、それに嫌気を指している。
フランスの金融帝国主義=旧宗主国のフランの植民地通過を使っている。フランの支配から抜け出せない。
カカオお生産はチョコレートの付加価値の6%しかない。一次産品をそのまま輸出するしかない。穀物を輸入するため。

緑の革命で、旧来の複数土地を肥沃回復させながら行う農業はなくなった。化学肥料がなければ生産できない。土壌が劣化した。化学肥料が買えなければ収量は増えず、手入れを怠るようになる。政府による援助がなければ、生産できなくなった。

女性が、女性を対象にする農業開発事業を歓迎する。収入が増えるため。しかしそのため、女性の仕事がますます増える。女性の過重労働問題が解決しない。

教育受けても食べていけないから、教育より稼ぎを選ぶ。その結果教育レベルが低いままになる。識字教育をすると国際詐欺が増える。

旧仏領諸国を中心に西側諸国の陰謀論が広がっている。緑の革命などの誤った援助と、単一作物への集中。
一次産品の輸出で外貨を獲得する植民地経済から脱却できない。

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2025年11月21日

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