【感想・ネタバレ】まほらば6巻のレビュー

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Posted by ブクログ

『まほらば』で忘れられない台詞を上げるとすれば、その一つは第32話で登場する沙夜子の「恨むわ…呪うわ…」だったりする
だからそんな台詞が登場して、沙夜子と朝美の関係について掘り下げられるこの巻はかなり好きだったりする

棗の再登場から始まる第6巻。隆士に懐いている様子を見せ、鳴滝荘の面々とも仲良くしたいと思っている棗。だというのに交流の様子は以前棗が登場したときと変わらぬ様相を呈す。以前と比べて鳴滝荘の面々に変化があるわけではないし、棗も積極的になったわけではないのだから当然の事態
その事態を変えた、というか両者の仲介となったのが隆士であったのは印象的なポイント。隆士が梢の別人格とどの様に接していくことになるのか、その方向性が見えた話であるように思えた

そしてこの巻の本命とも言える『大事』は3話も使って描かれてかなり豪勢。
この話で印象的な点は沙夜子の口数の少なさか。これらの展開に置いて中心になるのは沙夜子と朝美の関係性なんだけど、第30・31話において沙夜子は殆ど発言をしない。発言をしないということは彼女の心情が描かれないということでもある。普段からセリフ量が少なく何を考えているか判らない人物であるが、第30・31話では沙夜子が中心となるのに何も話さないためにその傾向が更に顕著になっている
少しの台詞はあるし、表情変化は見られる。一応彼女の心情変化を推察することは出来るのだが難しいことに変わりはない。だからきちんと自分の気持ちを口に出し寂しそうな表情をする朝美に感情移入してしまう。苦しい境遇に追いやられてしまいそうな朝美の立場から話を見てしまいそうになる

それだけに溜めに溜めてどす黒いとも言える沙夜子の本音がぶちまけられる第32話は衝撃的。
死んだ者は生き残った者の幸福を願うという道徳的な考えを沙夜子は否定する。あの場面で沙夜子が語る考え方はあまりに独善的で過去に囚われていて、だからこそ彼女がどれだけ黒崎を好きで居たかが判ってしまう。彼が遺した朝美にどれだけ感謝しているかが見えてきてしまう
それは沙夜子と朝美と今は亡き黒崎によって構成された家族の輪の外にいる者によっては止められない形だ。これほどまでに強烈で温かみに満ちた家族の形を自分は他に見たことがない

ただ、沙夜子と朝美の関係性を丑三が邪魔できないのはその通りなのだけど、それでも沙夜子と丑三の間の絆が無くなるわけでもないのは確かなこと。それが「どこぞなりへと行くがいい!!」と言って、しばらくしてから丑三が静かに「帰ってくればいい…いつでも…」の台詞に現れているように感じられた

本当にこの『大事』は記憶に残るような部分が多くて時折読み返したくなる。改めてそれを感じられた

それにしても沙夜子の母親である夕は幾ら何でも若すぎると言うか……。あれってむしろ吸血鬼とかそういう存在なんじゃ……

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2018年11月24日

Posted by ブクログ

普通泣くだろ。多分間違っているんだろうけど芯を通す意味から泣けた。

意外と水無月家の皆さんも面白いのもポイント。

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2011年04月01日

Posted by ブクログ

変わってゆけるものがある。変わらずにいられるものがある。独りのあの子、秋の風景、黒崎家の一大事。過ぎ行く季節の中に映る、変わっていくものと、変わらないもの。おまけ外伝「マジカル▼ナッチン」も収録です!

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2009年10月04日

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