あらすじ
善良だが無知な人間、と同時代知識人に批判されたペトラルカ。アリストテレスこそが〈神〉、その自然哲学に暗いとは、と謗(そし)る敵陣を、人間主義・反権威主義で迎撃し、古典文献収集と言語研究の必要を説いた著者。雄弁の復権、プラトン再読などの基本構想を具体的包括的に述べたルネサンス人文主義(ユマニスム)最初の宣言書。晩年の主著。
...続きを読む感情タグBEST3
このページにはネタバレを含むレビューが表示されています
Posted by ブクログ
ペトラルカに対する友人たちの不正な評価を論駁した書。
ですが、むしろペトラルカが自身を慰めるための文章のような気がする。
彼自身はキリスト教信仰者として正道を歩んでいるという自信と希望を持っている一方、年老いても未だ怒りや悲しみなどの感情が起こるのを抑えることができず、葛藤している様が人間的で好感を持てる。
ペトラルカが最も大切だと考えたのは神に対する信仰でした。
信仰とは神を知ろうとすることではなく熱烈に愛することです。
「善であろうと意志することは真理を知ろうとすることより優れている」とも述べています。
キケロの言うように「ことばにも顔にも心を表し、何事も自分自身と話すように友人たちと話す」べきである、というのは良い考え方だなと思いました。