あらすじ
神出鬼没の災厄――
死神。
――彼が現れたからといって、よくないことが起きるわけではない。
よくないことが起きた場所に彼が現れるのだ。
飛行中の飛行機内で殺人事件が発生。
機内が混乱に陥る中、大型飛行怪獣が姿を現す。
無事に着陸できるのか?
怪獣省の予報班の岩戸正美は、エースとして活躍していたが、彼女をもってしても不可解な事件が発生することがある。そんな時に決まって姿を現す警察庁特別捜査室の船村秀治。船村に彼女は振り回されているが、彼の悪い予感はよく当たる。船村に頼まれ、岩戸が搭乗した飛行機の中で、飛行中に殺人事件が発生してしまう。閉鎖された空間での混乱の中、危惧していた飛行怪獣が姿を現してしまう。
別日にはロシアに現れた二種の怪獣が日本の方向に南下。うち一種が武器庫を襲い、核をのみ込んだという。その怪獣を特定するため、岩戸は船村と北海道に渡る。
また、七年前に山中の集落で放火殺人事件があった。犯人は捕らえられ、死刑が確定していたが、同時期に事件現場の北で小型怪獣が現れていたため、この事件も怪獣が引き起こしたもので冤罪が疑われた。執行まで限られた時間の中で、岩戸と船村は事件の解決に奔走する。
『名探偵コナン』『ウルトラマン』シリーズの脚本家・大倉崇裕による〈怪獣×本格ミステリ〉シリーズ第二弾!
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Posted by ブクログ
【収録作品】三三〇〇〇フィートの死神/赤か青か/死刑囚とモヒカン/エピローグ
怪獣省の第一予報官・岩戸正美&警察庁公安部怪獣防災法専任調査部筆頭捜査官の船村が活躍する、「怪獣捜査」シリーズ第2作。
岩戸を怪獣殲滅に専念させてやれよと思う。
それだけでも相当のストレスなのに、背景に政治屋たちの覇権争いが絡んで邪魔をする。現場へのしわ寄せが半端ない。そこをなんとかするのが上司だろうと思うが、上司もそっち側なので、孤立無援。
岩戸たち現場が頑張れば頑張るほど、嫌な未来を招き寄せているのが皮肉である。
Posted by ブクログ
怪獣省所属の女性予報官・岩戸正美。彼女が遭遇する怪獣にまつわる3件の事件を収録。
アメリカに向かう米国国務長官を乗せた航空機の中で、アメリカ人のビジネスマンが毒殺された。同乗した岩戸は捜査に関わることになるが、犯人はなぜ機内で、どうやって殺したのか…『三三〇〇フィートの死神』。
ロシア国内に出現した赤と青の怪獣2体が日本の領海内へ侵入。うち一体が核兵器を飲み込んでいるという。赤だと言うロシアからの情報を信用してよいのか、岩戸は情報を持つ怪獣チェイサーに接触することに…『赤か青か』。
ある弁護士から呼び出された岩戸。7年前、岐阜県で5人が死亡する火災が発生し、集落の男性が逮捕された。この事件が実は怪獣によるものだったのではないかと告げられ、調査をすることに…『死刑囚とモヒカン』。
実際あるんだろうなぁという政治的駆け引きや、怪獣が実際存在したら世界情勢はどうなっているだろうかということが描かれている。怪獣防災法という怪獣省による怪獣対策に関わる事柄を妨げてはならないという法律も存在するなど、怪獣省はやりたい放題。
主人公の岩戸正美は予報官という職業なのだけれど、怪獣対応意外にも結構現地普通に捜査や調査など色々やらされている。普段は窓際部署の初老男性を装っているが、実は死神と呼ばれる公安のエース・船村とともに色々な現場に向かう。
前作の内容は世界観(と怪獣の研究をしていた夫婦の話ぐらい)しか覚えていなかったけれど、作家さん書いてて楽しかっただろうなと思った。1話目は岩戸が遭遇する事件と怪獣対応が実は繋がっているなどの視点は面白い。2話目はともかく、3話目は正直怪獣あんまり関係ないような感じがした。あと、前作読んでたらわかるところなのかもしれないけれど、思わせぶりな恋愛要素?が気になった。