【感想・ネタバレ】ダブル・ミステリ 月琴亭の殺人/ノンシリアル・キラーのレビュー

あらすじ

「月琴亭の殺人」数々の不可能犯罪を解決してきた元新聞記者の弁護士・森江春策。彼は幻の映画上映会に招かれ、潮が満ちると孤島と化す地・天眼峡に建つホテル《月琴亭》にやってきた。しかしそこに集った他の四人は、それぞれ異なる理由で何者かに呼び出されたことが判明する。かくしてクローズド・サークルと化した閉鎖空間では殺人が起き……「月琴亭の殺人」ののち、「ノンシリアル・キラー」を経て、物語は怒濤の「解決篇」へ。/「ノンシリアル・キラー」元恋人の磯島健太が死んだ。いい加減なのに憎めない、お腹の子供の父親が──。頼りない恋人を見限って、シングルマザーになるという選択肢を選んだライターの「わたし」は、妊婦が電車内でトラブルに見舞われて急死した事件の取材中に、奇妙な違和感を覚えた。被害者女性の周辺では事故死が相次いでいるのだ。この不気味な事実に着目した「わたし」は調査を進めるが……「ノンシリアル・キラー」ののち、「月琴亭の殺人」を経て、物語は怒濤の「解決篇」へ。あなたはどちらから読みますか?※収録しております「ノンシリアル・キラー」「解決編」は、電子書籍版収録にあたり、紙書籍版と仕様が異なる部分がございます。

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Posted by ブクログ

文庫の表からも(=通常の縦書き)裏からも(=横書き)読めて、真相編はその2作品の間に挟まれてるっていう、最高にチャレンジング&店頭で出会ったら購入必至な試みの本作。
こういう作品に出会う為にミステリスキーの末席にひっそりと居座ってますハイ…最高です…。

「いや、章を分けて普通に収録しても別に問題なくない?」

って思ったそこのアナタ。
私も最初ちょっと思ったよ←

いやでも、裏面から読める作品の方は「ネット上にアップされたブログ」っていう設定になってるから、本作に関してはこの仕掛けが実は大成功なんですね。
この仕掛けをせずに通常の体裁を取っちゃうと、この作品の魅力が半減するし、エピローグで言及される本作品の構造が体感し難い。
殺人事件の謎の難易度はめちゃくちゃ低いんですが、ちょっと前例を思い出せない「犯人指摘」は凄いよ。一瞬「え〜それはちょっとアンフェアじゃない?」って思いかけるんだけど、ちゃんとヒントや伏線は多少なりともあるし、フェアアンフェア論争の前に「凝ってるな〜〜」って感心させられちゃう力業が嬉しい。

挟まれるのが「読者への挑戦状」ではなく「読者への案内状」なのもムベなるかな。そうなのよ。少なくとも探偵は犯人を指摘「できない」からね。あと、単純に読み方の説明ターンでもある。

表裏どちらからでも読めるんですが、裏から読むと「え!!!時系列どーなっとん!?」って初っ端から混乱しちゃうので、普通に楽しみたい方は月琴亭から読むのをお勧めします。
いーや!ひねった読み方をしたい捻くれミステリスキーだぞ俺は!な勇者はノンシリアルからどうぞ。


【内容まとめ】

月琴亭の殺人…潮が満ちると孤立する島に、異なる内容の招待状で集められた5人の人物。加えて、彼等とひとかたならぬ因縁がある人物ーー「首吊り判事」がレストランに軟禁されているのを発見した彼等は、自分達も満潮によるクローズドサークルに閉じ込められたことを知る。仕方なく一夜を過ごす事にした一行だが、翌朝になって首吊り判事が死体となって発見される。


ノンシリアル・キラー…電車内のトラブルの最中に急死した妊婦の事件を調べていくうちに、「わたし」は奇妙な偶然に気付く。事件以降、彼女の周辺では奇妙な突然死が相次いでおり、その犠牲者の中には「わたし」の元恋人でありお腹の子の父親である男も含まれていたのだ。事件の目撃者に会って話を聞く「わたし」だったが、やがて驚愕の事実に直面する。

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2025年08月17日

Posted by ブクログ

創元推理文庫なので購入

数日前に読み終えてから登録するのを忘れていた

ユニークな本の構成は思い出せたが内容は…

そんな作品

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2025年10月12日

Posted by ブクログ

本の表と裏からそれぞれミステリの中篇が始まり、真ん中に解決篇があるという面白い本。こういう構成が凝った本を見ると楽しくなる。タイプの違うミステリを一冊で楽しめてお得!しかし、ネタバレにならない感想を上手いこと言えない…

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2025年09月21日

Posted by ブクログ

表から「月琴亭の殺人」、裏から「ノンシリアル・キラー」という二つの作品。最後にこの二つがどうつながるのか、というミステリ。

確かに「読者への『案内状』」!
なかなかにつながりが理解するの難しかったけど、試みは面白かった!!

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2025年08月18日

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