あらすじ
ままならない悩みを、脳科学者がときほぐす
なぜ苦しみや葛藤を抱えて生きるのか
悩みを根源から解明する
失敗が怖い、恋ができない、人間関係の拗れ、SNS疲れ……。ままならない悩みに科学目線で答える「週刊文春WOMAN」の人気連載を書籍化。読者と有名人のお悩みに回答するほか、俳優、アナウンサーら6人との対面相談も収録。
\有名人のみなさんからの相談も/
内田也哉子 海野つなみ 大久保佳代子 大下容子 加藤一二三 要潤 木村多江 小杉竜一 坂本美雨 高見沢俊彦 武田真一 俵万智 つづ井 デーブ・スペクター 中村うさぎ 二階堂ふみ 松重豊 南果歩 森山未來 山口真由(50音順)
<目次>
はじめに “悩むこと”は美しい
第1章 不安を味方につける
第2章 ままならない自分を科学的に理解する
第3章 人間関係に効く脳科学
第4章 身体と脳のふしぎについて
第5章 インターネット、世間へのモヤモヤをほぐす
第6章 年齢と記憶の疑問に答える
おわりに 「業」の肯定
《人間は不安や苦しみや葛藤があるから生き延びられた》
《「悩むこと」は、脳に生まれながらに備わる必要な機能》
著者初の人生相談本!
感情タグBEST3
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Posted by ブクログ
中野信子さんの著書「人はなぜさみしさに苦しむのか」を読んで、当時抱いていたさみしさ、不安の感情がやわらぎ、元気づけられた。、その後、彼女の著書を何冊か立て続けに読んで、自分の、特に負の感情が沸き上がってきたとき、メタ認知し、自分の脳の思考の癖を思い出し、それ以上、その負の感情の深みにはまらないように努力している。
そして、この本は、実際に相談された内容に対して、脳科学者である中野さんからのアドバイスが書かれた本である。また、ここに書かれてある相談事って、実は誰もが、一つや二つ抱えているのではないだろうか。
私の場合、俵万智さんの「方向音痴」に対しての相談。俵さんの相談を読んで、私も俵万智さんと同じぐらいひどい方向音痴。
脳のどこかが壊れているのではないかとずっと不安を抱いていた。しかし、方向音痴の脳の仕組みと、また方向音痴を治すための訓練方法が書かれてあり、さっそく試してみようと思った。成果が出ればいいなと思う。
そして、いつからかはっきりしないが、漠然とした将来への不安があり、でもそれを上手に表現できなかった。しかし、フリーアナウンサーの武田真一さんの相談内容の文を読んで、これだと思った。
子供たちを見ていても、若い人たちを見ていても、もちろん、自由に生きているように見えるけど、様々な情報の波に翻弄され、とても窮屈そうな中にいるように思ってしまう。物理的には便利がよくなったのに。しかし、個人の快適さを求めた結果、他者に対しての寛容さがなくなってしまって、・・・・。
そういった社会を作っていってしまったのは、今の私たち、親世代・・・。中野さんが例に挙げていた、「ユートピア実験」の結果を聞いて、自分たちの現状に当てはめてみると・・・、現実となりそうで、怖くなった。
それでも、そのことに気がつくことで、違う未来の可能性を言われていて、選択肢は一つではないと、少し楽になったかな。
ここに紹介されている相談は、日常の誰にでも起こりえる内容ばかり。そして、その悩みを解決していくための、思考の変え方、あるいは対処の仕方がとても参考になると思った。