あらすじ
2007年に「『丸山眞男』をひっぱたきたい――31歳、フリーター。希望は、戦争。」で論壇を揺るがせた著者のデビュー作が待望の文庫化。文庫化にあたり最終章を大幅に加筆。過剰な若者バッシングへの不満。年収130万円で生活する不安。「自己責任」の一言で思考を停止させる社会への違和感。フリーターの立場から「無縁社会化」など2010年代の日本の論点を看破した本書の主張は、時を経て、さらに説得力を増している。
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Posted by ブクログ
著者の主張には共感を覚える。
「戦争」はともかく、日本の社会制度自体をリセットしなければならないのは確かなのだが、誰もが(私も含めて)それぞれの”既得権益”を手放したくはないだろうしなぁ…。(- -;
難しい問題です。
Posted by ブクログ
この本の最大の欠点は、筆者の社会への問題意識や憤りが正確なものであったにも関わらず、「平和」を敵に置いてしまったことだと感じる。2020年代半ばになってみれば、この本で書かれている若者バッシング及び「貧困労働層」の放置の“結果として”取り返しの付かない少子高齢化、失われたX0年が到来し、「安定労働層」がどんどん減少していっていることは明らかで、つまり筆者は「平和」を敵として、彼らも自分たちも「戦争」に巻き込もうと叫ぶのではなく、「平和」が“そのまま”「戦争」に繋がっていることを示すことができたのではないか。そのような視点はこの本では、「安定労働層」への反感の影に隠れてしまっているように思える。