あらすじ
ジンメル・コレクション
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Posted by ブクログ
素直に実り多いと言える読書だった。
芸術作品における取っ手の役割についてとか、ユニークなんだけど実際的で、すごく柔軟で哲学者には珍しくなんというか優しさを感じられる。
「生の豊かさの本質とはひっきょう、それらの相互協属性の多様性にあり、外部と内部の同時共存性にあるからだ。」という一文にしびれました。
「近代文化における貨幣」の章とか人に広めたい。
Posted by ブクログ
哲学エッセイ。女性心理学、売春論、芸術論、俳優論、社会主義、宗教などテーマが多い
#北川東子 チョイスが秀逸
#ちくま学芸文庫 #ジンメル コレクション
「橋と扉」「額縁」「肖像画」は 人間の生とつながった芸術論で面白い。統一性や自己完結性が 人間の生と芸術の本質ということだと思う
哲学とは思えない名言「ヴェネツィアの美は、摘み取られて海に浮かぶ花のように根を失って生を漂流する冒険のもつ両義的な美である」
二重性や両義性、結合と分離、全体と部分といった言葉が繰り返し使われていて印象に残る。これらが生の動態性と関係あるのだと思う
愛の哲学が、原因と結果を取り違えた堂々めぐりとならないためには、愛の起源はエゴイズムにしかないと言える
女性心理学の核心と言えるのは、女性たちがより統一的で、より全体的な存在であるという事実です
売春問題は、一般的な社会情勢と文化状況との関連で利害されなければならない
流行は、女性たちにとっては〜職業上の地位にとって代わる代替物である
取っ手には二つの象徴的意義がある〜水差しのもつ完結した一体性に属しながら、同時にこの形態にとって外的なものにすぎない目的論の手がかりのなる
橋の場合、分離と結合という二つの契機が〜自然が分離し、人間が結合する〜扉では、分離と結合が同じように、人間の作業のなかに人間の作業として侵入してくる
額縁の美的地位は、国境監視人のように絵画の周りを一定の歩調でめぐるその形態のエネルギーによって定まる
肖像画は、個人についての多様で不安定な、しかも目に見えない要素に貫かれたイメージのなかから、私たちが本当に見ているものを抽出する
あらゆる美的モチーフの出発点は、シンメトリーにある。事物に理念と意味と調和を与えようとするならば〜それらをシンメトリックに造形し、全体を構成する各部分を相互にならし、一つの中心の周りに一様に配列しなければならない
あらゆるペシミズムの教えは、人生の投資と利益のあいだの、あるいは痛みに支払う犠牲と喜びから得る収穫のあいだの不均衡をその内容としている
生の統一と全体性が確保されるよつに、宗教はそれらの要素のなかに自らを組み込み、それらすべての要素と相互関係を結ばねばならない
集団との非有機的なつながりを通じて、よそ者は、集団のひとつの有機的な構成員となる
貨幣経済のような現象は、どんなに純粋にそれ自身の内的法則に服従しているように見えても、もっとも周縁的なものをも含めて同時代の文化運動の総体を規定するリズムにしたがっているということ
Posted by ブクログ
とても脳を働かせた。
少なからずとも時代のギャップはあるけれど。
僕らの隣にある「意味」と言うものを深く考えるきっかけの様なものをくれた。
ただもう、すごいとしか言いようが無い。
Posted by ブクログ
ジンメルのエッセーを、主に女性論・生活風景論・美学論・社会論という視座にしたがって訳出・編纂している。各エセーには強い主張はなく、それゆえに曖昧とも言えるが、彼の扱う対象に即して言えばその曖昧さは対象そのものに由来すると捉えられるだろう。水差しや橋、扉といったものを哲学的に思考するのに、単純明快さを求めるのはいかがなものか。その点で、訳者解説でも紹介されているようなジンメルに対する批判は的外れなものである。そしてこうした珠玉のエッセーが、ユダヤ人であるジンメルによって書かれていることやベンヤミンに影響を与えていることを考えると、ジンメルの面白さはなお際立つ。
Posted by ブクログ
哲学エッセイ、なるものを初めて読んだ気がする。面白かったが、少しまとまりのない本ではあった。大きなテーマのひとつである美学については、ぼくの関心が今一つ盛り上がらず、ちょっと読み飛ばしぎみになってしまった。
ただ、鋭い考察と含蓄に富んだ言葉選びは素晴らしい。一文一文の重みが違う。
確かにあまり論理的に聞こえない部分もあるが、それを補ってはるかに余りある直観に裏打ちされている。
ぼくの側に準備が整ったら、また読みたいと思える本だった。