【感想・ネタバレ】人間の叡智のレビュー

あらすじ

「停滞」と「格差」を生き抜く「武器」を身につけよ! なぜあなたの仕事はつらく、給料は上がらないのか? TPP加盟はほんとうに悪なのか? 橋下徹氏にこの国をゆだねるべきか? こうした問題を解くキーワードが「新・帝国主義」である。食うか食われるかの帝国主義的外交ゲームの中で、少なくとも食われないようにすること。その武器になるのが、「人間の叡智」なのだ。ハイレベルな世界情勢をわかりやすく語りおろした、佐藤優氏、渾身の一冊。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

世界の枠組みが新たな局面に入った、という無意識的な感覚があった中、その背景等を含め著者の仮説を興味深く読ませていただきました。一方、政府に対しては非情に悲観的に書かれており、そこまでなのかな?と思った節もありました(私は政治学を専攻していたわけではないので、そこまで判断することはできませんが)。

著者の博識な知識とそれをつなげてインテリジェンスに持っていき、著者の仮説を興味深く読ませていただきました。

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2012年11月23日

Posted by ブクログ

ネタバレ

・この筆者では久しぶりの評論モノ。今は、新帝国主義であると説く。この弱肉強食がさらに進むであろう世界での生き方をわかり易く語っている。
考え方の参考として読んでおくには良い一冊。



・マルクス主義者である、カール カウツキーの「超帝国主義論」は、21世紀の超帝国主義的な平和の維持を、読み解く上でカギになると見ている。
・中国はいまネーション・ビルディング(民族形成)をしている最中で、「漢人」ではなく、「中国人」という民族が生まれてきている。
・中国が航空母艦を持てば、沖縄は海兵隊を置くには近すぎて危険になるので、普天間基地が県外に移設される可能性が出てくる。
・民主主義の起源は、良き者を選ぶというより、悪しき者を排除すること。
・外交においては、詰めた方がいいことと曖昧にしておいたほうがいいことがある。
・国家本来は、絶対的に「力」によって成り立っている。では日本の力の要素は何なのかというと、日米安全保障条約です。
・タブーのない社会は悪い社会です。
・民主主義について考えた場合、国民一人ひとりが常に政治に感心を持っている体制は、いい体制ではない。生産活動が疎かになってしまうから。
・代議制民主主義は、本来独裁への道を開く可能性をはらんでいる。
日本が独裁の方向へ進むとしたら、それは民主主義の危機ではなくて、民主主義が純化されようとしている。
・橋下ブームは実は民主主義の危機ではなくて、自由主義の危機。
・テレビで流行るドラマなどは、一種の時代の転換を表している。だから、インテリジェンスの世界の人間は、視聴率の高いドラマを見るのです。
・結局、人間はナショナリズム、啓蒙の思想、人権の思想、そういうもので動くのだと思うのです。ただし、それらの思想はまやかしなのです。それを承知でいかにイメージ操作をしていくかというのが課題。
・言いかえれば、物語をつくること。ストーリーテリングの能力が大事。
・身近な同胞意識をもち、かつ民族だけに縛られない。二重性を認識しておくのが大事。
・日本で読書が習慣になったのは、昭和のはじめ。いずれにしても、現代でも日常的に読書する人間は特殊な階級に属しているという自己意識を持つ必要がある。
・読書階級はどの国でも総人口の5%前後。彼らは共通の言語を持っている。そしてその人たちによって、世の中は変わっていくと思うのです。
・他人の内在的論理を捉えるために、最低2つの古典を持て。
・ゲーテのファウストから、内在的論理とは次の4つから成り立っている。「言葉」「心」「力」「行為」。
・新帝国主義の時代を生きるうえで必要なのは、案外に小説的な教養なのです。
・人口学から、テロの原因を若年世代の人口過剰の問題に還元している。一家族に三人以上の男の子がいるとテロリズムもしくは犯罪がおこるという。
・戦前の日本も人口が過剰だったので、対外侵略をしたという仮説で、人口学者は一致している。
・インテリは国を超えて共通言語を持っている。
・日本人一人ひとりが言葉の使い方を変えて、国民を統合する物語を作り出すしかない。そして、目に見えないものに想いをはせる。

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2012年09月24日

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