あらすじ
平安時代の陰陽師・安倍晴明にまつわる伝説は尽きない。しかし、その大本である陰陽道について、現代人はどれほど知っているだろうか。中国伝来の道教(陰陽五行説)と日本固有の古神道が融合して、さらに密教や修験道もとり入れて日本独自の生成発展を遂げた陰陽道。千五百年にわたり、わが国の政治、宗教、文化に多大な影響をもたらしてきた。たとえば、十二支、十干(甲乙丙など)、鬼門、占い、御霊信仰をはじめ、天皇家のさまざまな行事の由来が、じつは陰陽道に基づいていることが多い。その技術や知識は、天文学、地理地勢学、暦学、栄養学など幅広い。また、近年の風水や占いブームとも密接に関わっている。なぜ、天災を予言できるというのか? 果たしてその実相は、科学か、オカルトか?本書では、まず、陰陽師の役割について説明し、聖典、聖地聖跡、祭儀、呪術、鑑定実践などの基本知識を解説する。陰陽道の原理をひもとく、はじめての入門書である。
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Posted by ブクログ
日本がいかに宗教的な基盤をもとにして作られ、また今日まで続いてきたかよく分かった。無信神で120%科学的な現代日本がこれからどうなっていくのか不安になる…
Posted by ブクログ
新書とは思えぬボリュームで陰陽道を解説しています。その質・量ともに圧倒されました。
なかなか感想がまとまらないので、今回は箇条書きで。。
・宗教のを俯瞰できる知識が無いので、当時の日本にどんな信仰宗教があって、その中で陰陽道はどんな特徴があるのかが分かると面白いのでは?と思った。特に神道との違いを知ると分かりやすいのどはないか
・カレンダーに書かれているのも陰陽道が発祥だということに驚いた。今なお受け継がれる陰陽道をもっと学校教育に取り入れても良いのではと思う。特定の宗教に肩入れするのは不偏不党の原理から外れるけれども、日本で生まれた宗教なんだから、陰陽道はもちろん神道についても学ばせる機会があっていいと思う
・陰陽道が廃れていった理由をもう少し教えて欲しかった
・現代科学と陰陽道の比較→現代科学によって否定されたもの、あるいは現代科学に通用する箇所があれば知りたい。
とまぁ、雑感極まりないですが、僕の評価はA-にします。
Posted by ブクログ
陰陽道の概要を解説している入門書です。
安倍晴明をはじめとする陰陽師や、そのほかの陰陽道にかかわった歴史上の人物の紹介がなされており、さらに陰陽道の歴史や聖地、聖典、祭儀などが説明されています。この分野になじみのない読者にも親しみやすい、入門書らしい構成になっています。
陰陽道の原理については、あまり立ち入った解説はなされていませんが、中国の陰陽五行説についての簡単な解説がなされたあと、日本の古神道や密教などの影響を受けて、陰陽道が形成されたという見取り図が示されています。また、民間陰陽道における家相、いわゆる「風水」についても、最終章でとりあげられています。これについては、読者によっては関心の薄いひともいるのではないかという気もしますが、間口の広い一般の読者向けの入門書としては適当だったのかもしれません。