【感想・ネタバレ】五十八歳、山の家で猫と暮らすのレビュー

あらすじ

心地よい孤独もあるものだ。

八ヶ岳山麓。母の愛した家で、ひとり気ままに。
人気イラストレーターによる名エッセイが文庫化!

母を亡くした悲しみから立ち直れず、移り住んだのは小淵沢――両親が40年近く前に購入した「山の家」だった。若い頃から訪れていたけれど、一年を通して過ごすのは初めて。冬は雪掻きに勤しみ、夏はベランダで猫と寛ぐ。やがて、母が愛し育てた庭を蘇らせることを決意して……。山荘で一人で暮らす豊かさを綴った名エッセイ。
文庫書き下ろし「猫の章」も収録。

・浴室で見つけた意外な虫
・隣人と雪掻きスコップを買いに行く
・使い続けて35年のストーブ
・夏のベランダで猫と朝食
・餌箱にやってくる小鳥たち
・荒れ果てた庭を、再生して理想の庭に

単行本 2020年4月 亜紀書房刊
文庫版 2025年6月 文春文庫刊
この電子書籍は文春文庫版を底本としています。

...続きを読む
\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

Posted by ブクログ

キャッツミャウブックスで購入。
あとがきにもあったけと、タイトルのわりにはネコの登場シーンは少ないから、このタイトルじゃなかったら手に取らなかったかもしれない。
でもとってもいいエッセイで、読みやすいのでさくさく読んでしまったが、ほんとは国語の授業のように、一章を時間をかけて読むのが良さそう。
折に触れて再読したい。

0
2025年09月22日

Posted by ブクログ

平野恵理子『五十八歳、山の家で猫と暮らす』文春文庫。

横浜から両親の残した八ヶ岳山麓の小淵沢の山荘に移り住んだイラストレーターによるエッセイ集。カラーイラストも多数収録。

五十八歳、山の家、猫と気になるワードが3つも並べば読まずにはいれないでしょう。

自分は還暦を過ぎて、再雇用が決まったのを機会に田舎のポツンと一軒家に移り住み、その半年後には全身真っ黒の迷い猫を保護し、飼い始めた。


著者も書いているが、山の家となると家の中に色んなムシが現れる。ゲジゲジやカマドウマ、カメムシなどは著者の家と同じだ。風呂場でカマドウマに遭遇すると驚くのは解る。

冬への備えや雪との格闘も山の家ならではだろう。自分は北国の盛岡出身で、54歳まで岩手に暮らしていたので、多少の雪や寒さには動じない。しかし、福島で8年以上過ごすと、雪道の運転は未だに衰えてはいないのだが、身体が寒さには耐えられない南国仕様に変化してしまった。

今住んでいる地域は雪は然程ではないが、竹林が多く、雪が降ると雪の重みで竹が撓み、道路を塞ぐという竹問題に苦労する。

著者の飼い猫は朝、起こしに来ないようだが、我が家の猫は程良い時間に起こしに来てくれる。今朝も自分が何時も5時半にセットする目覚まし時計を間違って停めてしまったにも関わらず、5時32分に部屋の前でニャオニャオ鳴いて起こしてくれた。

飼い猫は良い。帰宅すれば、ニャオニャオとまとわりつき、尻尾を足に付けて歓迎してくれる。びろ〜んと伸びて、尻尾を振りながら寛いでいる猫を見ると気持ちが和む。寒い時期は抱っこをせがみ、抱きながら尻を叩いてあげると、お礼にと顔を舐めてくれる。

我が家の猫は何時もご機嫌で、随分と愛想が良いなと思っていたら、たまにペットホテル代わりに預かってもらう動物病院でも看護師のお姉さん方にも、愛想が良くて可愛いと溺愛されているようだった。先日も爪を切ってもらいに行ったら、泊まっていってと誘われていた。因みに我が家の猫は爪切りの時に全く騒がず、言われるままに手足を差し出している。

都会の生活も便利には思うが、自然に囲まれた環境でゆっくりと静かに暮らすのも悪くはない。特に隣近所への気遣いの要らないポツンと一軒家は本当にストレスが無い。

本体価格850円
★★★★

0
2025年06月10日

「エッセイ・紀行」ランキング