【感想・ネタバレ】「自分が嫌い」という病のレビュー

あらすじ

「自分嫌い」こそ

不幸の最大の原因。

心のゆがみを直す

8の処方せん



「自分を好きになれない」と悩む人は多い。こうした自己否定の感情は、なぜ生まれてしまうのか。

その原因は幼少期の育ち方にあると精神科医である著者は指摘する。

親から気まぐれに叱られたり、理不尽にキレられたりすると、子どもは「自分は尊重され
るに値しない」と思い込むようになる。その結果、自信を持てず、人間関係にも苦しみやすい。

では、この悪循環から抜け出すにはどうすればよいのか。

本書では、自分を傷つけた親への怒りを認め、心のもやもやを解消するための具体的な方法を解説。自信を持って生きられるヒントが詰まった一冊。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

ロゴスのない親に育てられたことにより、言語力や客観性がないと感じる子供が多いのかと合点がいった。幼少期は誰もが「親は神様」的な存在に感じているため、ロゴスなき親からの子育てによる弊害は不可避に違いない。自分の頭、言語をそのまま伝えても、全く伝わらない人々がいる構造がわかった。内省を日々していきたい。

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2025年09月29日

Posted by ブクログ

ネタバレ

 自分を大切にする、自分のわがまま(?)欲求を押し通す、自分をいたわる…こういう周りの人たちを見ていて、「そんなに自分が可愛いか?浅ましいな」と感じている自分にハッとする時がある。それって本当に悪いことなの?自分ができないことを妬んでいるだけではないの?、と。

私は自分を含め、人間全般が嫌いだ。それが健全とは思っていないし、何より自分が苦しい。自分のことを積極的に嫌いというよりは大切にできないという方がしっくり来る。
こんな私にとって、本を読むたびに大きな気づきをくれる泉谷先生の本は、今回も自分の悩みにマッチした題材で、待ち望んでいた。しかし残念ながら今回は読み足りないせいもあるが、道が開けた感じはしなかった。まだ何度か読み直して整理する必要がある。

途中までは、書かれていることが、実体験としてわかり、この道をたどってきたなと納得できたが、その先の打開策がよく理解できなかった。著者のいう仮死状態であるため、何の欲求もわかず、自明性が失われている状態だからなのだろうとは感じた。

第1章なぜ人は自分を嫌いになってしまうのか
第2章自分を愛せなくなった人の生きづらさ
第3章自分嫌いからの脱出
〜大地を覆っている「雲」を取り除く
〜インナーチャイルドのイメージを活用してみる
第4章親への恨みや怒りをどう扱うか
〜恨み切るということ
第5章ロゴスなき親の及ぼす影響
〜自明性の喪失=魂の仮死状態について
第6章うるわしき家族幻想から脱却する
第7章自分を生きるために
第8章この不条理な世界を生きていく
〜「愛される」を待つ人から「愛する」人へ
〜行き過ぎた効率主義は何を及ぼすのか?

▷ここでいうロゴスとは。
私たちが暗黙の了解で「人間ならばこう考えるだろう」「人間ならば、こう思うだろう」と前提にしているものを指す。つまり、ロゴスとは、人間が人間たる前提として共有しているもののこと

◯インナーチャイルドに対して自分が最良の親になって育て直しを行う。いつしか現在の自分と一致することができる。

▷ロゴスが機能していない親の特徴
1.時間に対して連続性を認識できず、一貫性のある思想を持てない
2.相手の立場に立って自分を眺めたり、自身を客観視したりするような視点の移動ができない。=(自閉的状態:自分しかいない世界を生きているような幼稚な状態)
そして、自閉的な人は身近な人のことを「自分の一部のように」思いがち


▷ロゴスが機能していない人たちの特徴。
→量的側面だけで認識できる「意義」の世界を生きている。役に立つのか儲かるのか得になるのか、出世につながるか、権力や名声を得られるかといったもので、実利性やメリット、学歴や社会的地位にこだわる傾向 118


◯ロゴスが機能してない親に育てられた子は、自分が愛されていない、自分の存在が認識されないと感じ、精神的には一種の仮死状態にまで追い込まれる。124
ヴォルフガング・ブランケンブルク「自明性の喪失 分裂病の現象学」「自分には何かが欠けている」自然な自明性を失った
自明性の喪失=魂の仮死状態125

◯自分の親にはロゴスがなかった。=自分の親には人を愛する能力がなかったと認識することの大切さ146

◯人は、回り道を経たことによって、人間の愚かさや弱さ、そして残酷さや冷淡さなどに対する深い理解を得ることができる。162
◯どんな親の下に生まれ、どんな環境で育たなければならないかは、自分で選ぶことができない。しかし、その宿命を自分がどのように生き抜き、生き延びたのかという事は、後の深い経験の基盤となる貴重な歴史です。そして、その果てに、「本当の自分」に抜け出ることができたとすれば、これをしのぐほどの劇的な経験は、そうない。163

◇著者は、最近、政治家や自治体の長にロゴスなき人物がなっていることが多いと憂慮する。ロゴスある人間と、ロゴスなき人間を見分け、信じるに至る相手なのか、あるいは何については信じられるが、何については信じられないリスクがあるのかといったことを、いちいち判別していかなければならない。その見極め方の1つとしては、言葉にきちんと人間的に意味が充填されているかどうか。

◯「愛する」とは、「対象が対象らしくあることを喜ぶ」こと。181

自分にとって読書をするという行為は、ある種混乱させられたロゴスの修復を行っていることなのかもしれないと思い至った。

引用本
ウィリアム・ブレイク『ブレイク詩集』
エーリッヒ・フロム『反抗と自由』『愛するということ』
クロード・レヴィ=ストロース『神話と意味』

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2025年07月04日

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