あらすじ
【内容紹介】
「人材こそが経営の要であれ、企業の盛衰を決めるのは人材である。人間がモノをつくるのだから、人をつくらねば仕事も始まらない」トヨタの人材育成の根本的な考えはここにある。会長の豊田章男、おやじの河合満も同じことを言う。ふたりとも「モノづくりは人づくり」とはっきりしている。(第一章「トヨタ工業学園」より)
「トヨタにはそういうところがある。予算を使って失敗すると身に染みる。上司はそのためにやらせたんだ。あの失敗を自分は忘れない。一生忘れない」トヨタではこうやって仕事を教える。失敗を隠したり、忘れさせたりするのではなく、顕在化させる。これはトヨタ生産方式の考え方の一つである。(第三章 他社には存在しない人づくりの秘訣」より)
「野地さん。トヨタは100年に一度の危機で、みんなもがいているんですよ。もがいている姿を見にきてください。トヨタのいいところなんて書かなくていいですから、もがいている姿を書いてほしい」(プロローグ「もがき続ける男」より)
【著者紹介】
[著]野地 秩嘉(のじ・つねよし)
1957年東京都生まれ。早稲田大学商学部卒業後、出版社勤務を経てノンフィクション作家に。人物ルポルタージュをはじめ、ビジネス、食や美術、海外文化などの分野で活躍中。『TOKYO オリンピック物語』でミズノスポーツライター賞優秀賞受賞。『キャンティ物語』『サービスの達人たち』『高倉健インタヴューズ』『トヨタ物語』『日本人とインド人』『警察庁長官知られざる警察トップの仕事と素顔』『伊藤忠 財閥系を超えた最強商人』『図解 トヨタがやらない仕事、やる仕事』ほか著書多数。
【目次抜粋】
■プロローグ|もがき続ける男
■第一章|トヨタ工業学園
■第二章|歴史を知る3人の卒業生
■第三章|存在しない人づくりの秘訣
■第四章|トヨタが育てた人、そしてクルマ
■第五章|最先端の現場で
■第六章|卒業生たちの素顔
■第七章|豊田社長、河合副社長が泣いたスピーチ
■第八章|もっといいクルマをつくる
■第九章|バフェットさんへの返事
■おわりに
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
トヨタ工業高校は、もともと高専だったものが高校課程学校として再編されたもの。三年課程と、高専卒業と同等の能力がみにつく専門課程からなる。全寮制で給料支給、親から自立したいもの、製造業のスキルを身につけたいもの、トヨタに就職したいもの様々な生徒を受け入れている。トヨタから現役社員が講師として送り込まれ、トヨタ内と同じようななぜなに教育、「めんどう見」(メンター)が行われる。6時半からの朝礼、みだみなみチェックのバツは指導員とともに腕立て10回を行うといった連帯感の醸成などの仕組みが紹介される。トヨタ社内の研修制度も紹介されており、ものづくり現場の工夫が垣間見れる。
Posted by ブクログ
「組織の質は仕事の質であり、それはヒトの質に比例する」と何かの本に書いてました。
この本を読んで、更にその通りだなと思いました。
モノを作るのがヒトである限りこの法則は普遍だと思います。
一読する価値はありました。
Posted by ブクログ
トヨタがどのようにして人材育成をしていて、彼らがどのように社会で過ごしているのかの一幕を知れた一冊です。 ノンフィクションはリアルな言葉が詰まっていて今の仕事に対する考え方も変わってきます。
Posted by ブクログ
グローバル企業らしい最先端のマネジメントの仕組みがあるそんな中で、昭和っぽい社風もまだ息づいているトヨタ。
新人には「めんどう見役」という先輩がつき、帽子にそのタグをつけて面倒を見るらしい。恋愛の相談まで受けるという。
“今どきそんな会社ある!?”と思いつつ、トヨタの“人づくり”の奥深さを垣間見られる面白い一冊。