【感想・ネタバレ】星野之宣50周年珠玉SF選集 星芒のレビュー

あらすじ

SFマンガの巨匠・星野之宣、祝デビュー50周年記念出版。
初期のSF短編を中心に「全人類が今こそ読むべき傑作」を厳選!

著者あとがき、画業50年の足跡をたどる解説、未公開資料も収録。
本物のセンス・オブ・ワンダーがここにある!!


【収録作品】
●「地球光」
●「はるかなる朝」
●「荒野への脱出」
●「落雷(四次元の爆撃機)」
●「雷鳴」
●「残像 AN AFTER IMAGE」
●「美神曲 AFRODITE INFERNO」
●「月夢」

●あとがき(文・星野之宣)
●解説「1975年の衝撃と50年後の星芒」(文・南信長)

●未公開資料集
星野之宣のスケッチブックよりラフスケッチ、「コドク・エクスペリメント」ネームほか、初公開の貴重な資料を掲載!

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Posted by ブクログ

描き下ろし作品はないので、星野氏のマニアの方は買う必要はないかもしれないが、作者によるあとがきとコドク・エクスペリメントのネーム資料が付いている。私は選集も含め数作品読んでいるが、「はるかなる朝」と「荒野への脱出」以外は初めて読んだ。
主に70年代半ばの初期作品と80年代前半の作品で構成されており、手塚治虫からの影響が濃い初期の画から緻密な画の変化を楽しめる。2014年の恐竜モノ「雷鳴」もある共通テーマによって選ばれている。
明らかに現在の世界情勢を意識して作品が選ばれており、星野氏の作品を読んだことのない人には特にオススメである。
(余談だが、あとがきから星野氏が現在の米露に対してよく思っていないことが伺え、安心した)

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2025年07月02日

Posted by ブクログ

星野之宣50周年を記念したSF選集。8つの短編が収録されています。それぞれ本人のあとがきという解説付き。

『地球光』の解説にある未来への暗澹さが辛い。
SFというジャンルは、絶望を描くものもあるけども、基本的には未来への希望を描くもものだと受け止めていて、これもその考え方のもとに描かれたはず。
だ、想像していた設定していた未来の時に、現実の時間が追いついた時、希望があるのか絶望が見えるのか。現実が想像を超えるというのは良い方向、端的に世界平和だとか、において訪れて欲しいものです。2025年現在、強大な国家による身勝手な占領分割が行われそうで嫌なんだよなぁ。


『荒野への脱出』予想できたオチではあるけども、好きな展開の作品。
無鉄砲さゆえの暴走は、純粋と危険が同居していて楽しい。自死の方向へ精神が向かわなかったのもいいです。それは短編という尺の都合があったのかもしれませんね。
いや、あの状況に突っ走るのは、広義で見れば自死なのだけどさ。
それは読者の神の視点というやつだったりすると思います。

『雷鳴』はどこかで読んだ気がする。50周年だし、多くのアンソロジーにも収録されている作品も多いだろうから、そういう既視感があっても不思議ではないし、それこそが星野之宣の豊穣さだと思う。
巨大すぎるので、歩く音が雷鳴に聞こえるだろうから雷竜。というネーミングは、子供心にすごく響いたものです。かっこいいな、と。実際の雷鳴にはビビりまくりでしたが。明らかに怖そうな肉食恐竜ではなく温厚そうな草食恐竜でも、実物見たら恐怖に怯えることになるんだ、という感覚は恐竜という古代生物への憧れと恐ろしさを育ててくれたものですね。畏怖を初めて覚えたのは、言葉を知らないけども、あの頃だったと思います。

印象深い3つの短編の感想でした。

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2025年06月08日

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