あらすじ
「68歳は閑である。バァさんが何をしようと注目する人は居ない。淋しい? 冗談ではない」――がんで余命2年を宣告された著者が、「楽しくて仕方ない」日々の暮らしをつづる超痛快エッセイ。人生をめぐる名言がゴロゴロ転がっています。
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Posted by ブクログ
一昔前の思考で、少し右派で、辛辣大胆、ヤケクソ感があるので好みが別れるかもしれないが、
私は佐野洋子さんが好きだ。
結局はすごく情深く、熱い心意気が感じられる。
物事や出来事をこんな風に素直に受け止め、感じるままに生活したらどんなふうだろうと。
自分には無い視点に気づかされる。
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とても面白かった。
「100万回生きたねこ」の作者。
食べ物がおいしそうで、まずそうで、韓流の描写が秀逸。笑えます。
最後は少し切なくなりました。
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本当に面白いエッセイ。
佐野さんが、自分の頭でしっかりと物事を考えて生活しているのがよく伝わって来ました。
でも、頭で考えてから行動するのではなく、やってしまったことを後になってから考えています。そして、その自覚なしの向こう見ずな行動の仕方が、読んでいて気持ちがよかったです。
自分の周りを見回して、テレビや映画越しに社会を見渡して、あるいは過去を振り返って発するコメントは、誰にも気遣っていない直球な意見で、周りの意見に振り回されずにここまでまっすぐに物事を見つめて考えられるのは、本当にすごいなと思いました。
この本を執筆している間もなかなかしんどそうな生活を送っていらしたと思うのに、そのようなそぶりをほとんど見せず、面白い文章を書かれているのにびっくりしました。
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読んでてすがすがしいです。自由奔放で羨ましい。論理的ではないかもしれないけど。他人の日記をちょくちょく覗き見してるような快感を得られます。同時に罪悪感を感じないは、佐野さんの快活な文体からでしょうか。少しずつ読んでいます。
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面白かったー。
佐野洋子はやっぱり晩年のやつがより面白いし、深い。
書いてくれて有難う、と本当に思いました。
泣いたり、笑ったり。これからももっと読みたかった。
かっこいいおばあさんだったよ。
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佐野洋子のエッセイ。韓流にはまり、麻雀を覚え、老いを自覚し、癌が完治してなくても、淡々と生き抜くエッセイ。すごくかっこいい一文があったので、転載。「私は今、何の義務もない。子供は育ちあがり、母も2年前に死んだ。どうしてもやりたい仕事があって死にきれないと思うほど、私は仕事が好きではない。(余命)2年と云われたら十数年私を苦しめていたウツ病がほとんど消えた。人間は神秘だ。
人生が急に充実してきた。毎日がとても楽しくて仕方がない。死ぬとわかるのは自由の獲得と同じだと思う。」
こうもすがすがしく生きたいけど生きられるかどうか、私自身、疑問だ。
でもこんな感じで私も死期を迎えたいなぁ。
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生きていくことの生々しさとか醜さとかが嫌というほど、書かれているのに、佐野洋子の文章は不思議と清々しい。
ガンが転移して、余命2年と聞いた途端に、治療を止めて、ジャガーを買って「最後に乗る車がジャガーかよ、運がいいよナァ」って、のたまうところなんて、たまらなく格好イイ。
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佐野さんのエッセイ、2冊目です。この本が、最後の本になってしまいました。
韓流ドラマにはまったり、天下国家を相手に怒ったり、心の赴くままの言葉が面白いです。
生きる上での、いらない鎧をすっぱり脱ぎ捨て、身軽に今を受け入れている強さを感じます。
呆けたお母さんのベットに一緒に寝て、ぽつぽつかわす会話に、思わず涙がこぼれます。
確執のあったお母さんと、ここまで通じあえたんですね。
ぼこぼこのイングリッシュグリーンのジャガーを乗りまわしていた佐野さん、きっとかっこよかったでしょう。
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佐野洋子さんがいつものごとく、まったく取り繕わずに思ったこと感じたことを日々綴ったエッセイ。読むほどに、一行一行毛穴から言いたいことがすすすすすすぅっとしみ込んでくるような感じで、快感。潔いことこの上なし。何度でも読み返したいと思う。とても面白かったです。心からご冥福をお祈りいたします。
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佐野洋子さんの人間らしい日々が書かれた一冊。
最初の方は途中で飲むのをやめそうになったが、読み進めていくうちに筆者の日常で思った事。感じた事。歳を重ねて変わっていく思考が面白く読みきりました。
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「いつまでも前向きで」
「いつも異性にときめいているべき」
現実を修飾ばかりしてあらゆることから逃げようとするくだらない世の中に対し、佐野さんは真っ向から向き合って行く。生きるとはこういうことだと気づく。こんな風に強くありたい。
役に立たない日々
佐野さんが、年をとって 日々生活して行くという事、頭の中で思って 感じた事、病気になる事、死ぬと言う事の 単純な明解な答など、いつものように普段使いの言葉と表現で、
ストレートに描いてくれている。
くすっとして うんうんとうなずいて そうだったのかもと 感心して 私は私の前を歩いて
くれた佐野さんがいるから 年をとって行く事にあまり不安が無くなった。
でも すぐ忘れちゃうから 何度でも読み返したい本。
佐野さんの本のなかでも 現在進行形で役に立つ特にオススメの名作!
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有名な絵本『100万回生きたねこ』の作家によるエッセイ。『100万回生きたねこ』の絵本とは違ったどぎつく、ストレートな物言いと人間観察眼には、最初戸惑いを隠せないが、読み進めるとそれがある種軽快な深みを持った観察眼であることに気づき、癖になる。2010年に逝去されたのは、何とも残念・・・。
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生きるって、しょーもない。
毎日消費ばっかして、何か作ってもそれもそのうちゴミになる。
すべては児戯に過ぎなくて、人生の目的なんて幻想だ。
誰もが役目を持って生まれるとか、これって新興宗教だろう。
でもまあ、そんなもんだ。死ぬまでに少しはいい人間になれたならめっけものだろう。
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読んだ私は不惑ど真ん中。
視力に筋力に記憶力に、生活の至るところに己の経年劣化を意識し始めて数年。
まだまだ序の口なのだ、『老い』の。
読みながら、ざわざわした。
『史上初めての長寿社会での私達は、生き方のモデルを持たずに暗闇を手さぐりしながら云々……』
というくだりが、どうにも頭から離れない。
朝目が覚めてカーテンを足で開けたり、ATMでもたついて後ろの人の舌打ちされたり、、、
20年後ぐらいの私もきっとこんなん。
どうしよう…この先の、老いた自分の暮らしが急に現実味を帯びた。
この著者の生き方、というか老い方は、これから老いていく者にひとつの見本となる。
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真に自立した女性は、必ずしも男女同権を叫ばないとか、言葉狩りを憂うとか、おしゃべりをしているみたいな気さくな文体ながら、内容は痛快で奥が深かった。
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エッセイなので読みやすく一日で読み終えました。
「六十八歳は閑である。六十八歳は誰からも求められていない。六十八のバアさんが何をしようとしまいと注目する人は居ない。淋しい?冗談ではない。この先長くないと思うと天衣無縫に生きたい、思ってはならぬ事を思いたい。」
若い人から見たら立派なおばあちゃんと言われる年齢になっても、このように思っているということに、ああ、やっぱりそうなんだ、という思いと、外見が老いても、中身は若い頃と変わらないことのギャップを果たして自分は受け止められるだろうかと我が身に当てはめて考えてしまいました。
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元気のない人、お読みください!
「100万回生きたねこ」の著者の老境のエッセイ。年齢とか性を超えた「人間らしい(まったく格好をつけない)」名言の数々に脱帽。久々に「本棚に入れなきゃ!」と思った一冊です。
因みに・・・その1.この本はワタクシではなく、本なんて自分じゃ買わないウチのハハウエが友人にもらったので読んでいるのを、何気なく手にとった・・・といういい加減な出会いです(~_~;)
因みに・・・その2.佐野洋子さん、がんだったのを抗がん剤うたずに亡くなったんですね。。。なんだか生き方に共感してしまいました・・・
Posted by ブクログ
佐野洋子さん、絵本と打って変わってガサツなイメージに変わった。でも自分に正直で素直な人なんだと思う。幼少期は貧しい時代で苦労したんだろうな。料理してる場面が多い。淡々と他愛もない日々の日記を描いてるんだけど、泣けたのが、お母様との会話の部分。佐野洋子さん自身が癌で亡くなってることがわかってるので「天国はどこにあるんだろうね」「すぐ近くにあるんじゃない?」という突如として出てくる会話に、カフェで読んでた私は泣いた。思い出しても泣けた。死について考えた。私も母が死んだら、同じところに行くんだからと死ぬのが怖く無くなるだろうか。人間ってそうやって生きて順番に死んでいくんだな、と考えた。佐野洋子さんの他のエッセイも読んでみたいと思った。なんだかわからないけど、ありがとうと言いたい気分になった。
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佐野洋子さん(1938.6.28~2010.11.5、享年72)「役にたたない日々」、2010.12文庫、2008.5刊行。ガン(乳ガン)で髪の毛が抜けるので、丸坊主に。(楢山節考のおりんばあさんは69歳で死んだ)乳ガン手術の次の日、私は67歩歩いて家にタバコを吸いに行った。毎日タバコを吸いに帰った。退院。医者は、ホスピスを入れてあと2年くらいと。その会話の後、ジャガーを購入。淡々とした思い切りのいい方でした。
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この人は年をとっても病気になっても、世の中に反抗し毒づきながらパワフルに生きる。あまりに攻撃的すぎてびっくりする。70才って、元気なんだなぁと。
いつもおっとりとにこにこしているおばあちゃんになりたいと思っていた。何があっても動じない、おだやかな心境を手に入れたいと。でもそれが何故理想かと考えたら、「楽だから」の一点だったのかもしれない。
楽をすることなく最後まで全力で生きようとすると、こうなるのかも。
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やっぱりエッセイは苦手す。普段から、ブログとかツイッターとかにも一切興味がなくて、要するに他人の日記とかそういう類のものを見たいという欲求が皆無な訳で。作者の死生観は素敵と思うし、その点では共感出来ました。
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初体験佐野洋子。視点がえげつないほどシリアス。解説書いてる酒井順子に上野千鶴子が毒化して混ざった感じか。亡くなる直前というのがこれまた後から味わい出てくる感じです。好き嫌いは出てくる内容でもありますが。
Posted by ブクログ
タイトルだけ見て、面白そうだと思って読んでみたのだが
よくよく見てみれば『100万回生きたねこ』や『おじさんのかさ』の佐野先生が筆者なのだった。
絵本から受ける印象とは当然というのが全く違い
毒舌と言えば毒舌なのだが、正直でストレートな言葉が小気味よいエッセイ。
時節柄、
元いじめっこに「いじめられっこが復讐に来たらどうするか」
と尋ねたら、「殺されても仕方ない」と答えた
というエピソードがなんだか印象に残った。
自分はもう終わった人間で、早く死にたいと
同情を誘う訳でもなく素直な心情としてばっさり書いて
癌になっても驚かないし、余命を確認して
余生のことを考えてしていた貯金を使ってぽんとジャガーを買ってしまうという
滅茶苦茶さが愛らしく、気持ちが良い。
こんな風に気持よく自分に正直に死ねたら本望
と思わされた。
解説の追記を読んで、もう亡くなられたことを知った。
悔いなく小気味良くこの世を去られたのだろうとは思うが
心から哀悼の意を表します。
Posted by ブクログ
好きなように生きておられる方なのかなあって思った。あけすけな感じで楽しい反面、その裏にある悲しい部分も見え隠れして読んでるこちらが少し切なくなる気がしました。