あらすじ
祇園精舎の鐘の音、諸行無常の響きあり。朗々とした唄、琵琶の音が闇夜に響く。何者かが男に伝える、二十余年の歳月を要して編み上げた物語。その名は――。平氏棟梁・平清盛が四男・知盛。清盛最愛の息子とまで呼ばれた彼だが、幼い頃から病弱で出世は遅かった。だがそんな彼にも源氏という時代の荒波は容赦なく襲い掛かる。弟分で「王城一の強弓精兵」と呼ばれた教経と共に否応なく前線に立つ知盛。没落に向かう平氏を盛り返すことはできるのか。直木賞作家による、熱き血潮が巡る「真」平家物語!(全二巻)
感情タグBEST3
このページにはネタバレを含むレビューが表示されています
Posted by ブクログ
源平合戦を「平家側」から描いていることが何より新鮮で、これまでとは違った景色が見えてくる作品だった。
特に印象に残ったのが、平家をどう生き残らせるかを考えながら戦う平知盛。
単に勝敗を追う武将ではなく、一門の未来を背負って知略を巡らせる姿が格好いい。
そして、豪胆な教経との対照的な関係も熱く、互いを認め合う二人の絆に惹かれた。
戦の物語でありながら、清盛亡き後の平家一門が家族として支え合い、時にぶつかりながら生きようとする姿もしっかり描かれている。
「平家=悪」という単純なイメージが覆され、彼らにも守りたいものや生き残りたいという願いがあったのだと感じさせられる。
知っているはずの源平合戦が、まったく違う物語として迫ってくる一冊。