【感想・ネタバレ】8番出口のレビュー

あらすじ

全世界で社会現象になった無限ループゲームを二宮和也主演で実写映画化。
映画公開を前に、監督自ら書き下ろした小説『8番出口』刊行!

ゲームクリエイター、KOTAKE CREATE氏によって2023年に制作され、累計180万ダウンロードを記録した世界的大ヒットゲーム「8番出口」。本作をもとにした小説と映画を、この夏、相次いで刊行、公開することとなりました。
小説『8番出口』は、映画の監督と脚本を務めた川村元気氏による書き下ろし。『告白』『悪人』『君の名は。』『怪物』などの企画・プロデュースを始め、自身の小説をみずから監督した『百花』など、数々の世界的ヒット映画を製作。小説家としても35の国と地域で翻訳され累計270万部を突破した『世界から猫が消えたなら』や『億男』『四月になれば彼女は』『神曲』『私の馬』など話題作を発表。映画と小説で、数々のヒット作を生み出してきた氏による最新作です。
地下通路という閉鎖的な空間のなかで、行くか引き返すかの無限の2択を繰り返すというゲームをもとに、驚嘆さえ覚える深みと広がりでその世界を解釈し物語を生み出した川村氏。人生観、死生観、現代人に共通する罪の意識を、読むもの観るものに深く突きつけます。
「グローバルで闘っていくためには、国籍やジェンダーや人種など、自らのアイデンティティを全部背負ったユニークな作品をつくらねばならない。では自分のアイデンティティは何かと考え、日本というゲーム大国でビデオゲーム世代として生まれ育ったこと、映画人としてずっと携わってきたアニメーション映画の表現、小説家としてのストーリーテリングとテーマ性、この全キャリア・全得意技を投入してみようとチャレンジしました。結果、カンヌ映画祭においても、よく物語のないゲームからあのような物語を創出した、と驚かれ、同時に面白がってもらえました」
映画監督業と並行し執筆された小説は、映画では表現しえない主人公たちの進行形の頭の中、心の動きがすべて描かれ、更には、映画ではカットされたいくつかの【異変】も小説で読むことが出来る、双子のような作品です。
そして、8月29日(金)には、実写映画『8番出口』が全国東宝系で公開されます。主演を務めるのは二宮和也氏。今年のカンヌ国際映画祭では、オフィシャルセレクションに選出され「ミッドナイト・スクリーニング部門」で上映されました。日本での公開に先駆け世界で注目の作品となり、既にアジアやヨーロッパの30以上の国と地域で上映が決定しています。
小説だけでも楽しめ、更に映画を観るとエピソードの裏付けを確認するために再び小説を手に取りたくなる、映画と小説でもループに迷い込むこと必至の極上エンターテインメント作品!


小説『8番出口』【ご案内 Information】

異変を見逃さないこと
Do not overlook any anomalies.

映画を先に楽しみたければ、すぐに引き返すこと
If you would like to experience the film first, turn back immediately.

小説を先に楽しみたければ、引き返さないこと
If you would like to experience the novel first, do not turn back.

小説で明かされる秘密を、決して他人には言わないこと
Do not reveal the secret unveiled in the novel.

8番出口から外に出ること
Go out from Exit 8.


【著者紹介】川村元気(かわむら・げんき)
1979年横浜生まれ。『告白』『悪人』『モテキ』『おおかみこどもの雨と雪』『君の名は。』『怪物』などの映画を製作。2011年に「藤本賞」を史上最年少で受賞。12年に発表した初小説『世界から猫が消えたなら』は、35の国と地域で翻訳出版され累計270万部を突破。他の著書に小説『億男』『四月になれば彼女は』『神曲』『私の馬』、対話集『仕事。』『理系。』、翻訳を手がけた『ぼく モグラ キツネ 馬』等。22年、自身の小説を原作として、監督を務めた映画『百花』が公開。同作で第70回サン・セバスティアン国際映画祭「最優秀監督賞」を受賞。25年、監督作『8番出口』が第78回カンヌ国際映画祭正式招待作品に選出された。
公式HP:genkikawamura.com

...続きを読む
\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

このページにはネタバレを含むレビューが表示されています

Posted by ブクログ

ネタバレ

怖かったです。
世にも奇妙な物語と重なるような印象でした。
納得させられるような自分にも当てはめて考えさせられる言葉も散りばめられていて、
勇気を振り絞る背中を押してくれる本だと思いました。
異変を見逃さないこと、周りの人がそうしているから自分も…と見ないことにしてそのままにしないこと、勇気を出すこと、一つずつの選択の先に、未来があることを、「しっかりせーよ!!!」と強く揺さぶられるか、背中を叩いてくれるかの様に感じました。

私も日々に忙殺されているなんて言い訳で、
寄付や声掛けや手紙でもSNSのメッセージでもなんでもいいから、困っているひとには私も優しくありたいです。
困難反省選択と向き合うことはこれほども辛く苦しく不安にかられることだけれど、
その先にはきっと希望があるから大丈夫、間違っていない、と強く背中を押してくれる本でした。

0
2025年11月09日

Posted by ブクログ

ネタバレ

映画鑑賞後に閲読。
映画では省かれていた主人公の過去が描写されていてストーリーの説得力が増した。
主人公とおじさんで、異変を探す時の語彙が違くて彼らのバックグラウンドが想像させられた。もしやおじさんは建築関係の専門知識がある?
心理描写や回想は小説の得意分野だが、本作特有の構内図や異変の描写に関しては映画が良いので補完的に読むのがいいと思う。

0
2025年11月16日

Posted by ブクログ

ネタバレ

実写化までしてしまった超話題作のゲームの小説版。もともとゲーム版はほとんどといっていいくらい物語がないシンプルなものなので、ここまで肉付けしていて、それでいてあまり破綻が無いのは素晴らしいと思う。プレイヤー目線で癒しだったおじさんをキャラクターとして昇華させたのも良かった。ちょっとお値段が張るなあと思ったら中身が凄いこだわってて個人的に好きです。流れとしてはゲーム版、実写映画、小説の流れが一番分かりやすいように感じた。なのでこれ一冊だけで楽しむ、ということが難しいのがネックかもしれない。ゲームはただ異変を探すだけだし、価格的にもリーズナブルなので、未見の方は是非やってほしい。覚えてないけどたぶんこの本よりお安いか同じくらいのはず。

0
2025年11月07日

Posted by ブクログ

ネタバレ

ゲームから入った人の感想です(映画は未視聴)。
かの有名なP.T.を模したゲームですが、あのころは異変(間違い探し)に重点を置いたゲームはまだ無く、それが斬新で驚いたのを覚えています。ストーリーはないけれどシャイニングのパロで楽しませてくれ、ホラーだけど怖くない、そんな不思議なゲームです。
今回、映画(小説)になるということでストーリーが必要となり、いろんな要素が追加されたようです。

同じ場所をループするというのはリミナルスペースを想起させます。なかでもバックルームが有名ですね。日本にも「無限ループって怖くね?」というネスラがあるように、出口があるかも分からない場所を歩くのは不安や恐怖を煽り、精神的な苦痛を感じます。この作品はその心情を上手く表現しています。
さらにそこに「地下通路のなかでいろんな経験をし、現在の自分を見つめ直す」という独自の見解を盛り込み、ゲーム内の異変も上手く昇華されていると思います。
ただゲームのコミカルさや面白味は無くなっていると感じました。

自分はゲームを知っていたのでなんの説明不足も感じませんでしたが、通常の小説のそれとはだいぶ違っているので、とっつきにくいと感じる人はいるかもしれません。
ひとつ気になったのは読みづらいだけの黄色い文字。最初のページは意味があったので、ページ数が黄色になっているのも意味があるんだと期待していたのですが、最後まで意味が分からないままでした。誰か分かる方がいたら教えてください。

ちなみに異変に巻き込まれた順番としては、女子高生→少年→おじさん→二宮(便宜上)?
0番出口はゲームだと最初にループするのですが、独特の捉えかたが面白かったです。それとシャイニングの赤い津波を、上手く現実につなげたなぁと感心。地下に降りさせたのなら、できることなら8番乗り場にループしてほしかったです。

0
2025年12月06日

Posted by ブクログ

ネタバレ

ループする地下通路というゲームの構造を、そのまま“人生の迷宮”として拡張した中編だった。小説版の最大の魅力は、映画と異なり〈迷う男〉〈少年〉〈歩く男〉の三つの一人称で語られる点だ。ゲームでは無機質だった存在に、罪悪感や後悔といった“人間の物語”が宿っていく。特に、歩く男が「かつて普通の父親だった」と明かされる章や、少年の抱える歪んだ愛情確認のエピソードは、異変が“個人の心の傷”から生まれていることを強く印象づける。主人公が津波の記憶と向き合い、8番出口へ進む決断をするまでの過程は、まさに「無関心を続けるか、勇気を出して現実へ戻るか」という二択そのもの。ゲームの枠を超え、メディアミックス全体のコンセプトを深化させた一冊だった。

0
2025年11月30日

Posted by ブクログ

ネタバレ

先が気になってあっという間に読むことができた。最後は多分勇気を出せた展開だと思うが、それでよかった。

0
2025年11月13日

Posted by ブクログ

ネタバレ

結局あのおじさんもループに囚われてたって事? 主人公の喘息もコロナと関連付けなくても良かったのでは? 主軸がブレブレで、単なる凡作でした。

ただ、ホラー描写はゲームを超えてて映画を観るのを躊躇う程でした。

0
2025年11月06日

Posted by ブクログ

ネタバレ

【ご案内 】
異変を見逃さないこと
異変を見つけたら、すぐに引き返すこと
異変が見つからなかったら、引き返さないこと
8番出口から外に出ること

これが、8番出口に辿り着くまでのルールだ。

「異変があるか」それとも、「異変がないか」
そう考えると、すべてが異変に見えてくる。

1つ選択を間違えると、0番出口(振り出し)に戻る。

このシーンを見て、自分は、きっと異変に気づける人ではないので、ずっと駅から出られないのではないかと考えると、かなり怖くなった。

自分も迷路に迷い込んだかのように、続きが気になり、スラスラと読み進めることができました!

映画だと映像もあって、よりスリルが味わえそうだなと思いつつ、ホラー要素もあるのかもしれないと思うと観るかどうかはまだ悩み中。

0
2025年10月30日

「小説」ランキング