【感想・ネタバレ】夏日狂想(新潮文庫)のレビュー

あらすじ

明治末の広島に生まれた礼子は、自由のない故郷を出奔。女優を目指しながら、年下の詩人、水本と暮らしていた。そして出会った文壇の寵児、片岡。礼子は才能ある二人の男を愛し、求められ、引き裂かれていく。三角関係が終焉を迎え礼子が見つけたのは、自らも「書きたい」という情熱だった――。誰のミューズでもない、自分の言葉を紡ごうとするひとりの女を創り上げた、魂を震わせる長編小説。(解説・佐久間文子)

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Posted by ブクログ

ネタバレ

おまえが死んだら、僕はどうやって生きていけばいいのか!

ありふれた言葉なのになぜか沁みてしまった。
橘だけでなく、水本もそう思ったんだろうと。

なのに男たちは礼子を悪く書く。愛しているのに悪く書く。
今の男たちも、自分の愛している人の悪口を友達に言うのだろうか。
女たちも自分の愛している人の悪口を言うのだけれど。

愛していることをいうと場が白ける。

馬鹿らしいなと思う。

悪口を言うとほんとうになるかもしれないのに。
あいつは毒婦だとか。
そんなことはないのに。そばにいたらわかるのに。
そう思い込みたいだけ。

愛は思い込み。
思い込んだまま、自分に暗示をかけて、愛しきって欲しい。

おじいさんになっても、おばあさんになっても。

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2025年09月18日

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