あらすじ
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主に中世ヨーロッパを舞台に繰り広げられた魔術と魔法使い、そして魔女に関するエピソードを集めた書。
ヨーロッパ各地に伝わる伝承、絵画、文学などの資料をもとに、著名な魔法使いや魔女の生い立ち、占いや医者としての共存からキリスト教との対立、異端裁判へと向かった中世の悲惨な歴史の背景を知ることができる。
第1章は、呪文を唱えて魔法をかけ、相手を魅了したり誘惑したりする「呪文使い」のエピソード集。ギリシア神話に登場するキルケ―から北欧神話の英雄シグアド、アーサー王伝説の魔法使いマーリンなどが紹介される。また17世紀末に米国のセーラムで発生した魔女狩りの様子などにも触れている。
第2章は、さまざまな動物や人物に変身する「変身妖怪」を中心とした楽しいエピソード集。18世紀のロシアやスラブ地方の民間伝承に登場するバーバ・ヤーガをはじめ、森に棲む小人や妖精など様々な精霊が現れる。日本の民話にでてくる鬼や山姥、ディズニー映画の白雪姫で鏡に問いかける女王の姿なども紹介されている。
第3章は、魔女や魔法使いが持つ超自然的能力についての解説。占い師や祈祷師は古代から政治の場、民衆の間で重宝される存在であったが、中には帝政ロシアの宮中で暗躍した怪僧ラスプーチンのような悪役魔術師もいる。
第4章では、大規模な災害や災厄を巻き起こす破壊者たちの話を集めた。
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Posted by ブクログ
魔術とは、魔女とはいったい何なのか。
神話や物語に登場する魔女と魔法使いの伝承とエピソード、
実際に起こった事件などをも紹介し、解き明かしてゆく。
・INTRODUCTION
第I部 呪術師 第II部 変身術師
第III部 治癒師と占術師 第IV部 禍事師
・図版クレジット
古代メソポタミアの遺跡の粘土板に遺された反魔術と
まじない師の存在、ローマ帝国時代の呪いの板など。
遥か昔からの神話や伝承での神格や闇への畏れに
呪術師や魔女も加えて、魔術と扱う者たちのイメージは、
次代を経る中で変容してゆく。
魔術への迷信と畏れ、宗教での対立からの偏見。
魔女関係の書物や物語の中での強烈なイマジネーション。
呪術師ではキルケ―、魔法使いの元型となるマーリンなど。
変身術師ではモルガン・ル・フェイ、「白雪姫」の邪悪な魔女、
鬼女のバーバ・ヤーガや山姥も含まれる。
治癒師と占術師ではシャーマン、ラスプーチンなど。
カオスを生む禍事師ではヘカテー、黒い森の魔女、
精霊のジンやワタリガラスの姿も。
何時しかシンボルとなった大釜や使い魔、水晶玉、
とんがり帽子と鼻といぼ、箒についての話もある。
そして様々な閉塞感からの魔女裁判、セイラムの魔女騒動。
では、それらを経ての現代での魔術の存在とは、魔女は?
ざっくりと語られる、神話や物語に登場する魔女たちの伝承と
エピソードが主体になっています。
「魔女の歴史」でいいんじゃないかと思ってしまう。
なので魔術の歴史への深掘りは少ない感じですが、
それでも多くのカラー画像が盛り込まれ、愉しめました。