あらすじ
前科者大鹿マロイは、出所したその足で以前別れた女を捜し始めたが、またもや殺人を犯してしまった。たまたま居合せた私立探偵マーロウは、警察に調べられる。その後彼はある事件を依頼された……。全篇に流れるリリシズムとスリルと非情な眼は、既に探偵小説の域を超え独自の世界を創り上げている。
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Posted by ブクログ
なんか複雑というより、散漫なプロットだな。だから高校のときに読んだ印象が薄いのかもしれない。よくわからんまま話が進んで、マーロウが最後にいきなりすべてのプロットをまとめ上げ、強引に解決してしまうのは、それこそいかにも推理小説的だという気がするけど。チャンドラーが批判していたそれまでの推理小説とはどう違うんだろう。こういうのはご都合主義とは言わないのか?
でも逆に言うと、この煩雑さがリアルだということなのかな。チャンドラーに影響されたといいながら、この部分を勘違いしてやたらプロットの散漫な小説を書く奴がいそう。そういう作家の小説は読みたくないな。
マロイの探していたヴェルマが、実はグレイルと結婚するためにマロイを売ったというのは、よくある話だけど並の小説ならこれでラストにもなりえる。けど彼女が自殺した理由をマーロウが推測するくだりがさすがチャンドラー。感傷的すぎるという気はするにしても泣けた。やっぱりこれは傑作。いわれているだけのことはある。
黒人ボロクソ。
Posted by ブクログ
フィリップ・マーロウとの付き合いは今後またまた深くなるに相違ない。
その実、「ロンググッドバイ」以前にも邂逅を果たしていた私であったがたぶんそれは渋柿信介という一少年にだいぶ昔出会ってしまっていたからだ。
私自身のこういったタイプの人間との出会いの原点がそこにはあった。
既存のという枠にはめられた人物像を推し量るには、やはりフィリップマーロウに立ち戻らねばなるまい。
そういった発見を再三もたらした今回の一冊であった。
Posted by ブクログ
これぞハードボイルド!黒人街のバー、謎の依頼人に謎の女、富豪、宝石泥棒、賭博の停泊船…あんまりミステリーを読んでなかったわたしでも、「ミステリーっぽいーー!」ってなる要素がそこかしらに散っている。
マロイが切ない。なんとも言えぬ哀切な感情が胸に残る。