あらすじ
最近の実証研究によれば、プロのファンドマネジャーによる運用実績の平均は、株式市場の平均より劣るという。知識も情報も豊富なプロが、素人に勝てない株式投資とは何なのか? 「株は情報の勝負ではない」「頭脳の勝負ではない」「金持ちが勝つゲームではない」「努力しても上達しない」――必要なのはセンスだけなのだ。先駆的なファイナンス研究によって完全に書き替えられた新しい株式市場像を紹介。“株式市場で勝つ”という視点から、株式投資という“ゲーム”の仕組みと戦略を徹底的に考える。株式投資の新しい常識!……◎株式投資はギャンブルである ◎プロとアマの差はほとんどない ◎高齢者も不利ではない ◎経営者評価なんて無理! ◎知識と情報の勝負ではない ◎頭脳の勝負ではない ◎金持ちが勝つゲームではない ◎売買のタイミングが勝負ではない ◎努力よりもセンスが大切である ◎株式投資は不美人投票
...続きを読む感情タグBEST3
Posted by ブクログ
2024年に著者は亡くなられております。この年にNISAの永久化が施行されましたが、株式投資を行うにあたっての基本的な知識が入っており、十分に利用できる内容になっております。
株式投資の基本
一部ご紹介します。
・株式投資はギャンブルである。ただし、平均回収率が100%を超す有利なギャンブルだ。
そして、この「有利さ」は、投資対象企業に資本と時間を与えることで作り出される。
。株式投資をやめるべき時は二つある。
一つは、自分が株式投資のために借金をしてしまった時(信用取引の利用含む)。
もう一つは、株式投資のことが四六時中、頭から離れなくなった時。
そうなった時に潔くやめる事が出来ない場合、依存症として、医師や家族に相談をすること。
・人生経験に伴って情報が多いことは有利とも思えるが、思考がパターン化しやすい弊害もあり、過信は禁物だ。
投資で重要なのは、知識やデータよりも、客観的な状況把握と合理的な思考である。
・個々の企業の利益予想の新規発表と、その後の変化と、これらに対する市場の反応(変化の前後の株価や出来高の動き)とを見続けることが、「基本動作」となる。
・基本動作、長期金利、為替レート、内外の株価指数を追って、その背景を理解しておく。
・いったん買った株式を売却する大まかな原則は、投資銘柄をめぐる条件が変わって「買った理由が消えた時」である。
それ以外は、運用計画の前提条件が変わった時、あるいは、極端な値上がりでリスクのバランスが狂った(幸せな)時、ということだ。
前提条件に変化がないかぎり、投資した株式は保有し続けて良い。
・運用期間が長くなるとともに、保有銘柄数が増えるのは、合理的な選択であり、自然な現象である。
・テクニカル分析は無益である。株価の動きは情報のごく一部に過ぎない。
・リスクがTOPIX(東証株価指数)に近いポートフォリオの作り方
1)業種を分けて
2)原則として東証一部で
3)時価総額の大きな銘柄で
4)市場平均のPER、PBR(株価純資産倍率)から上方に大きく離れないもの
5)なるべく多くの銘柄を持ち
6)一銘柄に大きく投資しないように数銘柄以上投資する
7)新たに投資できるお金ができたら、銘柄を増やす
・ナンピン買い(自分の買値よりも値下がりした銘柄を買い増すこと)は望ましくない。追加投資できる資金があるなら、現在持っていない有望銘柄を買うのが、得である。
・買いたい銘柄を買いたいと思う株価以下で買い、「安く買ったと思って、上がるのを待つ」だけだ。
Posted by ブクログ
いつ、何を思って買ったのかよく覚えていないが、なぜか持っていたので読んだ。副題が 「合理的へそ曲がり」のすすめ というだけあって、さまざまなものに難癖をつけている。なかでも私が強烈に受け入れられなかったのは、テクニカル分析を完全に無駄なこととこき下ろしていること。私はテクニカル原理主義者なので、このような論の展開はなかなか受け入れづらい。しかし、そういう「逆からの視点」は受け入れがたいからこそ、有益なものであるともいえる。本書は、そういった「逆の視点」から考えてみよう、という意味でよい気づきのある本だと思う。「合理的へそ曲がり」ってそういうことをいっているのかなあ。
Posted by ブクログ
相変わらずの辛口で新しい価値観を与えてくれます。
その辛口を受け入れられる人は著者のファンになれるでしょうし
相容れない人には読む価値のない駄作と感じてしまうかも知れません。
そして感じ取り方が前者の自分なので満足の一冊です。
内容はどこのページから読み始めても興味深い結論に至って面白いです。
暇な時間があったときに手元にこれがあったら案外、有意義な暇つぶしになるでしょう。
内容には触れませんが「株式投資に向いた性格」「平均の得」「努力しても上達しない」はかなりツボに来た部分です。
Posted by ブクログ
「私にとっての株式投資はゲームだ」と言っている。これは最近自分でもようやく気がついてきた。そう、株式投資はギャンブルと考えて望んだ方がいい。
このゲームに勝つためには、第1に運が必要で、第2がセンスとある。そのセンスとは、「合理的なへそ曲がりの精神」である。投資対象の企業を知るより、市場参加者を観察する方がいい。他の市場参加者が間違えてくれるかもしれない場所にチップをおくことである。
株式投資に時間を使うのは無駄。自分に望ましいリスク水準のポートフォリオを作って放っておくのがいい。
株式投資は不美人投票である
Posted by ブクログ
同類の投資手法が先に行っている投資家に後から追いかける投資家が利益をもたらす。運用成績を改善できる根拠の乏しい売買は不利。スポットライトが当たっている部分を避けて、裏側のどこかに「合理的だけれども、精神的には抵抗感のある何か」を探して賭けてみよう。そして仲間が増えたら静かにその場を去るのだ。株式投資は不美人投票である。十分に人気が出ている美人株がそのままの評価の美人である状況で投資しているよりも、人気のない、下がった不美人株がやや不美人株になったときの方がもうけが大きい。
Posted by ブクログ
プロのファンドマネージャーの運用実績が、株式市場の平均的なリターンより劣るという衝撃的な内容。努力しても上達しない、必要なのはセンスと 微妙な内容。
Posted by ブクログ
[ 内容 ]
最近の実証研究によれば、プロのファンドマネジャーによる運用実績の平均は、株式市場の平均より劣るという。
知識も情報も豊富なプロが、素人に勝てない株式投資とは何なのか?
「株は情報の勝負ではない」「頭脳の勝負ではない」「金持ちが勝つゲームではない」「努力しても上達しない」-必要なのはセンスだけなのだ。
先駆的なファイナンス研究によって完全に書き替えられた新しい株式市場像を紹介。
“株式市場で勝つ”という視点から、株式投資という“ゲーム”の仕組みと戦略を徹底的に考える。
[ 目次 ]
第1章 ゲームとしての株式投資入門(ゲームとしての株式投資 株式投資はギャンブルである ほか)
第2章 株式投資の本当の常識(目標株価の設定は必要ない 「分散投資は効率が悪い」のか ほか)
第3章 ツールとしての投資理論の研究(「成長株理論」 「配当割引モデル」(DDM) ほか)
第4章 ゲームとしての株式投資再論(プロの知識と情報が活きない理由 平均の得 ほか)
[ POP ]
[ おすすめ度 ]
☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
共感度(空振り三振・一部・参った!)
読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)
[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ]
Posted by ブクログ
年齢や経験、プロアマ、天才凡人、情報の有無等々、株式投資の勝ち負けに一切関係なし。努力よりセンス、裏をかくのが大事という本。
「従順な性格は不向き、でも自分の考えに対して素直を貫ける人は有利」という一説は、腑に落ちる。 いざリスクをとりに出る時、「さあ、どっち」となった時、同程度の評価のアイデアなら、権威のある方を選んでしまって、大したリターンもなく後悔するのはよくあること。
などなど、多くの投資理論を紹介しながら、株式投資の「センス」とは何かを解明しようとしています。 よくある投資ハウツー本とは、全く異なる本です。 経済学の教科書みたいな本です。