あらすじ
【電子版巻末には花守先生によるカバー用イラストをそのまま収録!】
京都にある零細出版社・太秦出版社に事務員として勤め始めて三年目の大庭小依(おおば・こより)。ある日、食中毒で倒れた先輩編集者の代理で、作家・皆月豊(みなづき・ゆたか)との打合せ場所に資料を渡しにいったところ、はんなり京男子な皆月のマイペースぶりに巻き込まれ、いつの間にかこの企画の担当編集を引き継ぐことに。初担当となる本は、京都のお抹茶に関する面白い逸話を探しながら人気の名所やお店を巡り、お抹茶スイーツやお点前を楽しむという紀行エッセイ本『京都お抹茶迷宮(仮題)』だ。
編集者としての初仕事にはりきる小依だが、皆月と共に取材を続けるうちに「千利休の孫・宗旦」と「白狐の恋」にまつわる不思議な抹茶の逸話を耳にする。そして、その逸話に沿うかのように、「狐の子孫」と言われる一族が営む茶舗で事件が発生して……!?
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Posted by ブクログ
抹茶を使用したスイーツを巡る紀行エッセイを書くのが目的だから、無論抹茶スイーツがたくさん出てくるのだが、他のスイーツや料理も美味しそうだった。
小依ちゃんの食レポがいい感じなんだよなあ。
プラス日常ミステリも楽しめるという贅沢な話。
ミステリは単発ネタを何件とかと想像していたら、結局あるお店のお抹茶に関わるミステリなので、実質は一本かなあ。
喧嘩腰なキャラが関わってくるので、ミステリ部分はちょっとフラストレーションがたまった。
謎自体は楽しかったのだが。
それにお抹茶に関わるトリビア的話も色々出てきたのも興味深かった。
意外だったのは、主役二人が安易に恋仲にならなかったこと。
表紙からは想像できなかったが、彼が結構歳が離れている上に既婚者という。
しかも番外編では別キャラとコントを繰り広げるというね、彼自身が謎なキャラだった。
小依ちゃんは失恋後だし元彼とニアミスして、恋愛面ではあまりいいことなかったので、これから先いい恋してほしいなと思う。
その前に天職かもしれない今の仕事を大事にしてほしい気持ちもあったり。
成長を見守りたい、そんなキャラなのかもしれない。