あらすじ
85%の地域が下落する?――不動産「三極化」時代に備えよ!
異次元の不動産格差時代がやってくる。人口減少、金利上昇、外国人投資家の急増、気候変動――マクロな変化が市場を根底から揺るがす。
「価値が落ちない中古マンションの選び方とは?」「生き残る戸建てと消える戸建ての決定的な差とは?」「上昇し続けるコストとどう向き合うか?」など、不動産のプロフェッショナルが市場の未来を徹底分析。
市場のルールが変わる今、正しい知識がなければ、大きな損失を招く。
不動産の購入や売却を考える方はもちろん、市場の未来を見据え、賢い選択をしたいすべての人に贈る1冊。
◆本書の内容より
・下がりにくい物件、高騰する物件の4条件とは?
・国道16号の外では売るのも貸すのも難しくなる
・住宅ローン金利はこれからどうなる?
・2001~03年、2010~14年竣工の中古はなぜ狙い目なのか?
・和光市、藤沢市、堺市北区…これから注目のエリアは?
【「不動産のあれこれ三極化診断」がダウンロードできるQRコード付】
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Posted by ブクログ
この本の著者である長嶋氏の本は、これで4冊目となります。マンションに住んでいる私には、彼が述べている内容は興味がありました、この本では日本全体の不動産が2030年に向けてどのように変化するかが解説されています。
特に最近、SDGを背景に様々な法律ができていて、それらが住宅業界にも大きな影響を及ぼすこと(下がる不動産は無価値に近くなる)が理解できました、このような事実を知っておくことは重要だと感じました。
以下は気になったポイントです。
・公的年金や生活保護のシステムが廃止されて、代わりにベーシックインカムのような制度が導入される可能性もある、ベーシックインカムとは、国・自治体が全国民を対象に、最低限の生活を保護すべく定期的に一定額を給与する制度のこと、所得・資産・年齢とは関係なしに一定額を給付する点で、従来の社会保障とは異なる(p4)
・2、3%という幅で利上げが実施されると、ローンを組んで住宅を購入する人には負担になり、住宅価格の下押し圧力となる、これは都心からやや離れた郊外エリアに関して言える、都心一等地に関しては下落することはない(p26)最寄駅からは最低10分、できれば7分以内で駅に行けるエリアで探すべき(p35)
・ここ数年日本は貿易赤字が続いているが、輸入品の高騰を輸出の増加によってカバーできていない(p28)その中で日本の不動産は一夜にして価値が激減するリスクが少ない、その意味では日本の不動産は中長期的に有望と言える(p29)
・今高騰している住宅の多くは、都心・駅前(駅近)・大規模・タワーの4大条件を満たしているところ(p47)
・日本の住宅市場は、住宅を次々と新築しては消費するフロー型から、すでにあるものを有効活用するストック型へ移行する、2030年には都心部でマイホームを買いたい、と考えた時、第一候補は中古マンションになっている(p76)
・マンションは管理会社を雇えなければ、住民た自分たちでマンション管理業務を行う「自主管理」となる、マンションの管理形態には、全部委託管理(7割)・一部委託管理・自主管理、の3種類ある(p89)
・管理費の値上げが否決されることがあれば、議事録に必ず記録されているはず、議事録には住民の個人情報は記録されないので、マンション購入を希望している外部の人でも、写しを取り寄せて閲覧することが可能である(p99)
・鉄筋コンクリートマンションの法定耐用年数(税法上の減価償却できる期間)は47年だが、適切に保守・点検、必要な修繕工事を行えば、100年以上でも持つ(p100)修繕積立金の積立方式は、段階増額積立方式か均等積立方式である、2000年代に入ってから段階式が多くなった(p103)
・管理の状態が適切なマンションを探す目安として、マンション管理業協会が手がている「マンション管理適正評価制度」がある(p119)国が立ち上げた制度として「管理計画認定制度」があるが、どちらも2022年から開始されたばかりで知名度が低い(p121)
・今後は、中古マンションを選ぶときに、不動産エージェント、ホームインスペクターとともに物件選びをすることになる(p123)ホームインスペクターに住宅診断をしてもらうことで物件を買うことになる(p124)
・木造の戸建ては鉄筋コンクリートよりも耐用年数が短く、資産価値が低下するスピードも速い、法定耐用年数は22年、適切な修繕をしていなければ、30−40年でボロボロにな李、大規模なリフォームや建て替えを余儀なくされる(p133)
・日本は2050年までにCO2排出量を実質ゼロになることを目指して、全方位的に省エネへの取り組みを進めている、その一環として2025年4月からは、全ての新築住宅に省エネ基準適合を義務化する。2025年と2030年の二段階で最低ラインが引き上げられる(p137)2022年に改定されて断熱等級が4から7段階となった(p139)
・ZEHとは、断熱・省エネとともに太陽光発電などのエネルギーを作る(創エネ)によって消費エネルギー量を差し引きゼロにする住宅のこと、2030年からはZEH住宅が標準となる、その進化系がLCCM住宅、建設から廃棄に至るまで全ての工程でCO2を削減、創エネにも取り組んで、長期で見てCO2の収支をマイナスにすることを目指す住宅(p144)
・2030年に地価が上がるエリア、1)江東区・住吉駅周辺(2030年半ばに有楽町線が延伸)、2)西東京市・田無駅周辺、3)横浜市・センター南駅、北駅周辺、4)藤沢市、辻堂駅周辺、5)和光市駅周辺、6)大阪府北区・中央区、7)大阪府阿倍野区、天王寺区、城東区、鶴見区、8)大阪府、豊中市・吹田市、9)大阪府、北区・堺区、10)福岡市天神・博多駅周辺、11)福岡県春日市、大野城市、福岡市、12)福岡市南区、13)福岡市東区(第4章:p154ー194)
・2024年からは火災保険の水災補償は、地域ごとに変動する仕組みになった、5段階で判断され、最もリスクが低いのが1当地(p198)
・多くの金融機関の住宅ローンでは、変動金利が急に上がって家計を圧迫することを防ぐために、5年ルール(=金利が上がっても5年間は返済額が据え置かれる)や、125%ルール(=直前の金利の125%までしか上がらない)というルールがある。しかし、一部の銀行ではこれらのルールを撤廃し、代わりに金利水準を低く設定しているのもある(p202)
・未来の不動産で生き残るための視点、1)新しい資産価値の創出(立地だけでなく、エネルギー効率、コミュニティ価値など)、2)金融リセットに備える、3)テクノロジーを活かす(取引の透明化、資産価値のデジタル化など)、4)都市と地方の価値再編、5)個人の生き方と不動産の関係、6)行動が未来を決める(〜p210)
2025年3月29日読破
2025年4月3日作成
Posted by ブクログ
いくつかは有益な情報を得られたが、途中からは、中古物件の買い方など、他の本で得れるようなものばかりになってきて興醒め。
ただ知識の再確認という意味では役に立ちました