あらすじ
世界中をとりこにした『ポケットモンスター』はこうして誕生した!!
知られざる『ポケットモンスター』開発秘話、
そのドキュメントを描いた幻の名著、ここに待望の復刊!!
衝撃のデビュー作「クインティ」から10年。ついに「ポケモン」で世界的大ヒットを達成することになったクリエイティブ集団「ゲームフリーク」の創作の秘密が、いま初めて明かされる。
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Posted by ブクログ
書泉ブックタワーにて予約購入。
ポケモン創成期の知識は知っている事が多かったが、冒頭の小説?は自分がタイムスリップした様で心地よかった。
Posted by ブクログ
「ポケモンって、なんでこんなに夢中になれたんだろう?」
この本を読んで、その理由がスッと腑に落ちました。
通信ケーブルで交換しないと全てのポケモンが手に入らない。だから、友達と話す。対戦する。交換する。一人じゃ完結できないゲーム設計が、子どもたちの間に自然と“ポケモン文化”を生み出していった。これはもう、天才的。
しかも、発売当時はマリオやカービィみたいな有名キャラがいなかったし、プレイステーションのキラキラした映像にも負けてた。それでも勝った理由は、「捕まえる」「育てる」「交換する」っていうシンプルな遊びの面白さに全フリしたからなんだよね。
個人的にグッときたのは、「ポケモン販売システム」をあえて捨てた話。「お金で買えるなら、苦労して捕まえる意味がないでしょ?」って考えたところに、“遊び”への誠実さとプライドを感じた。
それと、「ピカチュウ」誕生秘話も好き。最初はサイドンとかニドキングみたいな怪獣ばっかりだったところに、「もっと可愛いものを」っていう女性デザイナーの感性がポンと加わって、一気に空気が変わった。固定観念を壊してくれる“異物”の存在って、本当に大事。
あと、田尻さんが「ゲームしか知らない人が作ったゲームはつまらない」って言ってたのも印象的だったな。ドラクエ2の交換できなかった悔しさ、町田市での昆虫採集の思い出、子どもの頃のワクワク。全部がポケモンに詰め込まれてるっていうのがエモすぎた。
最初の構想ではポケモンは30体しか入らなかったとか、ナッシーが社内人気1位だったとか、帯でポケモンを調教しようとしてた話とか……正直、「え、マジ!?」ってなるエピソードの連発で、読んでて楽しいし、開発の裏側を覗けたワクワクが止まらなかった。
この本は、ただのゲーム開発の記録じゃない。「どうすれば子どもがワクワクするか?」を真剣に考え抜いた大人たちの熱量と青春が詰まった物語だと思った。
Posted by ブクログ
アマチュアのゲーム制作集団(または同好会、サークル)だったゲームフリークが大ヒット作のポケモンを発売して名を挙げるまでの経過を鮮明に記述したビジネスサクセスストーリーでした。
ゲームフリークが危なっかしい道のりを進みながらも、彼らの指針である田尻智氏の信念、そしてそれに共感した仲間たちの力で素晴らしいゲームを作り上げていった過程が描かれています。
読み物としては非常におもしろく、ゲームフリークの喜怒哀楽を追体験することができました。
しかし、一歩間違えれば令和の時代だと非難が集中しそうな部分(例えば、質の良いゲームを作るために深夜遅くまでゲーム開発をする、企画会議をするなど)があるなぁというのも正直な感想です。
自分はポケモンルビーサファイアの世代です。田尻智氏と同世代の1965年~1968年生まれでそろそろ還暦を迎える年齢層の人たちこそ、本書を読むことをおすすめします。
田尻氏と同じ時間を生きてきた人たちにしか分からない空気感を追体験できるので面白いのではないでしょうか。