あらすじ
夫に突然離婚を切り出された妻の悲嘆が消えた瞬間。第2子を身ごもった女が目にした、産婦人科での光景。浮気相手の妊娠を妻に告げた夜。人生の豊饒の時、「結婚後」の男女の点景を通して、あたりまえの生活をいとなむ、そのすぐそばに潜んでいる奇異なものたちを見逃さずに描き出した、傑作短編小説集。(講談社文庫)
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Posted by ブクログ
日常の中にあるなぜか気になるもの、目が離せなくなるものへの注意というか興味と毎日の生活の時間が重なるリアリズムというかレイモンド・カーヴァーが好きだと言われていた椰月さんの視線はそこにあって短編ってこういうのがやっぱりいいなと思う。
Posted by ブクログ
味わいのある短編集。
何とも言えない心のひだをうまく描いてある。
人からすると、大したことじゃないのかもしれないけど、
なんとも微妙に心をくすぐるような、そんな感じ。
Posted by ブクログ
『みきわめ検定』と同時刊行。
こちらは結婚後の夫や妻が主人公となった短編集。
唐突に離婚を告げられた女が姪っ子を連れて寂れた遊園地に行く『城址公園にて』、横暴な夫と家庭内別居状態になった『甘えび』がストーリー性がありよかった。
風邪を引いた妻をひたすら描く『風邪』、第二子を妊娠して産婦人科へ訪れた女が待合室で遭遇した人々について書かれた『たんぽぽ産科婦人科クリニック』など、物語としてはなんてことはないけど丁寧に綴られた話は、たまにはこういう系統も悪くないなと思わせられる。
やっぱりちょっと読者に解釈を委ねすぎだなあと思う節はあったものの、全体としてはよかった。
『みきわめ検定』よりも読みやすい、わかりやすい話が多かった印象。
Posted by ブクログ
10編の短編集。「甘えび」と「おしぼり」がお気に入り。みきわめ検定の方を最初に読んだからか、こちらは少しインパクトが少なかった気がする。でも、椰月美智子さんの世界感は十分に味わえた。
Posted by ブクログ
日常の中にあるちょっと変わった一コマを描いた短編集。夫婦関係を描いたものが中心になっているが、別れる二人を描いたものが多かった気がする。
日常の中の風変りな様子が描かれているからか、重くならずに軽く読めました。何気ない様子のものばかりなのに、続きが気になって仕方なかったです。風邪の話と、夜のドライブの話が好きかな。
未婚の話を集めた短編集もあるとのことなので、そちらも読んでみたい。