あらすじ
かつてない、タワマン文学×恋愛ミステリ!
山下創一は配達員をしながら日々を食いつないでいる。ある日、高級レストランから料理を届ける仕事が入った。依頼人は六本木でもっとも高いタワーマンションの最上階に住む多和田という男で、創一が到着すると、強引に部屋に上がらせた。戸惑う創一だったが、窓の外に広がる地上47階の景色に心を奪われてしまう。さらに、そこに現れた人物に驚く。それは高校時代、密かに想いを寄せていた静香だった。リビングに入ってきた女は「玲良」と名乗り、多和田は自分の婚約者だと紹介した――。
配達員の登録番号「4443番」にちなみ「ヨミ」と名付けられた創一は、金を持て余している多和田の享楽的で奔放な言動に振り回されながらも、誘われるままタワマンに通う。やがて玲良との距離も縮まりだしたころ、多和田は唐突にヨミと自分の「入れ替わり」を提案した。この暮らしを、この景色を自分のものにできるならと交換生活を受けいれたヨミに、多和田は告げる。「約束してくれ。このタワマンから絶対に一歩も出ないこと」。そして、三人の関係は大きく歪み始めるのだった。
彼らのあいだに隠された秘密とは? 太陽にもっとも近い虚飾の密室で起きる恋愛ミステリ。
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Posted by ブクログ
配達員の創一は、六本木のタマワンへ料理を届ける依頼を受けた。依頼主である最上階の住人・多和田は何故か創一を部屋の中へ招き入れる。強引に多和田は創一をタワマンに住まわせようとして…
タワマンのもう一人の住人で、多和田の婚約者・玲良は、創一のかつての片思いの相手・静香なのか?
途中、ハラハラしっぱなしでどうなるかと思いましたが、エピローグまで読んで大どんでん返しで驚きました。まんまとミスリードに引っかかってしまいました。
森さんのタッチで今までにない雰囲気で新鮮でした。
Posted by ブクログ
タワマン文学か〜…………?何かが違う。
気づいた時には目が離せなくなりました。
静香は一体どうしたのか?
みんなそう思うはずです。
そして騙されるはず。
静香だと思い込んでいたけれど、本当に思い込んでいただけでビビり散らかしました…。
どんどん不穏な雰囲気に包まれていく本作。
人の思い込みって恐ろしいですね…。
こうだった、なんて書いてないのに文脈からこうなんだろうな〜って予想して裏切られる。
タワマンサスペンス!!!
創一だけでも報われますように。
Posted by ブクログ
後半から怒涛の展開、そしてエピローグでびっくり展開でした。
静香ちゃんそっちか!っていうのと、ほころびってちょっとしたところから来るよねっていうのと、こんなに都合よく関係者が全部居なくなって山本くんだけが日常に戻っていく感じかなんとも。
あと家に戻ったとき、崔くんが生活を整えてくれてたところにも愛を感じて、切なくなりました。
自分は逃げられないからこそ、そして山本くんが戻って来れたら、これは自分が玲良に勝ったってことなんだって思いながら色々やってくれたんだなって思ったら切なくなった。
みんな単純にお金持ちいいなぁーって言うけど、本当に自分で汗水流して働いたお金じゃないと人生狂わす人はいっぱいいるんだろな。
ギャンブルやらないけど、やっぱり堅実に生きないとなんだなとちょっと思いました笑