あらすじ
◆プログラミングスキルを持たないビジネスパーソンが、Difyを活用して実用的な生成AIアプリを自ら開発できるようになるための実践ガイド!◆
「ChatGPTは便利だけど、うちの会社特有の業務には使えない」ーこのように感じているのであれば、Difyがその解決策になるかもしれません。
本書は、プログラミングスキルを持たないビジネスパーソンが、Difyを活用して実用的な生成AIアプリケーションを自ら開発できるようになるための実践ガイドです。Difyは複雑なコードを書かなくても、業務に直結するAIツールを短期間で実現できます。本書では、Difyの活用に必要な知識を、実際のアプリ開発を通して段階的に学べるよう解説しています。
仕事での生成AI活用による効率化を実現するには、「業務を最も理解している人」がエンジニアに依頼することなく自らAIアプリを開発できることが重要です。Difyを活用すれば、あなたや周りの人の業務を楽にするAIアプリを作れるようになります。生成AIの活用を検討しているすべてのビジネスパーソンに読んでいただきたい一冊です。
■こんな方におすすめ
・生成AIを業務効率化に活用したいビジネスパーソン
・自社システムに生成AIを利用したい担当者
・生成AI、RAG、AIエージェントを活用したシステムのPoC(概念検証)を行いたいエンジニア
■目次
Chapter1 大規模言語モデル活用の基本
──1.1 言語モデルの基本理解
──1.2 言語モデル活用の課題とDifyの必要性
──1.3 言語モデルの仕組みと特性
──1.4 プロンプトエンジニアリングの基本理解
Chapter2 Difyの環境構築とセットアップ
──2.1 Difyの基本と特徴
──2.2 クラウド版Difyで作る初めてのアプリケーション
──2.3 コミュニティ版Difyのセットアップ
──2.4 言語モデルの設定とAPIの基礎
──2.5 アプリケーションタイプの選択
Chapter3 テキスト処理を行うアプリケーション開発
──3.1 本書での学習リソースの概要
──3.2 変数機能で作るレポート生成アプリ
──3.3 高度なアプリタイプの基本
──3.4 文章校正アプリケーションの開発
──3.5 条件分岐を活用した文章処理アプリの開発
──3.6 JSONモードで作る文章アシストアプリ
──3-7 問い合わせ対応チャットボット開発
Chapter4 ファイル処理を行うアプリケーション開発
──4.1 ファイル処理機能で作るQA自動生成アプリ
──4.2 チャットフローによるPDF対話アプリの開発
──4.3 複数の方法で実現するPDF要約アプリの開発
──4.4 ワークフローを活用した複数ファイルの一括要約
──4.5 マルチモーダルモデルによる画像処理の基本
──4.6 音声認識を活用した議事録作成アプリの開発
Chapter5 Difyで実現するRAGアプリケーション開発
──5.1 RAGによるビジネス課題の解決
──5.2 はじめてのRAGアプリケーション開発
──5.3 RAGシステムの仕組みと検索技術の基礎
──5.4 複数の業務文章を活用したRAGアプリケーションの実践
──5.5 文脈を考慮したRAG検索システムの実装
──5-6 RAGシステムの現状の限界
Chapter6 ツールを活用したDifyの機能拡張と外部システム連携
──6.1 ツール機能の基礎
──6.2 ウェブ検索ツールを活用した情報収集アプリの開発
──6.3 Google スプレッドシートと連携したデータ管理の基礎
──6.4 Dify とGoogle スプレッドシートの連携
──6.5 再利用可能なカスタムツールの作成と活用
Chapter7 AIエージェントを活用したアプリケーション開発
──7.1 AIエージェントの基本
──7.2 AIエージェントを活用した基本アプリ
──7.3 AIエージェント導入の考え方
■著者プロフィール
にゃんた:都内で働くAIエンジニア。主に生成AIの最新情報や技術解説を発信。2025年3月時点のチャンネル登録者は4万7000人、Udemyでは受講者数6000人。YouTubeチャンネル https://www.youtube.com/@aivtuber2866
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
読む前はDifyの名前だけ聞いたことがある程度で、LLMを個人で軽く利用した経験があるだけでした。
・そもそもDifyって何ができるの?
・Dify自体ができること、AIモデルができることの境界線は?
・RAGって何?
・AIエージェントって何?
といった基本的な知識がなくても読めました。
しかもGitHubにサンプルコード相当を上げてくださっており、すぐにハンズオン可能な点もありがたいです。
システム開発経験がないと、API設定やDify内のPythonコードに少し面食らうかもしれませんが、エンジニア・非エンジニア双方に向けて書いている印象です。
AI界隈は進化が速いので、最近出た本なのも有り難いです。
Posted by ブクログ
本書は、ノーコードでAIエージェントをはじめとした各種生成AIアプリケーションを構築できるプラットフォーム「Dify」について、基本概念からアプリ作成まで丁寧に解説した入門書です。アプリのタイプを選び、プロンプトや設定を入力するだけで自社向けのAIアプリを組み立てられるため、従来のアプリ開発と比べると格段にハードルが低くなっている点が印象的でした。
もちろん、ノーコードゆえに「用意されているアプリタイプの範囲でしか作れない」といった制約は存在します。とはいえ、プロジェクトマネージャという立場で見ると、仕様確定や実装コストの見通しが立てやすい点はむしろメリットにも感じられました。
今回は全体をざっと斜め読みした程度でしたが、実際にDifyを導入して試しながら読み進めれば、技術職ではない管理職であっても十分“実用レベルのAIエージェント”を構築できる可能性を感じました。特に、業務知識を持つ現場部門が主体となってAIアプリを作れるようになるという点は、組織としての生産性向上においても大きな価値があります。
Difyを使った生成AI活用の全体像をつかみたいマネージャにとって、導入判断やPoCの方向性を検討する際の指針となる一冊だと言えます。
Posted by ブクログ
本の要約
本書は、PCの基本操作や生成AIの利便性を理解している読者を対象に、「Difyとは何か」、そして**「他の生成AIアプリと比べて何が優れているのか」**を実践形式で学べる一冊である。ローコード開発のような感覚で、生成AIアプリを高速かつ容易に構築できる特長が具体的な事例を通じて解説されている。
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本の中で印象に残ったこと
一般的なローコード開発と同様、ブロックを繋ぎパラメータを設定するだけで開発が完結する点。
GitHubのURLを指定するだけで、JSON形式で記述されたDifyワークフロー(DSLパッケージ)をコピーできる仕組みに感動した。
RAG、Rerank、並列処理といったPython実装では多くの工数が必要な設計が、一瞬で構築できる利便性。直感的にはDifyでできないことはほとんどないと感じた。
質問分類器など、一見エージェントに近い機能を簡易に利用できる点に驚いた。
従来コマンドプロンプトで行っていた作業がGUIで完結することで、LLMの進化を改めて実感した。
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今後の業務に活かせそうなこと
Difyのデプロイで複数のコンテナイメージを生成していることを理解でき、動作の全体像を把握できるようになった。
ワークフローの読み解き方や設計の工夫を習得したことで、PDFの見積書から金額や納品日を自動抽出するLLMの自作に挑戦できそう。
PoC段階で迅速に成果物を形にし、チーム内で共有・再利用できる仕組み作りにも応用できると考える。
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追加で気になったこと
コスト構造の不透明さ
PythonでAPIを直接叩く場合と比較し、Dify利用による追加コストは大きく変わらないように見える。
他ツールとの比較
項目DifyPython + API直接実装他ローコードツール(LangFlow等)
開発スピードGUIで即構築、RAG等も一瞬設計〜実装に時間GUI主体だが高度機能はカスタム必要
学習コスト低い高い中程度
デプロイワンクリックでAPI/Web化サーバ構築が必要自動化は限定的
再利用性GitHub URLやJSONで即コピー依存調整が必要互換性問題が出やすい
コスト構造LLM API課金+ホスティング費用LLM API課金のみ同様
拡張性DSL・カスタムコネクタ対応ほぼ無限制約あり
ビジネスモデル上の疑問
Difyは主に以下で収益を得ていると考えられる。
1. クラウド版(SaaS)の利用料(ホスティング・運用代行)
2. エンタープライズ向けサポート・カスタマイズ契約
したがって、全員がオンプレミスで自力運用する場合はDify側に直接の利益は発生しない。OSSとして普及させ、一部ユーザーからクラウド利用料やサポート契約で収益を得るモデルである。