あらすじ
Goodreadsが選ぶ2024年ベストのサスペンス
20年前、妹が誘拐されて以来、刑事チェルシーは誘拐事件を憎んでいた。ある日、2年前に誘拐された少女エリーが帰ってくる。さらに一緒にさらわれた少女の死体が発見された。だが、エリーは事件について何も語らない。彼女はただの被害者なのか、それとも?
感情タグBEST3
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Posted by ブクログ
これは苦しい物語。
幼い頃に姉を亡くしたトラウマからその手の犯罪の解決に使命感を燃やす主人公のチェルシー。
二年前に失踪し、ぱたりと消息を絶っていた少女エリーが帰還を遂げた。
何事もないはずもなく、彼女が潜り抜けてきた凄惨な扱いがわかってくると同時に訪れる胸くそ悪さ、絶望感の追体験に頭がくらくらする。
それでも止められないリーダビリティがある前半。
チェルシーの聞き込みによってわかってくる他の被害者達の存在の可能性と、どこか不自然な挙動を取り続けるエリー。何かを隠している。
「私たちを見つけて」の言葉に同じく少女達の辿った悲劇の物語『塩の湿地に消え行く前に』が頭をよぎった。
事件の解決よりも彼女たちの物語。
うっすらとしか見えない希望の光へそれでも辿り着かんとする彼女たちの心の強さが胸を打つ。
チェルシーの自己欲求から来る執着ぶりや、事件のスケール大きさに比して黒幕達の身近さがちぐはぐに感じてしまい星減らしたが、不意に崩壊するそれまでの何気ない日々の話として読み応えあり。
Posted by ブクログ
アメリカ在住の作家エミコ・ジーンの本邦初紹介作品。
2年前に行方不明となったエリーが、ある日不意に林道で発見される。ただ、誘拐される前と全く異なる雰囲気に、周囲は不安を覚える。
一方、無理心中で姉を奪われた過去を持つ刑事チェルシーは、何も話そうとしないエリーの秘密に迫ろうとし。。。
淡々と暗く多視点で描かれる作品。エリーのパートもあるが、誘拐される直前からその後を辿るものとなり、これが結構辛い。
少しずつ違和感が積もりつつ読み進めると、後半、ガラッと展開が変わる。この意外性と、さらに最後が非常に衝撃的。不意をつかれた。
ボリュームもそこまでなく、辛くはあるもののスッと入っていける読み応え。良作。