あらすじ
「フーテンの寅さん」で有名な葛飾の柴又は、奈良時代は下総国葛飾郡大嶋郷嶋俣里に属した。
正倉院に残っている養老五年(721)の戸籍によれば、この地は孔王部忍羽(あなほべのおしは)とその一族が住んでいた。
都から遠く離れた東国の地で忍羽を始めとする庶民の大地に根付いた暮らしと社会はいかなるものだったのか。
探求心に後押しされた著者は時間を越えて忍羽の元を訪れる。
そこには自然の中で実直に生きる人びとがいた。
目次
第1章 孔王部忍羽の古里(古代葛飾の世界;大嶋郷戸籍の世界;大嶋郷逍遙)
第2章 子供の頃の記憶—遊びと労働(忍羽生まれる—お産の周辺;遊ぶ少年忍羽;村から国へ)
第3章 忍羽、生きていく(揺れる青春を走る;忍羽、結婚の祝い;日々の暮らし ほか)
終章 忍羽、信仰世界に入る
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Posted by ブクログ
三宅和朗『古代の人・ひと・ヒト 名前と身体から歴史を探る (歴史文化ライブラリー 552)』で紹介されていたので読んでみた。著者が古代の葛飾にタイムスリップ?して孔王部忍羽と出会い、彼の口を通して当時の社会や精神世界を語らせる手法は今から見ても斬新であり、印象的である。もちろん史料に書いていないことばかりであるが、それに対しては著者の知識による解説がある程度カバーしているため、興味深く読み進めることができる。