あらすじ
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ノーベル賞作家ハン・ガンが3回読んだ本。日常がシャッターを下ろすように中断されると知った時に残った「愛」の記録。
ノーベル賞作家ハン・ガンが3回読んだ本「しばらく外国にいたとき、この本を1日いちど、3回読んだ。毎日読んでもいい本」ーー日常がシャッターを下ろすように中断されると知った時に残った「愛」の記録。『朝のピアノ』は、キム・ジニョン先生が天に召される三日前、意識混濁状態に入る直前まで、メモ帳に書き留められた生の日記である。不安を抱えながらも、冷静さを保とうと努め、前向きな姿勢を取り続ける。生への執着および葛藤、愛着、賛美、そして周囲へ向ける視線、配慮、感謝、愛。音楽や文学で色付けられ、重厚でいてシンプル。そして最期まで守り続けた、人としての威厳。淡々と綴られているにもかかわらず、この日記は奥深い。
著・文・その他:キム・ジニョン
哲学者/美学者 高麗大学ドイツ語独文学科と同大学院を卒業し、ドイツのフライブルク大学大学院(博士課程)留学。フランクフルト学派の批判理論、特にアドルノとベンヤミンの哲学と美学、ロラン・バルトをはじめとするフランス後期構造主義を学ぶ。小説、写真、音楽領域の美的現象を読み解きながら、資本主義の文化および神話的な捉えられ方を明らかにし、解体しようと試みた。市井の批判精神の不在が、今日の不当な権力を横行させる根本的な原因であると考え、新聞・雑誌にコラムを寄稿。韓国国内の大学で教鞭をとり、哲学アカデミーの代表も務めた。バルト『喪の日記』の韓国語翻訳者としても知られる。
著・文・その他:小笠原藤子
上智大学大学院ドイツ文学専攻「文学修士」。現在、慶應義塾大学・國學院大學他でドイツ語講師を務める傍ら、精力的に韓国語出版翻訳に携わる。訳書にチョン・スンファン『自分にかけたい言葉 ~ありがとう~』(講談社)、リュ・ハンビン『朝1 分、人生を変える小さな習慣』(文響社)、イ・ギョンヘ『ある日、僕が死にました』(KADOKAWA)、ケリー・チェ『富者の思考 お金が人を選んでいる』(小社)など多数。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
朝のピアノ…或る美学者の愛と生の日記
そのタイトルからは
ピアノも想像できるが、ピアノは登場しない
この本を読みたくなったのは
1日に3回読んだ(⁉︎)と書いている人がいたからだ。
そんなに引き込まれる何かを、私も求めていたのかも知れない。
読み始めると確かに日記である。著者である教授が病気と向き合い、生きることを真摯に追い続けた記録だ。
ピアノとは関係ない日記だけれど、教授は音楽が好きだったんじゃないかな…
時折でてくる音楽用語の使い方も奥深い。
病気になると何もかもが愛おしくなる
当たり前ってないんだなと実感する
そしてその残りの時間が友達になる
この本にはたくさんの教訓も登場したが
私がとても興味を持ったのは
逸話とある「継母の朱氏は王祥を憎み…中略 王祥は木を抱えて大声で泣いた」というもので重要なこととあるものが私には伝わってこないところだ
伝わらないと言うことは、私に何かが足りていないのではと思って余計に興味を持ったし
教授は、その重要なことと自分が時々世界を抱きしめて泣きたいと思うのも、同じ理由だという
まったく感じてこない
だから私は知りたいし感じられるようにこれから探求したい(感想になっていないけど)
Posted by ブクログ
まだ時間があると思っている時に読んだ
もう時間がないと思っている時にまた読もうと
困難な道が来ることを想像した時、著者の「わたしの心は穏やかだ。」と言う言葉に何度も救われている
Posted by ブクログ
生きるとは、他者を世界を時間を存在を愛すること。命ある限り「生きる=愛する」ことをやめない。そう自分を励まし続ける。己の最期を前に自分はどうするか。考えさせられた。
Posted by ブクログ
目前に迫る死を意識した著者が、「そのとき」までの日々を綴ったエッセイです。「愛を使い切るにも時間が足りない」(P.8)という言葉からは、切迫感とともに、愛を知ったことへの喜びも感じられました。読後、世界の見え方がちょっと変わりました。愛し足りずに終わるようなことがなるべくない人生にしていきたいです。
Posted by ブクログ
悪性腫瘍に罹り余命が限られた著者が、毎日、自身と向きあい、奮い立たせたり、周囲に感謝したり、と思いを綴った作品。自身を律する気持ちが強いのか、頑張りすぎているようにも思えて、こちらも少し気が張るような感じだった。
Posted by ブクログ
「ノーベル賞作家ハン・ガンが3回読んだ本」という帯に惹かれて購入。
韓国人哲学者が癌の闘病生活中に書いた日記である。偉人たちや歴史書、小説などから言葉を引用していてその考察であったり、知識が幅広くて驚く。
数々の作品や知識で自分を奮い立たせ、最後まで気高く生きようとする様が読み取れ、美しく思う。
「わたしが尊敬してきた人たちの生没記録をあれこれ調べてみる。彼らのほとんどは、いまの自分くらいまで生きて生涯を終えたという事実を発見する。わたしの考えは正しかった。もう十分に我が人生を謳歌したのだ」(p.13)