あらすじ
コンサルティング業界は、東大・京大をはじめとする学生の「人気の就職先」としてだけでなく、様々なビジネス経験を積みたい社会人の「転職先」としても注目されています。
そんなコンサルティング業界のリアルについて、本書では「A.T. カーニー」「BCG」出身の現役コンサルタントが書き下ろしにより、「わかりやすく・おもしろく」解説しています。
・コンサルティングは中国戦国時代から存在した?
・経営コンサルティングはいつ誕生したのか?
・「戦略をコンサルする」とはどういうことか?
・アクセンチュアの歴史
・戦略プロジェクトはどのように始まるのか?
・なぜコンサルタントはカタカナ言葉を使うのか
・総合商社、広告代理店もコンサル化する?
・麻薬問題にもコンサルが関わっている?
・複線化するキャリアパス
・コンサルティングとAIは共存できるのか?
就職を控える学生から、プロフェッショナルとして活躍したい方まで、気になる箇所からぜひ読み進めてみてください。
また、コンサルティング業界に就職したい方にとっては、「業界研究」にも役立つこと間違いなしです。
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Posted by ブクログ
コンサル業界というと、まだまだ就職先としては人気業種。生成AIの発展により代替されるのではと思ったが、実力者が集まるコンサルがこのまま指をくわえて衰退するとも思えない。私も関係の深い界隈の話でもあり、改めて勉強するつもりで読み始めた。文字通り、「勉強のため」の読書という観点では、最適な書だった。コンサル業界の成り立ちや勢力図、得意分野の比較や特徴などが一望できる。
日本のコンサルティング市場の規模は、足元で約2兆円(世界シェア約4%)と見積もられ、直近5年は世界平均を上回る年率10%超で拡大。市場の内訳は、総合ファームが6割、戦略ファームが1割、その他が3割という構成比。日本のコンサル市場は、GDPに対する比率が諸外国よりも低くて、まだまだ伸びシロがあると言われていたという事だが、至近時は諸外国と大差のない状況にもなってきているとの事。
― 業界内では、「マッキンゼーは劇薬、BCGは漢方薬」という例えをよく耳にします。マッキンゼーがグローバルのネットワークを活かし、世界水準のあるべき提言(劇薬)を提供するのに対して、BCGは日本企業の体質に合わせ、継続的に飲み続けられる処方箋(漢方薬)を提供するという意味合いです。経営トップの権限が強い米国企業にマッキンゼーが評価され、ミドルにも意思決定権がある日本企業にBCGが評価されていることの1つの理由かと思います。
こういう話が紹介される。それと、やはりコンサルが強いなと思うのは、人材に関して。戦略ファームは、「ベスト&ブライテスト(最良で聡明)」といわれる人たちを惹きつけ、厳選採用し、手塩にかけて育成する。その上で、「Up or Out (昇進しなければ退職)」と呼ばれる自然淘汰の仕組みを導入して、在籍するコンサルタントの質を常に一定以上に保っているとの事。だからこそ、AIに負けるわけがないのではとも思ってしまう。
しかし、要は「自分たちの方が頭が良いから、あなた達に教えてあげる。コンサルしてあげる」という商売なのだ。本来は、コンサルを受けるクライアント企業がそのようなベストブライテスト人材を採用できるのが一番良いはずだ。しかし、ベストブライテストを囲む費用を考えると、彼らを社会的に共有できる方が良いという発想がコンサルを生んだとも言えるのではないだろうか。面白いが、色々と、胸中は複雑である。
Posted by ブクログ
【書籍の要旨】
コンサルティングビジネスの歴史から
執筆時点の業界マップ、コンサルタントの
何がすごいのか?をまとめてくれている。
特に歴史について知れたのは大きな学びとなった。
【主なトピックと学びになったこと】
・グレイヘア・コンサルティング
経験豊富な老紳士によるアドバイスのこと。
・パートナー・レバレッジ
ファームの経営陣(パートナー)の数に対し、
それ以下のメンバーの比率がどれくらいかを示す指標。
戦略ファームの場合:5~10
総合ファームの場合:10~30
比率が大きいほうが、
定型化された仕事の割合が多い
となり、効率的に稼げていることにもなる。
・ファームの1人当たり売上高
アクセンチュア・・・約1,300万円
デロイト・・・約2,100万円
マッキンゼー・・・約5,000万円
・アクセンチュアの強み
戦略、マーケティング、業務・オペレーション
システムインフラだけでなく、アウトソーシングまで
担っているところが他ファームよりも強みとなっている。
また、下流を担っているがゆえに1人当たりの売上高も
他ファームより低くなる。
・戦略プロジェクトが始まるタイミング
①非常事態
②オーナーチェンジ
③プロ経営者
④経営伴走
・MECEを活用する際のポイント
①分割する単位
②分割する軸
③順番(なんの軸から切るべきか?)
・プレゼン設計時におけるポイント
①ゴールの設定
②現状把握
③ゲームプランの組み立て
④サポート資料
※②から①に向かうために、
どんな段取り(③)で進めていくのが良いか、
を④を活用しながらプレゼンする。