【感想・ネタバレ】高学歴発達障害 エリートたちの転落と再生のレビュー

あらすじ

「高偏差値エリート」はなぜ転落したのか?

高学歴、高偏差値なのに……
使えない・空気を読めない・ミスを連発
するのはなぜなのか?

難関校に合格するも休みがちに、大学で周囲から孤立、職場ではまったく評価されない。
将来を約束されたエリートたちは、なぜ“転落”してしまったのか――。

精神科教授として発達障害の患者に長年向き合ってきた岩波明氏によると、ここ10年あまり、これまでとは違うタイプの患者が目立って増えてきたという。
高学歴で知的レベルが高く、有名校や一流企業に所属している。
ところが些細なことがきっかけとなって、それまでの「人生経路」からドロップアウトしてしまう。
彼らに共通しているのは、発達障害を抱えているということ。
20世紀末から社会の「管理化」「デジタル化」が強力に進行し、規格からはずれた個人が簡単にあぶり出されるようになったのだ。

数々の症例に接してきた精神科医である著者が、高学歴発達障害の人々の現状を浮き彫りにし、いかにして回復して社会復帰するか、“再生”に至るまでの道のりを提示する。

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感情タグBEST3

Posted by ブクログ

■ADHDの特徴としてマインドワンダリングが挙げられる。これは現在行っている課題や外的な環境の出来事から注意が逸れて、全く別のことを考えてしまう現象を指すが、「創造性」との関連が大きいことも報告されている。思考の飛躍。
■ASDの人は一般の人があまり意識をしないで周囲の様子を見て、自然と身につけている社会的な常識や対人関係のルールに無自覚であることが多い。彼らは意識的に「無礼」に振る舞っているわけではないものの、常識的な「マナー」や「手順」を理解していないため周囲から誤解されやすいし、本人も混乱し不安に陥りやすい。

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2025年07月26日

Posted by ブクログ

ネタバレ

表紙に書いてある字面に興味を惹かれて手に取って見ましたが、環境とそこにいる自分自身の在り方についてよく考えさせられました。躓きながらも努力して社会に復帰している人達は不都合なことを自分の病気のせいにするのではなく、そこに向き合い対処する自責の思考が出来ている点が優秀だと感じました。勉強や仕事に関して優れていても自分の弱い部分に向き合う人間的な強さがなければ社会に再起するのは難しいのかなと感じたので、トラブルの原因を分析して次に繋げる人間性を養っていきたいなと思いました。

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2025年05月28日

Posted by ブクログ

【書名と著者】
高学歴発達障害 エリートたちの転落と再生
岩波明

【目的】
わたし自身ADHDっぽい。エリートでもなんでもないが、コースアウト気味の人生においてどう、自分の気質とつきあうべきかヒントにするべく手に取った一冊。

【印象に残ったポイント】
・発達障害とは
先天的な脳機能の偏りであり、本書執筆時点でメカニズムが明らかになっていない。
・ADHDとASDの見分け方
4つ(不注意、衝動性、コミュ障、こだわり)の観点で見分け方があるにはあるが、異なる特徴から類似する症状を見せることがあるそう。
本書では具体的な見分け方が示されていないが、専門家の著書であることからすると表面的な症状だけでは判断しかねるものと解釈した。

・本書の事例から年代ごとの再生ポイントは以下。

ASD
中高生の事例→特性の自覚、特性に合った環境設計
大学生の事例→デイケアと就労移行支援
社会人の事例→集団精神療法、自由度の高い職場

ADHD
中高生の事例→特性の自覚、専門外来の受診、束縛の少ない環境、正しい投薬
大学生の事例→過剰集中を生かした仕事をする、正しい診断と親離れ、適材適所
社会人の事例→適切な投薬、職業選択、ADHDを自認したうえでのセルフコントロール、服薬と生活リズムを整える

まずADHDなのか、ASDなのか判別したうえで自分の症状にあった投薬と環境設計につきる。
ただ、そもそも専門外来の門戸を訪ねる以前に、専門外来の存在そのものがあまり知られてないのではないか?
(わたしは知らなかった)

自分がASDまたはADHDであることに、気づかず自然体で社会と関わると不都合が生じてしまうが、
そもそも気づくことのハードルが高いと感じた。
学生であれば親や教師が運よく気づいてくれたらいいが、ここをすり抜けると自覚するのがとても難しい。
また、専門性の低い外来に行ってしまうと誤診されて誤った服薬を支持されるリスクもある。

もし、受信する場合には専門性の高そうな外来を受信するのが必要と感じた。
(だがしかし、まともで自分に合った石を探すのも一苦労)

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2025年06月26日

Posted by ブクログ

高学歴と発達障害。
この二つの言葉は 私の中ではなかなか結びつかなかった。しかし“イーロン・マスク”や“エジソン” “スティーブ・ジョブズ”を引き合いに出されると納得。

学校に行っている間は なんとか成績も上位を保ち 他の目に余る行動は目をつぶってもらえた。
しかし社会に出ると世の中そんな甘いものではなく 綻びがあちこちに。挫折を経験し、そこから何とか立ち上がれる人と 長く抜け出せない人が。こんなに高学歴の人たちの例があるとは。

しかしADHD(注意欠如多動性障害)の特性を持つ起業家の一部には 新奇なアイデアと途方もない突破力で華々しい成功を収めている人たちも存在している

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2025年06月14日

Posted by ブクログ

多くの精神疾患において、症状が回復したとしても病前のレベルまで戻らないことが多い、とは当事者として実感している。
しかし、神経発達症者においては、適切な治療・支援及び自らの特性の理解により、以前のレベルよりも更に良い状態に達することも可能であるという。

後者の可能性について、希望を持ち続けたい。

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2025年07月21日

Posted by ブクログ

ネタバレ

部署の読書家の先輩からのご紹介で。
もともと、片付けができない人、時間を守れない人は、ほとんど病気のようなもので、本人の意志が弱いとかそういう問題じゃないと思っていたが、それが、発達障害に区分されるということで腹落ちした。

発達障害には、ASDとADHDとLDの3つがある。
ADHD(Attention-deficit、Hyperactivity Disorder)注意欠如・多動性障害の特徴
1不注意;忘れ物、なくしものがおおい。注意を向けることが苦手、注意を切り替えるのが苦手、ケアレスミスが多い、マルチタスクが苦手、片付けができない。注意が散漫になってしまう。
2多動・衝動性;多動は子供のときに観察される。通常おとなになると目立たなくなる。衝動性は、一方的に話し続ける、相手の言う事を聞かないで被せてしまう。カッとなりやすい、感情的に不安定になりやすい。興味を持ったことに過剰に集中してしまう。
3.マインドワンダリング;
精神疾患と併存しやすい’;うつ、双極性障害、不安症状など

ASD;Austism spectrum disorder
1。対人関係の障害;人に対する興味関心が低い。一人でいることを好む。
2.特定の事象に対するこだわりの強さ
変化に対して敏感、新しい環境に強い不安感を示す。
感覚過敏;感覚刺激に過剰に反応する。触覚、嗅覚、音など。

見分け方;
1.不注意;ADHDは、注意の持続に難がある。他のことに興味が移ってしまうので、一つお事に集中できない。ASDは、感覚過敏になり、一つのことに集中できない
2.衝動性;
3.対人関係;ADHD、他者への興味の低さと衝動性が原因。ASDは、相手の心理的理解が苦手。
4;こだわり;ADHDは、特定の興味のあることに対しては、ドーパミンがドバドバデルのでやめられない。ASDは、慣れた環境への定着がおおもと?

人それぞれ、このような特性が大なり小なりあるとは思うが、それが適宜、おとなになる家庭で矯正されていくものもある。
しかし、その度合いが強い人などは、
その特性に合わない環境にいると大変なことになるので、うまく自分にあった環境を選ぶことと、良い薬の向き合い方を理解することが重要。

大事なのは、持って生まれたものの違いであり、それを当人の努力不足と断じないことが第一歩。





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2025年04月29日

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