【感想・ネタバレ】マイノリティの「つながらない権利」――ひとりでも生存できる社会のためにのレビュー

あらすじ

何らかのマイノリティ属性をもつ人は、生存に必要な情報を得るために当事者コミュニティへのアクセスがほぼ必須であり、コミュニケーション能力によってさまざまな差が生じている。マイノリティがつながることを半ば強いられている状況のなか、マイノリティは"つながらなければならない"のかを、根本から問い直す。

本田秀夫さん(精神科医)、飯野由里子さん(東京大学特任教員)、相羽大輔さん(愛知教育大学准教授)へのインタビューを収録。

...続きを読む
\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

Posted by ブクログ

終章 今後のあり方について、特にマイノリティの情報プラットフォームやつながりについて、海外での事例などがさらに知りたいなと思った
資金の部分などでどのように運営されているか

0
2025年06月03日

Posted by ブクログ

つながる、ことを強要される/するのはやはりかなわん。という人、つながることがうれしい人。かなわん側でも生き延びられるようにすることは可能なんだが、そこにはリソースと技術がいる。その分もちゃんと割いてほしい、というのはまっとうなんだが。そこまでしろというのか、と言われそうな気もする。

0
2025年04月17日

Posted by ブクログ

【目次】

はじめに:ここでもまた、コミュ力ですか

 第1部 問題提起編

1 当事者コミュニティに参加できない/したくない理由
2 当事者コミュニティの功罪
3 マイノリティの「つながりたくない」も尊重してほしい
4 マイノリティの運動を振り返る
 ◆番外編 私が「つながらない権利」を求めるまで――読書の旅を辿る

 第2部 対話編

1 「障害の社会モデル」の観点から考える、マイノリティの「つながらない権利」
  ――飯野由里子さんインタビュー
2 発達障害の診察、研究の現場から考える、マイノリティの「つながらない権利」
  ――本田秀夫さんインタビュー

 ◆コラム 生活保護についての解説、受給に関する各種相談機関紹介
 ◆コラム 「能力主義」とは何か

3 障害開示や特別支援教育の視点から、マイノリティの「つながらない権利」を捉え直す
  ――相羽大輔さんインタビュー

 第3部 解決編

マイノリティの「つながらない権利」を再定義する
 ◆コラム 「知能」の持つ危うさ
1 当事者運動は社会に開かれなくてはならない
 ◆コラム 優生思想の正体を捉える
2 オンライン空間が鍵を握っている
3 マイノリティのための運営や資金のあり方
4 マイノリティとテクノロジーの距離は揺らぐ
 ◆コラム 「正しい」情報とは何か
 ◆コラム 多様性という戦略、人権という約束

おわりに:私のままで生存できる社会を作る

あとがき

0
2025年03月04日

Posted by ブクログ

当事者が直面する困難は、そのもの自体の構造は健常者が相対するものと本質的には変わらない。問題は、対処の手段や難易度が格段に違うということなのだと思った。

個人的には、XR空間のような、自分の障害を含めたアイデンティティを恣意的に捨象し選択して参画できるようなテクノロジーがブレイクスルーになるのではと思ったし、テクノロジーと障害をキーに作られているプロダクトがこの辺りを意識してるのではと今更ながら気づいた。

0
2025年02月24日

Posted by ブクログ

ネタバレ

タイトルの「つながらない権利」という言葉に最初はとても引っかかっていた。人と人とのつながりなしに生きるなんて可能なんだろうか?この社会は人のつながりの中で成立しているのではないか?

ただ、本書が訴えるのは「誰ともつながらない」などという極端なことではない。困難を抱えた人が当事者コミュニティなしで情報を獲得しづらい、そんな現状の問題点を鋭く指摘していて、なるほどと唸った。

情報が氾濫するこの社会において、特定のコミュニティに所属せずとも欲しい情報を得ることは比較的容易だ。ただし、それはマジョリティとして自覚なく社会のあらゆる利益を享受できる者の話。アルビノの当事者であり、ASDや性的マイノリティでもある著者のように、複数のマイノリティ性を抱える人にとって当事者コミュニティはかならずしも安心できる場所にはならない。マイノリティが本当に欲しい情報、例えば進学、就職、あるいはもっと身近な日々の生活に必要なことを知るための選択肢はものすごく少ないのだと改めて気づかされる。

第2章の対話編では、3人の有識者へのインタビューによって論点が整理され、著者自身が捉われていた「能力主義」にも言及される。第1章を読みながら疑問に思ったことや違和感を覚えた点は、2章でかなり解消された。問題意識を発信し、有識者と共に見識を深め、これからの道筋を提示する本書の流れはスリリングですらある。

マジョリティと呼ばれる側がマイノリティを理解する手がかりにもなる良書だった。

0
2025年02月20日

Posted by ブクログ

・マイノリティが剥がれる恐怖(マイノリティ性のせいにしていたことにつき、同マイノリティの他の人にとって問題となっておらず、その原因がマイノリティ性ではなく個人の問題であった、自分の至らなさにあったと直面したように感じられた現象)
→しかし、そのような場面でこそ社会モデルの考え方が必要である(対談において呈示された視点)


・マイクロアグレッション
・つながらなくても情報が得たい、マイノリティについては、つながらないことが、つながることよりデメリットが大きすぎる
・ダブルマイノリティにとっては、一つのマイノリティにとってのコミュニティが、もう一つのマイノリティへの差別を秘めた場所であることがあり、安全ではない

0
2025年05月23日

Posted by ブクログ

コミュ障の自覚があるのでタイトルや帯につられてつい手に取ってしまったのですが、大学生のレポートレベルの内容という感じの本でした。ウェブの連載をまとめた本ですが、とりとめのない内容で他の文献からの引用もなく、わざわざ書籍化する必要があったのか疑問です。もう少し見識を深めてから書いて欲しかった。インタビュー部分は少し面白かったのでそこが救いでした。

0
2025年07月22日

Posted by ブクログ

自分の立ち位置としてはマジョリティ側なので、良かれと思って行った事が、相手を苦しめてしまう事があるという事を自覚しつつ、発言に慎重にしないといけないとと改めて感じさせる。
繋がる事なく、自由に知る事ができたり、手に入れる事ができたりできる仕組みの必要性と難しさについて考える。

0
2025年05月30日

「社会・政治」ランキング