あらすじ
智謀の将か、誠実の人か―
戦国乱世、異彩を放ち続けた天才軍師・黒田官兵衛)の、知られざる素顔に迫る!
* * *
……のちに関ヶ原の合戦のときにおける「黒田如水の行動の謎」といわれる一件も、かれが誠実であったという設定をすればすべて雲散霧消してしまう。かれについての謎めいた問題設定や、疑惑視もすべてこの「官兵衛は誠実な人物だった」というカギをはめ込めば、あらゆる疑いが解けてしまうのだ……【本文より】
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Posted by ブクログ
黒田官兵衛って聞いたことあったけど、どの時代の人物なのかとか功績とか知らなかったので読んでみました。福岡にゆかりがある人なんですね。
情報収集力、分析力、問題解決能力に優れ、「日本切っての頭脳の鋭い男」と称された官兵衛。一方で「人情味が薄い」と評されることもあるようですが、筆者は彼の経歴や人柄に関する史実から「人情深い人物だった」と主張しています。黒田官兵衛の祖父も人材育成が上手かったようです。
著者は戦国武将たちのリーダーシップにも考察しています。
武将たちトップは役割として「絶対的決定権」を持ちますが、それこそ信長・秀吉をはじめとした優れたトップは「軍師性」も兼ね備えていたと言います。
にもかかわらず武将が軍師や参謀を傍に置くのは、戦国時代の流行として「ブランド品(優れた軍師)」を持つことがステータスだった側面もあったのではないか、と筆者は見ています。
とはいえ軍師はスタッフ職のひとつであり作戦が起用されても大きな手柄になることはなく、それに対して官兵衛は満足できず、大将を目指したもよう。
本書では信長の「あゆち思想」というユートピア構想が紹介されています。
また、安土桃山文化というのも、信長が「一所懸命」の価値観を精算すべく経済政策で衣食住を変化させた「安土文化」と、秀吉が引き継いだ「桃山文化」が融合したものです。
本書は話が飛んだり内容の繰り返しが多く、著者の主観も多いのですが、小説を読んでいるような感覚で戦国時代を学べます。
Posted by ブクログ
主観なのか史実なのかが分かり難い書き方が
最初は戸惑ったが、黒田氏の考え方を現代にどう
活かすかという視点で書かれていて読んでて、
勉強になった。