【感想・ネタバレ】オスマン帝国全史 「崇高なる国家」の物語 1299-1922のレビュー

あらすじ

多民族・多宗教の大帝国はいかに栄え、そして滅びたか?
600年にわたる興亡を、小説家にして気鋭のトルコ文学者が描ききる!
渾身の「オスマン帝国史」が幕をあけるーー!!


「文明の発祥地であり東西南北の人とモノが目まぐるしく行きかう西ユーラシアにあって、しかもイスラーム教と正教、ユダヤ教、カトリック教を奉ずる異教徒同士が混住する東地中海と中東の只中に産声をあげ、従って富とともに常なる外寇と内訌(ルビ:ないこう)に晒(ルビ:さら)されるはずの地域に成立しながら、かほどの遐齢(ルビ:かれい)を見た国家は世に類を見ない。
本書は、現代から見れば、到底一つの政体が統合できるとは思われないこの世界を、実際に統治してみせたオスマン帝国の歴史を、最新の研究成果に拠りつつ辿る通史として編まれた(「はじめに」より)」


歴史のダイナミズムをとことん味わう、野心的な歴史大作!


【本書の構成】

はじめにーー崇高なる国家、あるいはオスマン世界
第一章 辺境の君侯
第二章 海峡をまたぐ王朝
第三章 大征服時代、世界帝国の誕生
第四章 壮麗王の帝国
第五章 成熟の帝国
第六章 改革の世紀
第七章 専制と革命
第八章 帝国の終焉
終章 オスマン語が語る世界

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感情タグBEST3

Posted by ブクログ

多民族・他宗教が混在する国の統治の難しさ
オスマン語の成り立ちと、トルコ国での位置付け
王国における軍隊の扱いの難しさ
現在の中東、東欧の紛争、課題の根の一部が理解できた気がする。知ることができてよかった。

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2025年05月17日

Posted by ブクログ

600年に及ぶオスマン帝国の誕生から滅法まで。
現在の中東情勢やヨーロッパとの関わりなど。
イスラム教徒を優位としながらも、イスラム教やキリスト教、ユダヤ教など、様々な宗教を包括してきた強権国家
兄弟であっても、帝国を維持するために殺し合うと言った非道な一面や、どんなに高位な立場でも、失政したら処刑されるという側面は、今の中東諸国にも通じるものがある。
栄枯盛衰。ヨーロッパ諸国を圧倒した中世の様な時代から、ヨーロッパの列強諸国に蹂躙され、滅亡に向かうことまで考えると、切ないものを感じます。

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2025年06月18日

Posted by ブクログ

トルコ文学(史)者が書いた約600年にわたるオスマン帝国の歴史。新書ながら500ページの分量。だが小説のように読みやすく、サクサクと読み進めることができた。また、ここまで詳細なオスマンの歴史の本は初めて読んだ。帯の紹介文に「歴史のダイナミズムをとことん味わう」とあるが、多民族、多宗教の大帝国がいかに繫栄し、そして滅亡の道を辿るのか。そのダイナミズムを本当に十分に味わうことができた。

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2025年04月19日

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