あらすじ
恋人同士になれたというのに、大学生活に馴染むことで必死な藍と、益々忙しくなった志澤。一緒に暮らしているのに、すれ違う日々は相変わらず。なかなか触れてくれない志澤に不安を募らせる藍だったが…。ほろ苦くて甘い表題作・志澤×藍編の他、弥刀×朋樹編、藍の父・衛の過去編を収録。崎谷はるひが贈る大人気シリーズ待望の短編集が登場! ※こちらの電子書籍については、口絵や挿絵は収録しておりません。ご了承ください。
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Posted by ブクログ
白鷺シリーズ、最終巻。
この本の中には3つの話が入ってました。
一つ目が、藍と志澤の物語。
二つ目が、弥刀と朋樹の物語。
三つ目が、藍の父親、衛の過去編でした。
一つ目の話は、藍が大学に行き始めて、初めて異性と一緒にいるのを見た志澤が、藍と距離をとり始めて、それに気づいた藍が、志澤を問い詰めたとき、志澤の過去が明らかになる……という話でした。
藍視点でこの物語を見ると、周りが思っているほど、藍は天使ではないし、心が広くもないし、強くもないんだなあ……と実感できる話でした。
皆が皆、藍を神格化しているのに、当の本人だけ、それを意に介してないところが一番、すごいし強いからとても好きです。
二つ目の話は、強かった朋樹が現場に出て、直接人と触れ合う経験をして、逆に自分のウィークポイントのようなものに直面して、少し弱ってしまった話。
本当に本当に強かったので、この話が出てきて、ようやくこの二人の関係が本物になって、強い朋樹が弱って、また新たな強さを好きになって。
本当に本当に朋樹のことが好きだなあと思いました。
三つ目の話は、これが一番、痛い話で。
どうして衛はこんなことになってしまったのか、というのが衛視点で語られる話です。
これがシリーズの根本の話で。
そうせざるを得なかった衛の切ない話。
この三つが揃ったことで、すっきりとシリーズが完結したような気がします。
とてもいい話でした。
ありがとうございます。