【感想・ネタバレ】平行線上のモラトリアムのレビュー

あらすじ

自分とは全く方向性の違う「青春」を題材にした映画を撮れと援助先のプロデューサーに言われ、制作に悩む映画監督の弥刀紀章は、大学受験を控えた佐倉朋樹に、映画の取材をさせて欲しいと頼む。それは、独特な雰囲気を持つ佐倉への興味からでもあった。近づこうとすればするほど、なお佐倉への興味が増す弥刀。それに反するようにしてあがらない脚本。ジレンマに苛まれながら、弥刀は自らの青春ともいえる過去の恋に目を向けることになるのだが──!? 遂に新シリーズスタート! ※こちらの電子書籍については、口絵や挿絵は収録しておりません。ご了承ください。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

 白鷺シリーズのスピンオフとなる作品でした。
 本編にも出てきた、弥刀と佐倉の話。

 大きな映画賞を受賞した弥刀は、今まで自分がまったく作ったことがない泥臭い「青春」に関する物語を作れ、と言われ、今までやったことがないことをうまくできずにテンパってしまう弥刀。
 そして、自分を信頼してくれる佐倉についつい八つ当たりしてしまう。

 それもこれも、実は弥刀には思い出したくない過去があって……

 という話でした。
 なんというか、大人がみっともなくて、悲しくて。
 そして子供が思ったよりも大人で強くて。
 自分の不甲斐なさに愕然として。
 久々に、泣きました。
 いやまあ、BL読んで泣くなよ、という話だと思うんですが(別にBLをバカにしているわけではなく)、本当に本当に切実な思いが胸に迫ってきて、我が身の不甲斐なさに泣きました。

 あー! しんどい!!
 なんで、こんなにみんな、ちゃんと一生懸命生きれてるのだ! と思いました。

 強くて優しい少年のまっすぐさに胸を打たれる小説でした。
 是非、白鷺シリーズの藍の強さを味わってから、それとはまた別種の佐倉の強さも味わってほしいと思います。
 オススメです!

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2018年01月30日

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