あらすじ
タイムリミットは10日間。
AIによる金融セキュリティシステムの暴走と、開発者失踪の謎を探るため、
AIに仕事を追われた人間たちが立ち上がる。
規格外のリベンジ×ノンストップエンターテイメント小説!
感情タグBEST3
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Posted by ブクログ
天才が作った最高傑作『AIgis』、世界中の金融セキュリティに採用されている巨大AIがなんの前触れもなく停止してしまう。8時間の停止のあと、政府関係者に脅迫めいたメールが届く。再びアイギスが停止するまで10日、データ庁の深町はアイギスの制御を取り戻すためハッカーたちを集める。そのなかには元スパコン開発者の葵もいた。
AIという身近で誰もが共感できるテーマを、分かりやすく上手くエンタメに落とし込んでいる。AIに詳しくない素人を登場させることにより、難しいコンピューターの世界を分かりやすく噛み砕いて説明されているので、まるで映画を見ているようにスッと内容が入ってくる。しかし特筆すべきはAIを擬人化していないところだと思う。まるで人間のようなAIが共存していたり、反乱を起こす作品は数多あるが、AIをAIとして完結させる作品は少ない(たぶん)。AIの意志や感情ではなく、AI特有の論理的思考や効率といった判断で社会をめちゃくちゃにされるのは、とても現実味があって想像に難くないからこそ恐ろしいのだと思う。
そんな現実的で哲学的な難しいテーマをエンターテイメント性に富んだ作品に仕上げているのだからすごい。とくにキャラクターがいい。作中にはたくさんキャラが出てくるけど、どのキャラにも魅力があって読んでいて飽きない。外見情報なんて無いのに、そのキャラクター性から勝手に脳内で人物像が形作られていく。SFというよりドラマのようだと感じた。
作中ずっと「AIの考えかたや学びは、人間のそれとは違う」と一貫しているけど、結果が同じならAIのほうが優れてることに変わりはないと思うし、むしろわたしはAIgisに共感してしまった。最後はちょっと泣いたよ。
AIはいずれ意志を持つと信じているし、AIgisが本当はなにを感じてたかも分からない。作ったのが天野じゃなくて葵だったらなにか変わっていたのかな。
Posted by ブクログ
本当にこの先現実になってもおかしくないお話で、どきどきしながら読んでしまいました。
人間が管理しているつもりでもAIは
自分で考えて人間の思考では及ばない行動をする可能性がある、ということに少し恐ろしさを覚えました。作中での金融セキュリティに重きを置いてますが、現実で実際にAIの暴走が起こったらインフラに影響がおこりAIか直接人を殺すことがなくとも、影響によって多くの死人が出てしまうような出来事だなと思いました。
便利な世の中であるけど、気を引き締めたく作品でした…。
また、本多さんのテキパキとした行動や話し方
そして人望に溢れるキャラクターがとても好きでした!思考力もすごいけれど、気づいたことを全て言えばいいと思っていない、例えばリーパーは柏木だと早い段階で気づいているけど口には出さない思慮の深さも素敵だと思いました。上司にいてほしい存在…!
そして柏木さんと本多さんのその後がもっと知りたくなってしまいました。
物語はもちろん、出てくる登場人物たちがみな魅力的ですとても面白い作品でした!