【感想・ネタバレ】あまねく神竜住まう国〈新装版〉のレビュー

あらすじ

伊豆の地にひとり流された源頼朝は、
まだ十代の少年だった。
土地の豪族にうとまれ、
命さえねらわれる日々に、
生きる希望も失いがちな頼朝のもとへ、
ある日、意外な客が訪れる……
かつて、頼朝の命を不思議な方法でつなぎとめた
笛の名手・草十郎と、妻の舞姫・糸世の運命もまた、
この地に引き寄せられていたのだった……。

北条の領主に引き渡され、
川の中州の小屋でともに暮らし始めた
頼朝と草十郎。
だが、土地の若者と争った頼朝は、
縛り上げられて「大蛇の洞窟」に投げ込まれ……?

土地神である神竜と対峙し、
伊豆の地に根を下ろしていく
少年頼朝の姿を、
ファンタジーの名手が描く異色作!

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Posted by ブクログ

ネタバレ

本作は『風神秘抄』の続編? だとか。読んだのは随分前なので、どんな内容だったか自信がありませんが、先に本作を読んだ母曰く、『風神秘抄』を読んでいないとちょっと唐突に感じるところがあったとか。大丈夫かなぁ。

と、不安を抱えつつ読み始めます。

『第一章 流刑の地で』
頼朝が主人公ですね。この辺りは割と史実がはっきりしているので、小説にした時どのくらい創作を入れ込めるものか、難しそうではあります。

綺麗な文章だなぁ、と改めて思います。読みやすいし、難しいことは書いていない。それでも五感が文章を捉えますし、繊細な線で景色を見られる。



『第二章 祭りの夜に』
荻原規子さんの描かれるヒロイン、こうだよなぁ! と蘇ってきました。『西の善き魔女』を思い出す。『風神〜』も読んだんですけどね。シリーズとして長かったので、記憶にしっかり焼き付いているのでしょう。

頼朝と言えば女装のエピソード有名ですもんね。そう言えば馬からも落ちてたな。



『第三章 権現の参詣』
時政は田舎の領主らしい裁量の持ち主として描かれていて、どこか憎めませんね。公平とまでは言いませんが、自分ごとと他人ごとがハッキリ彼の中では別れていて、ちょっと狸。頼朝のことを青二歳のぼんぼんと見くびっているところが、都合よくプラスに働いている。

嘉丙のイメージは半海一晃さんで脳内再生されるようになりました。彼も地に足がついていると言うか、俗物的だからこその救い的存在になっていますね。神話の外にいる。神官と言いながら。現実を生きているので、物語が湿っぽくなり過ぎない。良い塩梅です。



『第四章 神竜と蛇と』
読み始めた時、あとこれだけのページ数で物語終わるのか?! と疑わしく思いましたが、完結しました。
全編通して意外とあっさりした物語だったのですが、結末までには思ったより登場人物に移入していたらしく、ほろりと来てしまいましたね。
そこは恐らく荻原先生の腕、御業でしょう。
スッキリとした読後感。草の香りが吹き抜ける感じです。
『これは王国のかぎ』の時も思ったけれど、別れの爽やかさとちょっとした切なさが気持ちいいんですよね。名残惜しいけれど。幕。

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2026年03月04日

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