あらすじ
事故で妻を亡くした会社員、友人も彼女も才能もない大学生、母の看病で全てを失った女性――コンビニですれ違っただけの3人の男女。人気最下位の競走馬「マジメガイチバン」がレースで一発逆転した夜、彼らの人生をひっくり返す大事件が起こる。懸命に生きているのに報われない人たちの、運命の72時間を描く感動作。
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Posted by ブクログ
川西敦郎は亡くなった妻の麻由への喪失感から自殺を考えていたが、友人の日高と香川やアクシデントで自殺が出来なかった。
友達を欲しがった柿谷達彦は、友人のパーティーで出会った小川知里という女性から言い寄られる。
神田里子はデリヘルの客の森から賭けを持ちかけられる。
この3人にはお互いに繋がりはないのだが、物語は3人の行動がバタフライエフェクトのようにお互いへ影響してゆく。
3人以外の達彦の双子の弟の克彦、競馬場での老夫婦、そして窃盗犯の黒田など、脇役も物語を多層的に興味深くしていた。
人間が前を向いていく小説は好みだ。
Posted by ブクログ
偶然コンビニに居たまったく知り合いでもなんでもない3人の男女これから3人の群像劇が始まるのかと思いきや3人の生活、希望、不運などのストーリー展開をしていきます。物語の中でつながりが出てきたり命の危機や人助けなど想像できないほどの展開にのめりこんでいきました。なんとすごいあっと驚く物語、よみ始めは単純なストーリー展開かと思いきや読み終わって感動すら覚えました。あなたもぜひ読んで涙して下さい。震えて下さい。
Posted by ブクログ
人生って思い通りにはいかないもの…
だけど生きていれば悪くないかもと思わせてくれる何かがある。
コンビニですれ違っただけの男女。
誰も関心を向けないが、彼らはどんな思いでそこで買い物をしているのだろうか…と。
事故で最愛の妻を亡くした会社員の川西。
友人も彼女も才能もない大学生の柿谷。
母の看病で全てを失いデリヘルです働く神田。
死ぬ計画を立てたのに邪魔が入り、じゃあ次の日にと考えているのに結局、人助けをしている川西。
純粋すぎるが故に騙されたことも気づかずに悪い道へと進みかける柿谷。
惰性で流れるように生きている自分に信用できる人などいないと思っている神田。
何故だか偶然が奇跡を生み出して、生きていればいいことあると思わせてくれるドラマ。
誰も自分に関心など無いと思っていても、ちょっとの偶然で明日の行動が変わるっていうのも面白い。
生きることは面倒だけど、きちんと死ぬことの面倒さと比べても、いい勝負だと思えるなら先のことはわからないけど人生楽しんだほうがいい。
Posted by ブクログ
伊坂幸太郎さん風?に感じた
クセを弱めたような、、
いや、ラストに向けての伏線回収はよかった
最初登場人物がフルネームでややわかりにくかったりしたけど
自殺願望、デリヘル、コミュ症、行方不明、ネグレクト、競馬
ちょっと読み返してみよう
Posted by ブクログ
あるコンビニで同時刻を過ごした3人の客が過ごすその後の三日間。
一気読みでした。
それぞれに辛い過去や生きづらさがあって、それは3人の客だけじゃなくて、
多くの人達が実は辛い事や苦しい事を抱えて生きているんだよな、という気付きをくれる作品でした。
辛い時はつい自分だけなんでこんな目に、なんて思うけれど、そうじゃないんですよね。誰だってそれぞれに色々あるわけで。
他者を思いやる余裕ができる、そんなラストが良かったです。
Posted by ブクログ
人生は奇跡の連続なのだということを改めて感じた。
良い時もあれば悪い時もある。
死ぬのも生きるのも同じくらい難しいことだ。
だからこそ、命を与えられているからには、この先どんな辛いことがあっても希望を信じて生き抜きたい。
Posted by ブクログ
人との出会いは、偶然なのか必然なのか。
良い出会いもあれば、最悪の出会いもあり、全く繋がりの無い人と、突然繋がるかもしれない。
人生は、良いこともあり悪いこともある。それは全て人と繋がることで生まれる。これらを全てひっくるめて楽しめる人生にしたいなと、考えてしまう1冊でした。
Posted by ブクログ
生き辛さを抱えている3人の
3日間の物語
それぞれのメインパートに他の2人が
さりげなく登場しているのがおもしろい
3日目には3人とも
人生の次のステージに立っている
そのきっかけは
見知らぬ他人同士として
微妙な距離感でお互いに影響し合った事
自分の生き方に良くも悪くも
影響を与えてくれる無数の名もなき人達
現実でもそうかもしれない
世の中っていろいろ繋がっていて
自分も誰かの人生に関わっている?
なんて大それた幻想を抱いてしまった
Posted by ブクログ
『世間は狭い』という言葉が壮大な物語となっている1冊
今日何気なくすれ違った人が、もしかすると自分の人生に大きな影響を与えるかもしれないと思えた
まさに
作中にある
『とるに足らない偶然。そこから何かが生まれることはない。本当に?』通りである
ままならないことは、ままならないまま描かれ
不気味さや残酷さもあり、けれどどこか救いがあっていい作品
個人的に
柿谷達彦くんには、あ〜。そうじゃない!目を覚ませ、柿谷達彦くん!と母のような視点で読んで楽しかった(笑)
装画イラストもステキ
Posted by ブクログ
2018年に刊行された『あの日、あの時、あの場所から』がとても良かった水沢秋生さんの最新作。
コンビニですれ違っただけの3人の男女の濃密な3日間が描かれる。
事故で最愛の妻を亡くし、死ぬ事だけを考えて生きている会社員。
母の介護の為にデリヘルで働く女性。
双子の弟との格差に葛藤する大学生。
人生を諦め、暗闇で藻掻いている彼等だったが、偶然の連鎖で運命が変わっていく。
何気なく取った行動が、見ず知らずの他人の救いとなり、光が見えて来る展開がいい。
ほんの数分で変わる事柄が人生には溢れている。
小さな奇跡を信じたくなる一冊。
Posted by ブクログ
ただ漫然と繰り返される日常の中で、実は起こっているかもしれない偶然や奇跡を信じてみたいと思わせる物語だった。
どうしようもない事情を抱えていたり、この世界にたった1人というような孤独を感じている人にも、もしかしたら、こんな偶然が起きるかもしれない。
私がこの本と出会ったように。
Posted by ブクログ
コンビニですれちがった3人
3人とも生きることに絶望しているが、紆余曲折を経て生きていこうとする物語
本当の人生はこんなにするすると行くわけではない
と思いながら読んだ
生きることに絶望し、最悪の事態におちいる人も多いのが事実
でもそんな時にこの本を手にとったら、生きる希望につながればいいなと思う
歩けること、食べれること、それだけでも本当は十分に幸せなのだから
Posted by ブクログ
この手の最後にピタリと伏線回収されるタイプの群像劇ってジャンル名あるのかな。
まぁそういうものを目指して書かれた作品だが、話の運びはけっこう力技で文章技術も高くはない。
しかし癖のない文章のおかげでさっと流し読みできる。
真剣に読むというよりは隙間時間に読むのに適した本。
Posted by ブクログ
袖振り合うも多生の縁を彷彿させる、コンビニ居合わせた人の数奇なる運命が交差するようでしないような話。
偶然ではなく、何かを感じさせるラストだけど、事実は小説よりも奇なりで、現実でもびっくりするようなことが起こる。
その度に、この世はあるべくしてあるような形に彩られるているのかもしれないと思ったり。
Posted by ブクログ
例えばコンビニに毎朝現れる3人の客。彼らに起こる人生のすれ違いや多少の縁、自殺志望のサラリーマン、自分に自信のない双子の兄、ただ生きてるだけのデリヘル嬢の人生がより良き方へと変わる奇跡が都合良すぎとは思いつつほっとしました。
Posted by ブクログ
コンビニですれ違った何人かの人生。
それぞれにいろんな生活があり。
自殺しようとしている人、デリヘルで生き抜いてる人、強盗に巻き込まれた双子…
などなど。
ほんの少しだけ救われて終わった一冊でした。
…ちょっと重たかったかな…
Posted by ブクログ
たまたまコンビニですれ違った3人。
その後3人それぞれの人生が近づいたり遠ざかったりしながら、物語は思わぬ方向に向かっていく…。
全く異なる人生を歩む3人がバタフライエフェクトのように影響しあいながら、どのような結末を迎えるのか気になりながら読み進めた。
理不尽な現実に押しつぶされそうな3人の人生が小さなきっかけの積み重ねで変わっていくのが面白かった。
☆2.8