あらすじ
「被疑者の言うことを唯一信じてあげるのが弁護人でしょう」
犯罪被害者家族でありながら、
刑事弁護に使命感を抱く持月凛子。
マンションの一室でホストの撲殺死体が見つかった。
被疑者の垂水涼香は、現職の警察官。
被害者・加納怜治の勤めるホストクラブの客だった。
持月凛子は同僚の西大輔とともに、涼香の弁護人となる。
加納の暴行に抵抗して殴打したという涼香の供述に綻びが目立ちはじめ、
凛子と西は二人の過去の因縁に注目する。
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Posted by ブクログ
202503/上下巻まとめて。なかなかの長編だけど気になって一気読み、これまた流石薬丸岳な作品。面白かった。主人公凛子がヒロインとして完成形ではなく成長途中なとこも良いし、弁護士・西が元刑事という経歴が効いてるキャラなのも良い。展開的には都合良いところもあり、納得しがたいとこ(特に、いくらなんでも、涼香が加納の母親を慮って真実を語らなかったってのは…)もあり。なので、薬丸ミステリにしては若干物足りなさはあるけど、謎解きというよりは、弁護を通して描かれるところを味わう作品。「刑事弁護人」、まさしくなタイトル。『被疑者にとって、彼らの話を聞くことができるのは弁護人しかいない』『被疑者にとって誰も味方はいない』と文中にも出てきたけど、実際の事件でも、自分は何故こんなひどい犯罪おかした人を弁護するんだろうと思ってしまうんだよな…。