あらすじ
野菜、卵、ミルク、肉、魚、穀物……。
わたしたちの食卓は様々な食材に支えられています。
しかし、他の国々では、それらの食材がどんな料理になり、どのように食卓に並び、人々の暮らしの風景を作り出しているのか、案外知られていないものです。
本書では、世界の台所探検家として世界各地の数多くの家庭を訪れてきた著者が、食材と人との関わりという身近な視点から、その土地のくらしをつぶさに伝えます。
台所にある身近な食べものが、世界の未知なるくらしを知るきっかけとなるような一冊です。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
世界各地の台所を訪れ一緒に料理する"台所探検家"の筆者が見てきた、世界の料理の数々。
現場に入った人の話の説得力はすごい。そして全ての食文化にきちんと敬意をもって食べ、この本を書いているのが伝わるからこそ面白いのだと思う。
並大抵ではない「食」に対する意欲がなくてはできないことだ。
とてもおもしろく読ませてもらったが、できれば料理の写真、イラストがあったらなぁと感じるところもあった。
Posted by ブクログ
おもしろかったー。
世界には同じ野菜でも日本のものとは形も大きさも色も違う、調理法も異なる未知の料理がいっぱい!
世界を旅しているような気持ちで、毎日楽しみに少しずつ読み進めていました。
モンゴルの乳製品の種類の豊富さに驚いたし、次々と作り出される乳製品にワクワク。
いろいろな国で食べられているクレープやロールキャベツのような料理はどれも美味しそうでした。
あれも食べたい、これも食べてみたいと、ネットで画像検索をしながらの読書で、お腹が空く。
本作をきっかけに初めて「世界の台所探検家」という職業を知りました。
著者は各家庭でご馳走になっているので、買い物から調理の様子から、その土地の人の暮らしぶりが見えるのも興味深くて楽しかった。
著者の他の作品も読んでみたい。
『何を美味しく感じるかは、慣れによるものが非常に大きい。築き上げた常識を超えた先には、意外なおいしさが待っているかもしれない。』
Posted by ブクログ
世界各地の家庭を訪れ滞在し、共に料理をする中で、
その地の食材や多彩な食卓と暮らしが見えてくる。
30の国と地域での台所探検での、旅と食のエッセイ。
・はじめに ・この本で紹介する国と地域
1 多彩な野菜たちと出会う台所
じゃがいも、トマト、なす、かぼちゃ、にんじん、唐辛子
2 変幻自在な卵とミルク
卵、牛乳、ヨーグルト、チーズ
3 肉と魚の命をいただく
牛肉、豚肉、鶏肉、ソーセージ、魚
4 穀物が支える毎日の食卓
米、小麦(パン) 小麦(麺)、とうもろこし、豆
5 笑顔が咲くおやつタイム
・おわりに COLUMN(1)~(4)
その地の家庭での普段の料理、ハレの食事や屋台の味。
その食には、その地域の自然環境や歴史、伝統が現れる。
穀物や木が育ちにくい、塩が得にくい環境での保存食の工夫。
トマトやナスなど、野菜だって主役になる。
ウズベキスタンの卵料理・トゥシバラクの衝撃。
日本、フィンランド、ペルーでの普通の牛乳の違い。
店に一緒に並ぶ鶏肉と魚。赤肉から白肉へ?
驚きのフィジーのゆでパン。
ベトナム屋台のパフェのチェーは創造性がすごい。
インドとタイの納豆の話は高野秀行氏の体験と連動。
写真がほんの少しなのが残念ですが、
文章だけでも料理が分かり、楽しく読めました。
そして、著者の行動力にも驚かされてしまいます。