【感想・ネタバレ】武装錬金 10のレビュー

あらすじ

斗貴子は、皆を守るために命をかけたカズキに代わり、蝶野と決着をつけようとするが…。完全描きおろし『武装錬金アフター』と、特別読切『エンバーミング-DEAD BODY and BRIDE-』も収録した感動の最終巻!!

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Posted by ブクログ

ネタバレ

近年のジャンプ作品の中では、圧倒的に一押し。
ドラマチックだったと思います。物語自体もさることながら、一連の経過そのものが。

「るろうに剣心」で一世を風靡したものの、次作「GUN BLAZE WEST」がまさかの打ち切りになった和月伸宏氏の、仕切り直しの1作。正直、「GUN-」もあとちょっと続けていれば化けたと思うんですけどね。コリス、可愛かったなー…

それはともかく、舞台は広大なアメリカから銀成市という一つの町へ、シナリオの雰囲気はぐっとダークに。「GUN-」の反省を活かして地味に始まった感があります。正直最初は、短期集中連載かと思ってました。17話で話がまとまって、めでたしめでたしと思っていたら悪役が即復活してびっくり仰天。

だけどここからが面白かった。パピヨンとブラボーという特濃キャラ2名を繰り出し、まるでギャグ漫画かと思わせるほどの暴走が始まります。勿論、バトル描写も秀逸の一言。最も印象に残っているのは第72話。あの展開にはまさに息を呑みました。

ブログ等々での評判も良く、人気作品だった…はずなのですがジャンプでの掲載は常に巻末の方でした。勿論週刊少年ジャンプは子供たちの読み物であって、話が込み入っている上に表現がグロい本作が受け入れ難かった事は想像できるのですが、これだけの作品が正当な評価を受けない事に憤りさえ覚えていました。毎週毎週掲載位置が気になって、後ろにジャガーさんしかいなかった週はそりゃ焦ったものです。

結局は79話で無念の打ち切り。だけどこの最終話が素晴らしく、こんな実力派を捨ててしまうなら、いっそ和月氏の方から集英社と手を切った方が良いとさえ感じました。

この時点で読切「武装錬金ファイナル」が描かれる事は発表されていたのですが、出来上がった作品はなんと上下2編。「ファイナル」で終わらず続々編「ピリオド」でようやく大団円を迎えました。「ピリオド」まで出来たのは、打ち切りに対するファンの強烈な抗議があってこそだったと、僕は解釈しています。

さらにこの後「打ち切り漫画のアニメ化」という前代未聞の事態へと発展するわけですが、いずれにしても、色んな意味でハラハラドキドキさせられた作品でした。
当時は「これ少年誌ではキツイなぁ」と思っていたのですが、読み返してみると確かに少年漫画ですね、コレ。一つ一つの展開が、キャラが、本当に熱いです。

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2016年10月30日

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