【感想・ネタバレ】ミナミの春のレビュー

あらすじ

愛する娘を傷つけたくない。著者渾身の人情譚

痛みも後悔も乗り越えて、いつかみんなできっと笑える。
『銀花の蔵』で直木賞候補、
いま注目の作家が放つ“傑作家族小説”!

売れない芸人を続ける娘、夫の隠し子疑惑が発覚した妻、父と血のつながらない高校生……
大阪・ミナミを舞台に、人の「あたたかさ」を照らす群像劇。

◎松虫通のファミリア
「ピアニストになってほしい」亡妻の願いをかなえるために英才教育を施した娘のハルミは、漫才師になると言って出ていった。1995年、阪神淡路大震災で娘を亡くした吾郎は、5歳になる孫の存在を「元相方」から知らされる。

◎ミナミの春、万国の春
元相方のハルミが憧れた漫才師はただ一組、「カサブランカ」。ハルミ亡き後も追い続けたが、後ろ姿は遠く、ヒデヨシは漫才師を辞めた。2025年、万博の春に結婚を決めたハルミの娘のため、ヒデヨシは「カサブランカ」に会いに行く。

(他、計6篇)

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Posted by ブクログ

ネタバレ

2025/03/28予約 21
盛りだくさんのエピソードが少しずつまとまっていく。大阪に詳しくないが地元ならもっとリアルに楽しめたのかも。
1970年の万博から2025年の万博まで、大阪近辺の事件に合わせて売れっ子漫才コンビのカサブランカ、売れないコンビのはんだごて、に関わる人々。みんなどこかに親との関係を引きずっている。クセのある登場人物の中で一番共感できたのは、翼の養父である福永充。たくさんのプレッシャーの中、気を抜ける瞬間や場所はあるのかな。
遠田潤子作品にしてはスピーディーに読み進めることができた。
大阪に土地勘のある人に読んでほしいと思った。

0
2025年05月19日

Posted by ブクログ

ネタバレ

遠田潤子作品 2冊目を手に取りました。

前回読んだ『人でなしの櫻』は ちょっとゾクゾクするような人の狂気が溢れて それでも一気読みの本だった。

今回は舞台は大阪
伝説の漫才姉妹の「カサブランカ」の姉 チョーコを中心に
関りある登場人物たちが それぞれの人生の挫折や・孤独を味わいながら それでも前に進んでいく 
連作短編小説

この作品の面白いところは 1作品ごとに
人生に寄り添うような禅の言葉が出てくるところ
・閑古錐(かんこすい)
・惺惺着(せいせいじゃく)
・一笑すれば千山青し
・花開く万国の春  などなど

でも この話の中で ぐゎんと心に波を起こしたのは
「親は愛情で子どもを壊せる。自分を助けられるのは自分だけ」という チョーコの言葉

意味を感じたい方は ぜひ 小説の中で出会ってください。おすすめです。

0
2025年08月09日

Posted by ブクログ

ネタバレ

 大阪観光で歩いた橋やお店などが多く登場し、久しぶりに行ってみたくなった。
『アモーレ相合橋』『ミナミの春、万国の春』の2作が良かった。 「アモーレ相合橋」や「千羽鶴鶴に乗って」は実在しない曲のようだが、もしあるとしたら聴く人の心に響くいい曲なんだろうなとイメージする。
 
 ➖印象に残ったところ➖
 運命。自分にも他人にも、いついかなる時にも使えるこの世で1番陳腐でタチの悪い言葉だ。
 罰が当たったから、これが自分の運命だと言う。罰を当てたのは神様。つまり自分は悪くないとでも言うのか。

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2025年06月28日

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