【感想・ネタバレ】追跡 公安捜査のレビュー

あらすじ

なぜストーリーありきの捜査は止まらなかったのか?
警察庁長官狙撃事件、大川原化工機事件にみる警察組織の‟失敗の本質"

不正輸出の濡れ衣で社長ら3人が逮捕されるも、初公判直前に起訴取り消し、その後の国賠訴訟では捜査員からの「捏造」発言も飛び出した大川原化工機事件、真犯人が名乗り出て、それを裏付ける客観証拠があったにもかかわらず、立件せず公訴時効を迎えた警察庁長官狙撃事件――。
警察庁公安部が捜査した、これら二つの事件に共通するのは、功(逮捕)を焦り、一度決めた方針を改めず、そのまま「失敗」の道へ突き進んだ点にある。本書では、期せずして公安が関わった二つの事件を追いかけることになった記者がその取材の一部始終を公開。そこで見えてきた権力の"失敗の本質"とはいったい何だったのか。

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Posted by ブクログ

大川原化工機の事件は、逮捕されその後起訴が取り下げられたことは認識していたが、その程度だった。その後あまりに不誠実な実態をNHKの番組を見て知り愕然としたし、この著者の記事も新聞で読んで注目していた。最近村木厚子さんが、刑事司法制度の闇を記した著作を出したこともあり、この本を読んでみた。結果、國松長官の件も含め、警察、検察への不信や憤りしか湧いてこない。そういう組織に居続けて、正気を保つことはかなり難しいだろうと思う。だからといって、正気の人が耐えられずに組織を辞めてしまうと、それはそれで組織のヤバさの濃度が上がる訳で。組織の自浄作用なんて、私の知る限りそうそう働かない。
真実と正義を尊重しない権力者があまりにも多すぎる昨今、時間とお金をかけることができる正気の記者に、ぜひこれからも調査報道をお願いしたい。

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2026年06月03日

Posted by ブクログ

司法の原則も組織の指名も忘れ、実直に仕事をすることもできない人間が跋扈していると思うと、強い怒りを感じる。

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2026年05月13日

Posted by ブクログ

こうやって普通に生きているだけでは全く知り得ない情報を表に出してくださったことに感謝です。
組織ぐるみのイジメに怒りが湧きました。
しかも自分の昇進のためって、、
上司も揉み消そうとするのは過去同じ経験をしてのし上がったからなのかな?とか邪推をしておりました。
公安の倫理観はどうなっているのでしょう、、

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2026年02月15日

Posted by ブクログ

国家権力の犯罪=大川原化工機事件の取材を通じて公安・検察・裁判所の共犯関係を暴く。
何よりも無実(というかでっち上げ)の罪で逮捕され長期間勾留され、体調悪化で癌が発見されたにもかかわらず、保釈請求が認められず十分な治療を受けることがかなわず逝去された顧問の相嶋さんと家族の無念さは想像を絶する。
公安の自分たちのでっち上げストーリーを十分に検証することもなく、立件に不都合な証拠や事実は隠滅し自らの組織と出世欲と保身にまみれた輩に権力を保持させることの恐怖と権力を抑制させるための有効な機関が不可欠と感じる。
本来その役割をするべき検察も事件を立件する実績重視から人権を軽視した捜査手法がまかり通ることを許す結果となり、更に人権の砦たるべき裁判所が保釈請求の際に通り一遍なお役所仕事でなく個々の事件の具体的な実情に踏み込んだ判断(人の生命身体に関わる)が強く求められる。
そうでなければいつまでたっても司法の真の独立=国民の信頼を勝ち取ることはできないだろう。
本書出版後国家賠償訴訟の控訴審で今年6月の原告側=大川原化工機側が勝利し、国と東京都が敗訴=1億6600万の賠償を命じる高裁判決が出され確定した。
出来れば勝訴までの事実を捕捉する増補版の出版が期待される。

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2025年09月21日

Posted by ブクログ

警視庁長官狙撃事件と大河原化工機事件。警視庁公安部が犯した大きな過ちを取材したもの。
警視庁長官狙撃事件において、公安部は一貫してオウム真理教」の犯行と断定して捜査を進め、時効を迎えたが、筆者は「真犯人の支援者」と接触し、また、別の見立てをしていた刑事部が結成した特命捜査班も取材、真犯人にたどり着いている。
大河原化工機事件においては、国家賠償請求訴訟における現職警察官の「捏造」という証言を契機に取材を進め、公安部内部での力学も含め、冤罪事件の全容を描いている。
筆者の取材による記事が裁判の証拠にも使われるほどの綿密な取材であり、ジャーナリズムにはこういった地道で社会的な意義のある調査報道を期待する。

【目次】
序章  法廷で飛び出した爆弾発言  
第1章 未解決事件の真相を追う 
第2章 公安と特命捜査班 
第3章 なぜ事件はつくられたのか 
第4章 公安に狙い撃ちされた企業と人 
第5章 次々浮上する捜査の問題点 
第6章 正義のありか 
付録 

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2025年08月13日

Posted by ブクログ

警視庁公安部の正義とかけ離れた捜査は、人の命まで軽視する事態に波及する。権力組織に蔓延する責任所在の不明瞭が暴力性に拍車をかけていく。これを看過する事なくメディアは権力の監視を怠ることを切に願う。そうでなければ公正であるべき司法制度まで瓦解する。私たちの生活は思わぬところから不条理に陥るかもしれない。それが信頼すべき組織内の出世欲だとすればあまりにやりきれない。謝罪では済まない冤罪の非人道性、そして腐敗する組織の本質を問いただす筆致に感嘆する。

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2025年06月30日

Posted by ブクログ

警察組織内の役職名や序列の知識がないため読みにくいところはあったが、著者の熱い正義感と情熱は読み応えがあった。特に大川原化工機の相嶋氏の最後に関わる章は涙なしには読めなかった。同調圧力の強い日本においては、兵庫県、鹿児島県警、関西財務局の例のように、内部通報は命がけで行うことになってしまっている。このような嘆かわしい現状を、深く実感させられる本だった。

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2025年06月15日

購入済み

今読むべき

新聞で気になってた大川原加工機事件。なぜ冤罪が生まれ、刑事手続が進んでしまうのか。腐敗した組織の様を知ることができた

#タメになる

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2025年03月22日

Posted by ブクログ

警視庁長官狙撃事件と大河原化工機事件を取材した記者の手記。
前者の時効成立時に、警視庁が「犯人はオウム真理教」とする超異例の文書を公開したため、違和感を持ちながらダウンロードした記憶がある。当時は立件は出来なかったが、やはりオウムなんだろうなぁ、と思ってしまったし、ほとんどの人はそう感じたのでは。だって、警察がそう公式に発表したんだから。
しかし、筆者は真犯人と共犯者にたどり着いていた、と書かれており、読む限り信憑性は高そうだ。
大河原化工機事件は、今も訴訟が続いており、公安の暴走に歯止めをかける組織改革の報道も見た気がするが、これを読むとまだ本質的にはその隠蔽体質やモノが言えない組織であることは変わってはいないようだ。
公安警察の闇を暴くという側面の他に、調査報道の現場で記者がやっている事が分かる本、という側面もあった。記者がここまでやるのか、という驚きも大きい。
新聞がオールドメディアという位置付けは完全に定着しているが、昔ながらの記者魂は今も健在なんだ、と思わせた。

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2026年05月11日

Posted by ブクログ

事件の筋書きを自分たちで造り、見立てに沿わない証拠は捨て、見立てに沿う証拠だけを集める。時には供述を捏造することも厭わない。
身内の警察官に「捏造」「個人の欲」と言わしめる闇深い組織=警視庁公安部が、人の人生を狂わすことのできる強大な権力を持つことに恐ろしさを感じる。
公安部の言いなりとなり自らの職権を果たそうともしない検事や裁判官の罪も重い。

警察庁長官銃撃事件では、とっくに真犯人が割り出されているにも関わらず、自分たちの見立てを守るために刑事部捜査を邪魔してまで時効を迎えさせる。さらには、自分たちの捜査力不足を棚に上げて、オウムが犯人だと決めつける会見まで行い法治国家の根幹を根底から揺るがす。
大川原加工機事件では、人の人生を狂わすことを歯牙にもかけず、証拠を隠し供述を捏造し、無理やり逮捕までもっていく。全ては経済事件を挙げたという個人の欲のために。
そしてそのことを組織を上げて積極的に追認する。この組織の罪は果てしなく重い。

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2026年03月14日

Posted by ブクログ

信憑性の高い自供があるのに未解決で片づけた長官の狙撃事件。その病理は糺されることなく、大川原化工機事件の暴走へと続いた。当局でさえ欠陥ありと認める規制への違反。無理筋の立件も公判を維持できず。捜査員をして”捏造”とまで言わしめる。その迷走ぶりは、警視庁公安部という一組織に留まらず、日本の官僚システム全体の構造的欠陥を示唆する。…民への奉仕よりも自らの立身出世。無理を通してでも目立たねばならぬ宿命。どんな過ちでも認めてはいけない無謬性。…犠牲になった一つの命。その重さを感じることから始めねばならない。

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2025年06月29日

Posted by ブクログ

この本がどうこうということはないが、書かれていることが既知の内容なので、個人的に読む必要はなかった感じ。「警察庁長官狙撃事件」「大河原化工機事件」に知見がない方は読むと面白いはず。

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2026年05月29日

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