【感想・ネタバレ】「恥をかくのが怖い」から解放される本:自己肯定感を高めて、自分らしく生きるレッスンのレビュー

あらすじ

「イルセ・サンは、真の自己肯定は、自分の恥と向き合い、
あなたを肯定してくれる人に恥を開示することで得られると教えている」
―長沼睦雄(精神科医・十勝むつみのクリニック院長)
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「仕事でミスすると、他の人たちから見下されないかと怖くなる」
「何と言えばよいかわからなくて黙りこんでしまった時、他の人にどう思われるか不安になる」
「手が震えたら、何とかして必死で隠そうとする」
こんな経験はありませんか? 元牧師で心理セラピストの著者は、恥を打ち明ける人たちの話を聞き、その痛みや、その孤独の激しさと悲痛さに驚かされてきました。ですが、恥を共有した瞬間、彼らに驚くような変化が起きました。深く呼吸ができるようになり、引きつっていた表情が柔らかくなり、体に入っていた力が抜けたのです。
この本では、「恥」がどのように生まれるのか、「恥」を必要以上に感じてしまう人がいるのはなぜか、自分の問題の背景に「恥」があるのかを知るにはどうしたらよいのか、そして「恥」に働きかけ、より自由な心を手に入れるにはどうすればいいのかを、わかりやすい言葉で説明します。
各章の終わりには、恥について理解を深め、場合によっては、恥から自由になる助けとなるようなエクササイズを提案しています。
さらに巻末には、あなたがどれぐらい恥の感情という重荷を背負っているのか測ることができる自己診断テストが用意されています。
この本が、あなたが恥と向き合い、翼を広げ、花開き、自分らしくいる勇気を得る助けとなるよう願っています。

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Posted by ブクログ

恥に潜む恐怖が強烈なのは、脳の仕組みのせい。原始、群れからつまはじきにされるのは死を意味した。そのため、恥の反応に際しては、命を脅かされる恐怖を感じることがある。このことは、著者以外にも多くの人が言っていて、私も非常に説得力のある仮説の一つだと思っている。殺されるわけではないのに、ドキドキが止まらない。恐怖感や嫌悪感が静まらない。これらは全て脳による自動的に発動する現象であり、これをコントロールできないことが、多くの人の悩みだと思う。

この危険センサーは、群れからはぶかれても死にはしない現代においても、作動する。この誤作動は、自発性や行動力、我々の「勇気」に悪影響を与えている。でも、仕方ないだろう。日本だってつい最近まで‟村八分”があった。いや、今だって学校や職場で無視されて、それが理由で自殺したり、心が死んでしまう現象がある。群れからはぶかれて死なない現代においても恥の感情は、過剰なセンサーでは決してない。SNSでうっかり失敗すると、誹謗中傷で死に追い込まれる。群れからの逸脱行為は危険であり、それを恥として認識する事も重要で、この事は令和でも続いている。

で、本書のポイントは、恥への耐性の付け方だ。

自分のことをよく知れば知るほど、恥を引き起こす状況への耐性がつく。らしい。自分の動画を撮ったり、他人から評価を受けたり、自分の内面に愛情深く注意を向けることで、自分をより深く知ることができる。より多くの恥に向き合えば向き合うほど、あなたの自尊心と新たな端への抵抗力が高まる。生じていることを示し、それに向き合うたび、より多くの心の自由を得る。恐怖が減り、社交の場で以前ほど緊張しなくなるだろう。他の人が問題を克服するのを目撃するだけで、時に苦手や恐怖や恥から解放されるかもしれない。グループセラピーには意味がある。

そう、場数を踏め。自らをよく見ろ。そして、他人からも学べ、と。結論は月並みだった。それでも、こういう本を読みながら考える事に意味があるのだと思う。

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2024年07月12日

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