【感想・ネタバレ】戦火のバタフライのレビュー

あらすじ

君に、このバトンを託す。蝶の羽ばたきを受け、彼らは立ち上がる。

太平洋戦争末期。前線も本土も戦場だった。数え切れない命が散った。
南方戦線でただ一人生き残った尾崎、東京大空襲で家族を失ったさくら。前線でさくらの兄に命を救われ、厚生省職員となった尾崎は、大物政治家の助力を得て民間戦争被害者への国家補償の実現を目指す。
そんな尾崎の身辺に次々と不審な出来事が起き、署名運動を始めたさくらも思わぬ妨害に遭う。
何者かの思惑。官僚組織の論理。見え隠れする特務機関の影。立ちはだかる時間の壁。
時を経て、世代を超えて、それでも彼らは命がけで思いをつないでいく。

信じ続けること。伝え続けること
終戦から80年。深い祈りを込めた、著者の新たな代表作!

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Posted by ブクログ

ネタバレ

僕ら戦災を受けなかった地方に生まれ育った者にとって、空襲被害者の生の声を身近で聞く機会がないので、銃後(この本で初めて知った言葉)の戦争被害者への理解と関心が極めて低かったことに恥いるばかり。国家補償を得るために立ち上がり、跳ね除けられ続けた実録をもとに、大いに考えさせられる小説だった。ほんと今さらだけど、戦時下で非業の死を遂げたのは兵隊さんばかりじゃないんだ。いいも悪いもなく懸命に当時を生き、多くを失い傷つきつつ生き残った人たち。その声に向き合わずにきてしまったけれど、こうして活字に残してもらえて感謝。

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2025年06月06日

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