あらすじ
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「山小屋料理人」の仕事は、限られた食材をやりくりしながら、宿泊者と従業員のおなかと心を満たすこと。
日々の調理はもちろんのこと、ヘリコプターで運ばれてくる食材の管理を試行錯誤したり、隙あらば食材を狙う小動物との攻防戦を繰り広げたり――。そんな山小屋の厨房ならではの苦労や悩みを、従業員らと力を合わせて、工夫とユーモアで乗り越える。
食材やメニューを切り口にして、山小屋料理人が抱える苦悩と喜びをユーモラスな文と親しみのわくイラストで綴ります。食材に紐づくレシピも満載!
*本書は『山と溪谷』2023年1月号から24年12月号まで掲載した大人気連載に、書き下ろしの文とイラストを加えたものです
《CONTENTS》
はじめに 薬師沢小屋厨房事情
米…ライスシャワーの贈り物
キャベツ…山小屋厨房登竜門
豚肉…メインディッシュを召し上がれ
豆腐…軟らかき白の女王
〈厨房エッセイ〉山小屋食料難
ひじき…黒の海人、ひじき
トマト…命短し、食せよトマト
卵…卵は生きている
ニンジン…薬師沢小屋、若返りの水
リンゴ…リンゴとおもてなしの心
〈厨房エッセイ〉生ごみ処理事情
ゴボウ…ゴボウ、日々是好日
ヨーグルト…ヨーグルト事件簿
小麦粉…小麦粉で語る故郷の味
鶏肉…鶏肉と山小屋と赤塚君
玉ネギ…生で辛く、炒めて甘く、傷んで臭い
〈厨房エッセイ〉思い出の山小屋おやつ
タケノコ…春の味覚をいただきます
弁当…山小屋弁当いまむかし
納豆…世界最強、納豆菌の力
そうめん…幻の薬師沢そうめん
アイスクリーム…山の上のアイスクリーム
〈厨房エッセイ〉山小屋料理人卒業
スパイス…山小屋生活は人生のスパイス
パン…幸せはいい匂い
カボチャ…種まで愛して
チーズ…山小屋にとろける幸せ
おわりに
《著者プロフィル》
1974年、愛知県生まれ。山と旅のイラストレーター。高校生で初めて北アルプスに登り、山に魅了される。武蔵野美術大学造形学部油絵学科卒業。在学時はワンダーフォーゲル部に所属。卒業後はイラストレーターと美術造形の仕事をしながら、2003年より黒部源流の薬師沢小屋のほか、富山県の山小屋で働き始める。このころから絵を描きながらの海外一人旅もスタート。20年に長年通い続けた富山県へ移住。21年から薬師沢小屋の支配人を務める。夏は薬師沢小屋で働き、冬は下界で絵を描いたり文章を書いたりする仕事をしている。著書に『黒部源流山小屋暮らし』『蝸牛登山画帖』(ともに山と溪谷社)がある。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
黒部源流の薬師沢小屋で料理人から現在ひ支配人を努めるイラストレーター。
「黒部源流山小屋暮らし」に続く作品。雑誌「山と溪谷」に連載された人気コラムから。
食材が限られる中からどうにか食べたいメニューを再現したり、食材の保存方法に苦慮したり。
魅力的なイラストと共に、ちょっと違った角度から山の魅力を伝える良作。
Posted by ブクログ
いっぱい笑った!
山に行きたくなる!
キャンプしたくなる!
山ごはん作りたいし食べたい♡
私も学生時代とかに、こんな山小屋でバイトしてみたかったなぁ。
この、あるものでなんとかしようとする試行錯誤する過程も楽しいし、失敗しても笑い合える仲間がいるのも良い♡
Posted by ブクログ
登山にハマり、来年は山小屋泊をしたいなあと思っていたところ本書を見つけ購入。
山小屋という、物資の限られた場所でどうやりくりしていくか、凝らされた工夫の数々がリアルながら優しいタッチのイラストと共に紹介されていて、あっという間に読んじゃいました!
そして山小屋への感謝と尊敬の念がさらにさらに芽生えました…。
印象的だったのは薬師沢の幻そうめん。需要がある商材だったけれど運用面が課題で上手くいかず…。というエピソード。
10年越しに他メンバーからあがったそうめん案。以前の失敗を考えたら却下しそうですがあえて否定せずもう一度やってみよう。と、けいこさんの懐の深さに感心してしまいました。
長年山小屋にいたら「勝手知ったる自分」が出てきてしまいそうだけど、けいこさんは違う。
なんというか、仕事としての山小屋生活、ではなくて山小屋生活の中に仕事がある、というか…皆の意見を尊重して楽しく、色々トライしてみよう!という、その豊かな心持ちが絵柄やエピソードにも表れているな…と感じました。
日常生活でも、食材の命をいただく、という大事な気持ちを忘れずに、感謝して無駄なく頂いていきたい…とひしひし感じる本でした。
そして、山小屋って短期のアルバイト募集が多いんですね…!もう少し山に慣れたら、仕事の合間に働きたい!!って思っちゃいました!!
個人的に作りたいなと思ったのは、里芋のアイスクリーム、グリーンカレー、手作りスパイス塩!
Posted by ブクログ
山深い黒部源流の山小屋で働く著者による、
山小屋の食事情をイラストと共に綴った、エッセイ集。
・はじめに 薬師沢小屋厨房事情
・黒部源流概念図
食材、料理、調味料を主題にしたエッセイ23編
厨房エッセイ4編
・おわりに
山深い黒部源流の薬師沢小屋で働く著者による
エッセイは、下界とは異なる厨房での食材と料理の話。
ヘリ搬入の悲喜こもごもに、限られた食材。
小動物との攻防、下界とは違う食材管理。
宿泊者と従業員の命綱にもなる料理を工夫する喜怒哀楽。
更に、彼らとの人間関係も楽しく語っている。
冷凍庫あれども冷蔵機無しは思った以上に大変です。
でも、食材の保存や料理の工夫には、下界の私にも
役立つヒント多数。読み易い文章と書き文字、イラストで
大いに参考になりました。
そして食材の命を生かす仕事という心意気にも、感動!
そういえば前回レビューを書いた「黒部源流山小屋暮らし」。
著者名が“やまもとけいこ”になってるけど、ミス?
Posted by ブクログ
面白かったです。
前作を読んた際に面白かったのでこちらも購入しましたが買って良かったです。
普段なかなか知ることのできない山小屋での生活を知ることができるので、登山する人にはぜひ読んでほしいです!
Posted by ブクログ
やまとさんの3冊目。
これまでの2冊とは違い『料理』に特化。
とはいえ、そこは山小屋。
下界とは違う『料理』の世界。
下界の料理を山小屋でやるには、一工夫も二工夫も必要なわけですが、そこにやまとさんのエッスンス。
山小屋→下界はできそうかな?
Posted by ブクログ
こういう制限のある中での料理というのは面白い。南極料理人とかね。冷蔵庫なし、頻繁な買い出しは不可能なこちらの山小屋、その中でもお客さんにいいものを提供しようと知恵を絞り工夫している姿が参考になる。
Posted by ブクログ
苦労の絶えない山小屋料理人。ほのぼのとしたイラストと、失敗にもめげず笑顔でアグレッシブな著者に引き込まれる。山小屋の食事の進化は目を見張るばかり。インスタントラーメン一筋の身からすると、「そこまで」とも思うが、みんなの「おいしい」を作って笑顔を見たいと奮闘している薬師沢小屋訪ねて、ヤマネにも会いたくなった。
Posted by ブクログ
黒部源流の薬師沢小屋で働く著者の可愛いイラスト入りの料理や食材確保、保存にまつわる動物との攻防などが色々と綴られた書籍。自分では経験できないことや、尻込みしそうなことを楽しくされているようで面白かった。
Posted by ブクログ
黒部山系にある薬師沢小屋で現在は支配人をつとめる著者。山小屋に入り始めた頃は、長らく料理を担当していた。そんな山小屋料理人からの山小屋ならではの苦労と工夫。カラーイラストとともに楽しんだ。
Posted by ブクログ
私も若い頃、山小屋でバイトした。しかし、高山植物の監視員。だから、調理には、全く関わらず。毎日山に登った。昼食メニューは、巨大おむすび。どんぶり2杯のご飯の中に色々なおかずが入っていた。最初食べきれなかったが、毎日山に登るうちに平らげられるように。今思うと毎日の美味しい料理を作って頂き、山小屋の管理をされていた方に感謝の気持ちが足りなかったかも。誰よりも早く山に登り、誰も居ない高山植物の宝庫の場所で、ハイカーや観光客を待つ。ある時間帯は、混雑の極みと化す。が、再び静寂に包まれる。大自然独り占め!