【感想・ネタバレ】NHK「100分de名著」ブックス 宮沢賢治 銀河鉄道の夜のレビュー

あらすじ

色褪せることのない宮沢賢治の作品世界の中でも、とりわけ私たちを魅了し続ける『銀河鉄道の夜』。「永遠の未完」と言われる本作は、生者も死者も等価に描きだし、独自の自然観と未来観を表現した。東北が生んだ稀代の夢想作家が、その生涯を賭して伝えたかったことを辿る。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

おすすめ度:85点

作者は40年以上もかけて、何度も英訳を繰り返してきた。「宮沢賢治は19世紀に生まれた、21世紀の人だった」という。賢治の作品には、21世紀に生きる世界中のすべての人に向けてのメッセージが隠されていて、国籍や人種、時間をも超越した普遍的はメッセージがそこにはある。
『銀河鉄道の夜』は悲しい「死」を描きながらも、「いかに生きるべきか」という「生」を語る物語でもあるといえる。
さらに、『銀河鉄道の夜』には、死を受け入れる方法だけでなく、大切な人を失った悲しみをどう乗り越えればいいのかについてもちゃんと書かれている。
みんながお互いに相手を思いやれば、どんな大きな悲しみもやがては乗り越えられるはずだ━━。賢治が『銀河鉄道の夜』を通じて一番に伝えたかったことは「私とあなたは別々の存在ではなく、すべてのものはつながっている」という考え方なのだ。

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2013年11月16日

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